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宰相A の商品レビュー

2.8

21件のお客様レビュー

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2018/10/28

【由来】 ・ 【期待したもの】 ・ ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。 【要約】 ・ 【ノート】 ・ 【目次】

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2018/01/06

「戦争」のあと、日本はアメリカに占領され 入植を受け入れたのだが その国名は日本で変わらないまま 国民だけが「日本国民」と「旧国民」に区別されるという なんだかよくわからない 面倒臭いことになってるパラレルワールドの話 島国のプライドが あえて被差別的な立場を選択させたということ...

「戦争」のあと、日本はアメリカに占領され 入植を受け入れたのだが その国名は日本で変わらないまま 国民だけが「日本国民」と「旧国民」に区別されるという なんだかよくわからない 面倒臭いことになってるパラレルワールドの話 島国のプライドが あえて被差別的な立場を選択させたということかもしれないが 一方で旧国民たちは「制服」に強い執着を持ち また、「J」なる象徴的概念をでっち上げ、すがりついている おそらくは天皇の死が かつての日本人たちをそのように去勢したのだろう けれどもそうであればむしろ 日本人はなおさらプライドを捨てて、従順になるのが自然だろうし そもそもそんな状態で国家財政がまともに成り立つのか 日本がアメリカの基地となっているだけにしても あまり説得力はない 要はロシア・中国をバックにつけてる北朝鮮と 日本を同一視したいんだろう それは不遇のルサンチマンとして理解できるにしても 今のところまともな風刺にはなってないと思う そもそも風刺の意図すらない、ただの願望なのかも知れないが… 途中あるセックスシーンは良かった

Posted byブクログ

2017/06/25

今から約2年半前の作品、たまたま手に取って読みました。 冒頭は主人公が亡くなった母親の墓参りに向かうシーン。記憶を辿りながら車内で微睡み、目が覚めるところから物語は一気に展開する。国民は制服を着用し、平和的民主主義的戦争を行い、戦争こそ平和の基盤だと宰相Aが煽る「もう一つの日本...

今から約2年半前の作品、たまたま手に取って読みました。 冒頭は主人公が亡くなった母親の墓参りに向かうシーン。記憶を辿りながら車内で微睡み、目が覚めるところから物語は一気に展開する。国民は制服を着用し、平和的民主主義的戦争を行い、戦争こそ平和の基盤だと宰相Aが煽る「もう一つの日本」の中で、次々に休む間もなく展開してく状況。今の時代の空気感を表現しているとも言え、文字とイメージが頭の中に押し寄せるような感覚でした。 何を考えどう生きるかにしっかり向き合っていくことが大事ですね。 ぜひみなさん、読んでみてください。

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2017/06/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

宰相Aの記述が薄い。(個人的にはA・B・Eを皮肉ったモノを期待していたので猶更か…) 後半のスピーチみたいなモノは良かった。(意味不明の説明を延々とするところや、戦争平和主義的とか、○○的を多投するなど…) 取締官(?)の女性の描き方もちょっと雑だったような気もする。 いきなり性交渉をしたり、いきなり拷問に掛けられたりと… 最後の、主人公Tの記憶がなくなった理由を説明するところは逆に要らない。 ただ「鉄鍋を観ると、脂汗がでるのはなんでだろう?」とかの記述位で含みを持たせた方が良かったような。 とはいうものの、全体的には悪くない読み物だった。 (その夜の夢見が悪かったのは、おそらくコレのせい…)

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2016/10/21

エンタテイメントとしての面白さは、皆無。さっぱり、まったく、1mmも面白くなかった! 田中さんの独特の文体に引き付けられ、どんな結末が用意されているのかの興味のみを糧に、一応最後まで読みはしたけれど、さっぱり分からなかった(苦笑)。 そこはかとなく、筆者が大衆へ訴えているので...

エンタテイメントとしての面白さは、皆無。さっぱり、まったく、1mmも面白くなかった! 田中さんの独特の文体に引き付けられ、どんな結末が用意されているのかの興味のみを糧に、一応最後まで読みはしたけれど、さっぱり分からなかった(苦笑)。 そこはかとなく、筆者が大衆へ訴えているのであろうと思われるのは……、現代日本や世界平和や、日米同盟のあり方やらへの痛烈な皮肉なのだろう・・・と…… そんな一冊。 ★1つ、1ポイント。 2016.10.21.図。 でも、田中慎弥さんの著作は、いつかまた手にとっていそうな予感がする。

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2015/11/29

安倍首相とアメリカをたっぷりと皮肉って描かれたストーリー。田中さんの作品は読みにくいとの書評をよく目にするけれど、私は全くそれを感じず、するすると読める。奇抜な設定がおもしろくもあり、恐ろしくもある作品でした。

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2015/08/09

「宰相A」とは、アドルフ・ヒトラーのAであり、また安倍晋三のAであると、著者本人の口から既に説明されている(朝日新聞3月24日夕刊)。ちなみに、著者の住む下関市は、安倍晋三の選挙区「山口4区」にある。  戦後、アメリカ人が支配し、日本人が差別・抑圧される「もう一つの日本」。公用語...

