MONKEY(vol.5 2015 SPRING) の商品レビュー
毎号欠かさず読んでいる柴田元幸責任集『MONKEY』も5巻目。今回の特集はイギリス・アイルランドの小説。 柴田さんのまえがきによると、(ものすごく乱暴な一般論をふりかざせば、という前置きはついているものの)「アメリカ文学が自分が<いま・ここ>にいることに苛立ち、憤りがちであるのに...
毎号欠かさず読んでいる柴田元幸責任集『MONKEY』も5巻目。今回の特集はイギリス・アイルランドの小説。 柴田さんのまえがきによると、(ものすごく乱暴な一般論をふりかざせば、という前置きはついているものの)「アメリカ文学が自分が<いま・ここ>にいることに苛立ち、憤りがちであるのに対し、ブリティッシュ=アイリッシュ文学は<いま・ここ>と折りあおう、歩み寄ろうとする傾向がある。」とある。本書に掲載された小説を読み進めていくと、確かにこのまえがきの言わんとするところが感じとれる。(柴田さんのまえがきや解説は、いつも的を得ていて読者を導いてくれる。)ぞくっとする、じわっとくる読後感は今号の肝だ。 また、本書の連載陣の村上春樹、古川日出男、岸本佐和子の文章は相変わらず楽しい。(ただ、この連載陣のうち川上弘美だけはどうもワタシは受け入れられない。特に今回のものは。。)今回あらためて思ったのは、村上春樹というのは名文家だということ。特別に好きな作家ではないのだけれど、『MONKEY』誌上で綴っている「職業としての小説家」の文章は毎回流れるように入ってくる。今回の内容も、後からツッコミを入れたくなるような箇所が実はいくつもあるにもかかわらず、読んでいる間はすっと入ってくるから不思議だ。
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特集-死者の歌 イギリス・アイルランドの物語にピンと来ない自分が悔しい。 ウルフ、コンラッド、ディケンズ、ジョイス等オールスターキャストなのに。 村上さんの「職業としての小説家」は、 今までに読んで知っていることも多かったが、いい話だ。 こんなのもある(http://bit.ly...
特集-死者の歌 イギリス・アイルランドの物語にピンと来ない自分が悔しい。 ウルフ、コンラッド、ディケンズ、ジョイス等オールスターキャストなのに。 村上さんの「職業としての小説家」は、 今までに読んで知っていることも多かったが、いい話だ。 こんなのもある(http://bit.ly/1NpUX4M)。
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本編はさておき、岸本佐知子の連載がとても良い。今回は赤坂見附で、彼女が翻訳家になる前に6年半勤めた街を再訪し、なくなってしまった店や人に想いを馳せる。かつて関わった多くの風景がなくなっているが、唯一最後まで乗らなかったボートハウスだけが残っているのを目にし、「私が触れなかったもの...
本編はさておき、岸本佐知子の連載がとても良い。今回は赤坂見附で、彼女が翻訳家になる前に6年半勤めた街を再訪し、なくなってしまった店や人に想いを馳せる。かつて関わった多くの風景がなくなっているが、唯一最後まで乗らなかったボートハウスだけが残っているのを目にし、「私が触れなかったものだけが残っているみたいだった」という一言がぐっと胸に刺さった。
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モンキーも五冊目。 今回も面白かった。 ジェームズケルマンという方のショートショート、チャトウィンにあてた池澤夏樹の短編が特に好き。
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ぱらぱらと何気なく捲っていたら、W.S.マーウィン"死んだ言語を学ぶ/ Learning a Dead Language" が飛び込んできて、すぐに、この作家の本を探した。
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