スター・ウォーズ ビジュアル事典 ドロイドの秘密情報 の商品レビュー
『スター・ウォーズ』の世界では人工知能搭載のロボットであるドロイドが普及している。旧三部作ではC-3POとR2-D2がマスコット的なキャラクターであった。しかし、C-3POやR2-D2の運動能力は人間には及ばない。 旧三部作でドロイドが戦闘で活躍することはなかった。これは旧三部...
『スター・ウォーズ』の世界では人工知能搭載のロボットであるドロイドが普及している。旧三部作ではC-3POとR2-D2がマスコット的なキャラクターであった。しかし、C-3POやR2-D2の運動能力は人間には及ばない。 旧三部作でドロイドが戦闘で活躍することはなかった。これは旧三部作が作られた20世紀の撮影技術に要因があるだろう。一方でロボットはピコピコと動くものという感覚があり、運動性能の高いドロイドを想像できなかったという社会的限界もあるだろう。 新三部作ではバトルドロイドが戦闘に登場する。これは新三部作が公開された21世紀ゼロ年代の撮影技術に負っているだろうが、ロボット技術の発展によって遠い将来の現実味が出たこともあるだろう。 一方で判断力は人間が上ということでクローン兵士が作られた。人工知能のシンギュラリティという言葉がないゼロ年代前半は人間の方が判断力は上と考えられたのだろう。これによって物語世界では後の時代になる旧三部作で兵士が人間ばかりであることの説明が成り立った。 クローン・トルーパーの中でもARCトルーパーやクローン・コマンダーは自我や個性があり、それが兵士としての優秀さにつながっている。ここには、より人間的なものがパフォーマンスも高いという価値観がある。官僚主義の対極の発想である。 ところが、2016年公開の『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』ではK-2SOというセキュリティ・ドロイドが登場する。このドロイドは一体で大勢のストームトルーパーを相手に戦えるほど優秀である。人間への皮肉を口にし、人間並みの思考の柔軟性を持っている。K-2SOと同型のドロイドを量産した方が銀河帝国は強力になれたのではないだろうか。 続三部作のマスコット的なドロイドBB-8もアストロメク・ドロイド(修理・整備用ドロイド)であるが、エピソード8『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』では戦闘で大活躍する。人工知能の発達普及というテン年代の現実がゼロ年代の映画の設定を追い抜いてしまった感がある。
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