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突然ノックの音が の商品レビュー

3.5

16件のお客様レビュー

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2023/03/09

カバー裏側の惹句(「さりげない始まり。大胆な展開。あっという間のエンディング」)のとおり。「お行儀のいい子」「ポケットにはなにがある?」「グアバ」「サプライズ・パーティ」あたりが印象に残っている。

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2020/01/03

ショートショートと言っていい短編集. 奇想天外な展開,ひねりの効いたあるいは噛み合わない会話,不条理な展開,唐突におわるラスト.盛りだくさんの内容である.私は表題作,「創作」「プードル」「金魚」が良かった.

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2019/10/10

一編がこのくらいの長さでこの雰囲気やと何となくバリー・ユアグローと比べてしまうねんけど、比べるとこっちの方が地に足がついてて湿度が高い、ユアグローの方がシュールでドライかな。好みでいうとユアグローやけど、比べればであってこれはこれで悪くない。

Posted byブクログ

2019/08/17

非日常的なもの、心理的なもの、さまざまなテイストの掌サイズの短編集。アイロニカルで結構ドライで、読んだ後、心がちょっとちくっと痛くなるような。 たとえば「嘘の国」。私も結構ウソ付きなので、こんな国があったらほとんど恐怖。母を病気にしたりしたことあったし……。非常に身につまされたが...

非日常的なもの、心理的なもの、さまざまなテイストの掌サイズの短編集。アイロニカルで結構ドライで、読んだ後、心がちょっとちくっと痛くなるような。 たとえば「嘘の国」。私も結構ウソ付きなので、こんな国があったらほとんど恐怖。母を病気にしたりしたことあったし……。非常に身につまされたが、こんな形でウソを表現したもの見たことなかったので、かなり驚いたし面白かった。 「チーザス・クライスト」。すごく短いのだが、どこに連れてかれるのかわからない流れるような展開が新鮮で何度か読み返した。 「チクッ」。こういう痛そうなのは生理的に苦手なんだけど、ファスナーを開けてくるみ込まれることを想像したらまたドキドキして。 「創作」。この短編の中に四つの物語が入っている。これもくるみ込まれてる。 「色を選べ」。これは辛い。寓話化して書いているだけに普遍的なことだとわかるから。 「ポケットにはなにがある?」。これは詩。 「バッド・カルマ」。怖い。絶対フィクションだと思いつつ、妙にリアリティがある。 「プードル」。ちょっと泣ける。泣いていいのかわからないけど。 「一発」。これもしんどいな。イスラエルの人ってすごう優秀って聞くけど、これが今のアメリカ? 「カプセルトイ」。テロと癌が隣り合わせなのはこの国特有のことかもしれないけど、何か普遍性を感じるのはなぜ? 「金魚」。「嘘の国」に次いで好き。ところで結構ロシア人、ウォッカが出てくるのが少し不思議だったけど、ソ連崩壊後にイスラエルに移ってきたロシア人がいたことをこの本で知った。 「ジョゼフ」。映画の一場面のような緊張感のある一編。 「喪の食事」。三番目に好き。これも映像化するといいのに。ほっとする。 「グアバ」。そうか、グアバに生まれ変わるんだ。思ってもみなかった。 作者の経歴を意識しなくても面白く読めると思うが、イスラエルという国の事情やテロと隣り合わせで生きるということの心理やさまざまな移民のことを知って読むとよりいっそう面白い気がする。そういう「特殊な」背景に基づいた話でありながら、なぜか普遍性を帯びている。日本に日常的な自爆テロはないかもしれないけれど、何かしら似たような社会の切迫感や閉塞感はあって、そういう中で生きていくことへの漠とした不安は共通なのかもしれない。もちろん、自爆テロとはレベルが違うだろうけれども、知らない国の知らない話ではなく、自分ごととして感じることができるのだ、この本に収められた話は。

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2019/04/30

38の物語が収められた短編集。著者の出自は省略するとして、表題作はあまりに不条理な状況に置かれながら、それが現実なのだと受け入れるかのような語り手に、著者の姿が重なる。他に好きだったのは「嘘の国」(自分がついてきたその場しのぎの嘘が全部現実になっているパラレルワールドが存在した、...

38の物語が収められた短編集。著者の出自は省略するとして、表題作はあまりに不条理な状況に置かれながら、それが現実なのだと受け入れるかのような語り手に、著者の姿が重なる。他に好きだったのは「嘘の国」(自分がついてきたその場しのぎの嘘が全部現実になっているパラレルワールドが存在した、という話。珍しく?ちゃんとしたオチがある)、「創作」(小説を書き始めた夫婦の作品に込められた思いを考えさせられる)、「金魚」(願いを3つだけかなえてくれる金魚のシュールな話)などなど。

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2019/02/03

好み。(妄想の)子供に「今流行ってる仮面ライダービルドのフルボトルやで!」などと買い与えても、その子供はにっこり笑うだけで手に取らない。母親が子供の頃に親戚に貰った外国土産の木製のパズルを毎日ばらしては組み立てている。母親は「またはずしたわ」と思いながらも、来る日も来る日も息子が...

