原子・原子核・原子力 の商品レビュー
山本義隆先生の駿台での記念講演を基にした原子物理学入門。先生の講義を聴いているかの様。 原子物理学の基本法則をその現れた歴史と、関わった物理学者たちを交えて語られていて、とても面白い。 予備校での講演だけあって、「この図は・・・2000年の東京大学の入試問題にも使われています」と...
山本義隆先生の駿台での記念講演を基にした原子物理学入門。先生の講義を聴いているかの様。 原子物理学の基本法則をその現れた歴史と、関わった物理学者たちを交えて語られていて、とても面白い。 予備校での講演だけあって、「この図は・・・2000年の東京大学の入試問題にも使われています」とあるのは御愛嬌。 終章で多くの科学者が原爆製造にかかわっていくのが悲しい。
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山本義隆 「 原子 原子核 原子力 」 理系予備校生向けの講演録。原爆と原発の開発と事故の歴史にも読める。数式は流し読みしたが、原子論、電子論、X線と放射線、原子核のエネルギー、原爆と原発をわかりやすく説明。 科学は 多くの命と時間を犠牲にして 改良発展してきた歴史を持つにも...
山本義隆 「 原子 原子核 原子力 」 理系予備校生向けの講演録。原爆と原発の開発と事故の歴史にも読める。数式は流し読みしたが、原子論、電子論、X線と放射線、原子核のエネルギー、原爆と原発をわかりやすく説明。 科学は 多くの命と時間を犠牲にして 改良発展してきた歴史を持つにも関わらず、原子核と原子力は 制御不能な技術として 撤退すべき という論調。 科学の敗北とも読める
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基本であるところの原子とは何か?とかいう話を、物理学の基本から説明する。e=mc^2の証明がさらっと出てきたりする。数式の変形はほぼ微分くらいまで。それでぐいぐいとほらこういうことですよねとすすむ。その中で、エレクトリックってそもそも琥珀って意味ですよとかいう教養が出てきたりする...
基本であるところの原子とは何か?とかいう話を、物理学の基本から説明する。e=mc^2の証明がさらっと出てきたりする。数式の変形はほぼ微分くらいまで。それでぐいぐいとほらこういうことですよねとすすむ。その中で、エレクトリックってそもそも琥珀って意味ですよとかいう教養が出てきたりする。こんな授業が30−40名の前で実現していて、それを書き起こす人たちがいて、本にする人たちがいるわけ。実は、磁力の発見だかなんだかっていうこのひとの本は途中で脱落した気がするんだけど、この本は非常に読み進める敷居が低かった。物理の歴史なのに!で最終的には、原子力についての話になるんだけど、読み進めていくうちに、その桁違いのエネルギーの意味がわかってくる。すべての理系の人が読むべき本。文系でもいけるかも。
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http://lib.s.kaiyodai.ac.jp/opac/opac_details.cgi?amode=11&bibid=TB10072747
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この本は「物理学の入門書」とカバーの解説にある。確かに原子・原子核の基礎から、科学上の発見や研究の発展をたどり、原子力についての理解を深めるために、とても平易な語り口で解説されている。残念ながら、理数系を苦手とする私には、頻出する数式や記号、グラフなどは全く理解できないが、古代ギ...
この本は「物理学の入門書」とカバーの解説にある。確かに原子・原子核の基礎から、科学上の発見や研究の発展をたどり、原子力についての理解を深めるために、とても平易な語り口で解説されている。残念ながら、理数系を苦手とする私には、頻出する数式や記号、グラフなどは全く理解できないが、古代ギリシャから福島原発の事故に至るまでの物理学と化学の歴史の流れは、とても興味深いものがある。 そうした数々の学者たちのエピソードもさることながら、原子炉と原発は何ら変わるものではないこと、そして、そもそも原子炉は原爆の材料を作るために作られたものであること、原爆は、とにかくナチス・ドイツに先に作られてはならないという大命題からスタートしており、経済性や放射能の人命に対する影響・安全性などを度外視した突貫工事で進められた計画であること、などが語られる。放射能汚染についても、基準値以下の低レベルにするために大量の水で薄められて海に放出しているので、けっして量が少ないというわけではないこと、また基準値なるものも、原発を稼働するための必要性から割り出されたもので、それ以上の合理的根拠のあるものではない、といったことも書かれている。 副題にある“講義”とは、筆者の勤めている駿台予備校の千葉校が開校20周年を迎えた記念に行われた特別講演のことで、この時の内容に加筆して全7章構成にまとめられている。
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基本は力学から始まって数式も交えつつ科学史を辿ってくスタイル。さすが超優秀な駿台物理講師だけあって,科学史部分は過不足なく本当に秀逸。 本のテーマでもあるので,仕方ないのだが,反権力な記述も序盤からちらほら見える。 ベクレル家が四代続けてパリの自然史博物館教授だったことに触れ「...
基本は力学から始まって数式も交えつつ科学史を辿ってくスタイル。さすが超優秀な駿台物理講師だけあって,科学史部分は過不足なく本当に秀逸。 本のテーマでもあるので,仕方ないのだが,反権力な記述も序盤からちらほら見える。 ベクレル家が四代続けてパリの自然史博物館教授だったことに触れ「現代の世界を見渡しますと,東アジアの一角では…二代目だとか三代目だとかが権力の座に収まっています」pp.72-73 とか。 しかし予想を上回っていたのは,まず肥田舜太郎・鎌仲ひとみ『内部被曝の脅威』を引いて,ヘルツが「原爆ぶらぶら病」と同じ経緯で衰弱・死亡したと示唆する記述が出てくる箇所。 もうちょっと理性的な人だと思ったのにちょっと失望を禁じ得ない。 pp.86-87 その本には安井至先生による痛烈な批判がある↓ 内部被曝 肥田舜太郎 市民のための環境学ガイド http://t.co/51cWEdAl7q 山本義隆氏も是非この文章を読んでもらいたい。もと東大全共闘議長とはいえ,あれほど物理を深く理解している人ならもっと冷静に考えられるはず。 そして最後の章,原爆と原発を語る部分は,デメリットと恐怖を強調しすぎているきらいが。 特に極めつけは,自論の補強のため安冨歩の著書の一部を好意的に引用してるとこ。あれほど壊滅的な駄目本を… 読んでない人多いだろうし,それで大正解なんですが,本当に支離滅裂な内容で。 あの,受験生時代ほとんど崇拝していた山本先生がこんなのを評価するとは超絶残念…。 『原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―』のレビュー http://t.co/UqrfmpM0lF 物理に関してはあれほど誠実にあれほど理知的な文章を書く先生が,あの本の駄目さに気づかないわけがない。 結局,そこには目をつぶり,便利な部分だけを引用したということ…?しかもこれって「東大教授」という「権威」をちらつかせる引用では?それって山本先生が最もやってはいけないことでは…? とはいえ,前半の質は高いし,反原発の主張もあからさまにおかしくはないオーソドックスなもので,引用する文献に偏りがあるという程度。一般的に見れば良本とはいえると思う。
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