「宰相A」とは、アドルフ・ヒトラーのAであり、また安倍晋三のAであると、著者本人の口から既に説明されている(朝日新聞3月24日夕刊)。ちなみに、著者の住む下関市は、安倍晋三の選挙区「山口4区」にある。  戦後、アメリカ人が支配し、日本人が差別・抑圧される「もう一つの日本」。公用語は英語、国民は制服着用、出生時から番号で管理され、芸術活動は認可制の全体主義社会。首相は日本人から選ばれるが実権はなく、「戦争主義的世界的平和主義」を掲げて、アメリカとともに世界中で戦争を続けている。おかしな言葉使いが安倍政権の「積極的平和主義」等々を想起させるが、現実政治への単なる批判や嘲笑では終わらない。 このパラレルワールドに迷い込んだ主人公Tは小説家で、不条理な展開、不自由な状況下でも自らの物語を書こうとする。小説では作家の想像や思考が言葉になり、世界を創る。では、このおかしな世界は誰が想像したものか、と問う。 作家の想像力は現実世界に対峙できているか。状況に流されない言葉の力を保持しているか。文学論としても切っ先鋭く、特に終盤は、読者もまた挑発される。笙野頼子による文学の定義を思い出す。「極私的言語の戦闘的保持」。 来年の本屋大賞には、この作品を推したい。

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2015/07/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

宰相Aは安倍だ~いくらエッセイを書いても小説を書きたくても書けない苛々が募り,30年前に蛸のぬめりを塩でしごいて取っている最中に心臓発作で死んで,O町の教会に葬った母の墓を参れば,小説を書けると列車に乗った。金メダル確実と言われたアメリカの女性フィギュアスケート選手が転んで金を逃し,笑みを浮かべていることから始まる僕の生まれた年の話を母の声で聞いたが,これは夢に違いない。目が覚めると目的のO町だったが,O町はOとだけ表記され,列車から降りると,周りの人々は驚愕の表情を浮かべているが,皆が皆,緑の制服を着た人々は金髪・蒼眼を持っていて,英語を喋っている。N・P(ナショナル・パス)を持たないため,軍に連行され,ようやく話が通じる女性が説明するには…日本国にときどき紛れ込む旧日本人がいる…平和の為の戦争をアメリカと共に展開している日本に旧日本人は協力するでもなく反抗するのでもなく,同化するのを拒んでいる…旧日本人が日本人になる道がない訳でなく,首相は旧日本人のAである…間もなく釈放され居留地へ連れて行かれるであろう…。居留地に行くと,伝説の反逆者Jの生まれ変わりだと言われ,肖像写真と手記を教会内で見せられる。確かに僕Tとそっくりで,僕の出現を予言している。緑の制服を作る工場で働くことになったが,工場長と同僚によって虐げられ,緑の制服も手に入らない。何よりも母が飲む薬を手に入れねばならないのだ。制服代を天引きされつつ,もう一着分を支払って制服を手に入れて帰宅すると,母は自ら命を絶っていた。翌日,鉈を手に職場へ向かい,手当たり次第に斬りつけて,捕まった…裁判に期待できず,間違いなく死刑だ。勝手にJの生まれ変わりだと期待されても,こちらは只の小説家だ。墓を探して小説を書きたいが,紙と鉛筆がない。紙と鉛筆が欲しいだけだ。飲み屋でかつてJの生まれ変わりと期待されて飽きられた痩せた男が翌日捕らえられ,橋の上で吊された。暴動の雰囲気に,例の軍に所属する女が,居留地で僕の身柄の引き渡しを求めてきた。旧日本人は議論するだけで何も結論は出せない。居留地に掛かる橋に,交渉役の女が車を乗り入れてきた。僕は話し合いのために車に乗り込むが,女は僕を相手に性的欲求を満たしたいだけだ。話し合いは進まず,緑の軍団は包囲網を縮めてくる。最後の拠点,教会も崩壊し,僕の上にJの肖像画が落ちてきて気を失った。皮製の拘束衣を着せられて連れてこられた映画館の舞台では肉体関係を持った女が逆さに吊られ,気持ちを通じさせただろうと拷問を受ける。最初は水で,次は汚物で,最後に性器に熱した油を掛けられて…。僕に対しては電極を通じて電流が送られ続ける。僕は…認可作家だ~宰相Aは戦争主義的世界的平和主義に基づく平和的民主主義に基く平和的民主主義的戦争の既決たる,戦争及び民主主義が支配する完全なる国家主義的国家…ま,ナンセンスっで事!

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2015/07/13

墓参りに行く電車の中、夢の中で聞いた母の声。 気が付くと、いつの間にか作家は「現在の日本」ではない「日本」に迷い込んでいる。 虚構と現実を自在に行き来する、作家の「お話」は読むのが辛くなるほどリアルで息苦しい。 「お話を現実に現実をお話に書き換える」ことのできる作家だからこそ 現...

墓参りに行く電車の中、夢の中で聞いた母の声。 気が付くと、いつの間にか作家は「現在の日本」ではない「日本」に迷い込んでいる。 虚構と現実を自在に行き来する、作家の「お話」は読むのが辛くなるほどリアルで息苦しい。 「お話を現実に現実をお話に書き換える」ことのできる作家だからこそ 現実に戻ってきてこれを書いたのか?或いは? 「逃げながらでもいいから、お話を作り続けなさい」母は励まし続けることしかできないけれど。

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2015/07/12

パラレルワールドに迷いこんだ小説家のはなしで戦争と独裁者に対する筆者の批判なのであろうとは思ったが面白みが見つけられず挫折。

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