好み。(妄想の)子供に「今流行ってる仮面ライダービルドのフルボトルやで!」などと買い与えても、その子供はにっこり笑うだけで手に取らない。母親が子供の頃に親戚に貰った外国土産の木製のパズルを毎日ばらしては組み立てている。母親は「またはずしたわ」と思いながらも、来る日も来る日も息子が毎日同じ作業をしていることに不安を覚え、同時に羨ましいとも、こいつにはかなわない、とも思う。とまた妄想を書いてしまいました。この作者の日常生活で起こる何気ない出来事のこだわりが非常によい。木製のおもちゃのように、あたたかい。

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2019/11/17

 38編からなる短編集。  面白い作品はもうとことん面白く、読み終ったあとに「うーん」と思わず唸り声をあげてしまうのだが、つまらない作品はどこをどう楽しんでよいのか皆目見当がつかないくらいにつまらない。  それでも面白い作品のその「面白さ」がつまらない作品のその「つまらなさ」...

 38編からなる短編集。  面白い作品はもうとことん面白く、読み終ったあとに「うーん」と思わず唸り声をあげてしまうのだが、つまらない作品はどこをどう楽しんでよいのか皆目見当がつかないくらいにつまらない。  それでも面白い作品のその「面白さ」がつまらない作品のその「つまらなさ」を大きく凌駕しているので、全体としては非常に面白い作品集だと思う。  本書のタイトルや、ひとつひとつの作品の短さから星新一のショート・ショート的な作品を思い浮かべる方もいるかと思うが、そう思い込んで読み始めると肩すかしを食らう。  それと、本の帯に記されている内容と本書の内容にかなり食い違いがあるように思える。  本の帯には「こみ上げる笑いとそこはかとない悲しみ」とあり、確かにそのような作品も含まれてはいるが、どちらかというとシリアスでヘヴィーな内容が多くを占めているように思える。  少なくとも気軽な気持ちで読み始めると辛い目に会うように思える。  それと同じく帯にある「これって本当にイスラエルの作家が書いたんだろうか? 私のよく知っている誰かじゃなくて」とあるが、これも相当に違う表現のように思える。  少なくとも僕の知っている誰かはここにはいないし、イスラエルの作家でなければ書けない、あるいは書けても説得力のない凡作に終わってしまうような作品で溢れているように思える。  前出のように、つまらない作品が(少なくとも僕にとってつまらないという意味)が割と多く収められているので、手放しで面白い本とは言えないのだけれど、本書に出会えたことは、幸せだったと思う。

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2016/11/14

エッセイ集「あの素晴らしき七年」が良かったので、これは本業の小説の方も読まねば、と思って手にとりました。 どれも短いので、まったくエネルギーを使わずにするすると読めますが、その多くは読んだそばから忘れていき、心に残らないものが多かったです。 というわけで、「あの素晴らしき七年」の...

エッセイ集「あの素晴らしき七年」が良かったので、これは本業の小説の方も読まねば、と思って手にとりました。 どれも短いので、まったくエネルギーを使わずにするすると読めますが、その多くは読んだそばから忘れていき、心に残らないものが多かったです。 というわけで、「あの素晴らしき七年」の方がだんぜん好きです。 「七年」同様、死とか戦争というものが日常にあるということが文章のあちこちに意図せず出てきていて(意図して言及されているのかもしれませんが)、読んでいて、ときどきどうしようもない思いにかられました。途方に暮れるという感じが近いかな。 日本の小説などで「死」や「病気」がラストに用意されていると、なんとなく「安易だなぁ」なんてしらけてしまったりすることがありますが、同じフィクションの中の「死」なのに、自分の受け取り方がケレットの作品を前にすると全然違っていて、いろんな意味で複雑な思いがします。 一番好きなのは、「喪の食事」。 「金魚」「グアバ」「カプセルトイ」「どんな動物?」「青あざ」も好きです。 あとはあまり記憶にないです。

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2016/05/28

作品の出来はまちまちで、もっと厳選して薄くしても(安くしても)いいのでは、とは思ったがかなり素晴らしい作品もたくさんあった。 「嘘の国」「健康的な朝」「カプセルトイ」「金魚」「喪の食事」「 グアバ」等。 著者はイスラエルに住むユダヤ人だが、ユダヤ教を信じている訳ではない。しかしユ...

作品の出来はまちまちで、もっと厳選して薄くしても(安くしても)いいのでは、とは思ったがかなり素晴らしい作品もたくさんあった。 「嘘の国」「健康的な朝」「カプセルトイ」「金魚」「喪の食事」「 グアバ」等。 著者はイスラエルに住むユダヤ人だが、ユダヤ教を信じている訳ではない。しかしユダヤ教的なものは体に刻み込まれているし、自爆テロなどのイスラエル・パレスチナ問題も日常にある。 こういう作家がこれから新しいイスラエルを作っていくかもしれないと、希望を感じた。

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2016/01/17

イスラエルの作家、本当に短い短編集。 様々なスタイルの小説、サクサク読めます。おかげで、ついつい後回しにしてしまい、読了までに間が空いてしまった。 一つ一つが意表をついていながら、うなずけるストーリー。良かった!

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