異邦人 の商品レビュー
個人で美術館を開いている有吉不動産娘の菜穂 銀座老舗画廊息子の一樹 地震が起こり妊娠中の菜穂は京都へ避難しそこで無名の画家樹の絵を見つける 互いの家の業績不振 芸術にかける菜穂の思い家族や周りの人の思い 見えているだけではなく自分の意思を通すだけではなく互いの気持ちをぶ...
個人で美術館を開いている有吉不動産娘の菜穂 銀座老舗画廊息子の一樹 地震が起こり妊娠中の菜穂は京都へ避難しそこで無名の画家樹の絵を見つける 互いの家の業績不振 芸術にかける菜穂の思い家族や周りの人の思い 見えているだけではなく自分の意思を通すだけではなく互いの気持ちをぶつけ合い話していたら変わっていたのかと思う本だった
Posted by
「異邦人」とは誰のことを指すのでしょうか? 読んでいる最中、私は屏風祭りで外から展示物を見る1人の観光客でした。物語は私たちには遠いような近いような、全てを目に焼き付ける傍観者の視点で進みます。 一年をかけて菜穂と一樹を取り巻く環境・心情の変化を追っていきます。一年を追うこ...
「異邦人」とは誰のことを指すのでしょうか? 読んでいる最中、私は屏風祭りで外から展示物を見る1人の観光客でした。物語は私たちには遠いような近いような、全てを目に焼き付ける傍観者の視点で進みます。 一年をかけて菜穂と一樹を取り巻く環境・心情の変化を追っていきます。一年を追うことで、登場人物のことをよく知る人物であったかのような、親近感を覚えました。それぞれがどのように人生を歩むのかを、花が咲くのを楽しみに待つ老人のように、またやっと食べられる美味しいご飯をかきこむ子供のようの読み進めていました。ページを捲る手が止まらないです。 京都の桜散るある日、蒸し暑い夏、紅葉の綺麗な秋、凍えるような冬、それぞれが肌に吸い付くように、感じられました。京都に住んでいた日のことがありありと目に浮かびます。 とても面白い作品です。また読み直したいです。 おすすめです。
Posted by
震災後のストーリーにしなくてはならなかったのかな。 東京脱出の部分は、地震や原発の被災後を知っているせいか、 違和感がどうしても残る。 マハさんの作品は読んでいるほうだけど、 これは、ちょっと残念かな。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
どこか敷居の高い京都。 よそもんには厳しい京都。 そんな京都の空気、四季の移ろいが感じられた。 ドラマを先に見たのだけれど、原作に忠実に作られていたんだなとしみじみ。 芸術に愛され愛した人と、芸術に人生を狂わされた人の物語。
Posted by
ドロドロした昼ドラのような男女関係 + アートが紡ぐ感動 京都の風情、独創性や画家の作品を頭の中でイメージしながら読みました。 まるで自分も京都に行って日本画を目の前で観たように想像できて楽しく読ませてもらいました♪
Posted by
日本画や京都の伝統に興味を掻き立てられる一冊。 星4つにしたのは、ラストで厄介な人物があっけなく病死するので、ストーリー展開がそこだけ雑に感じたから。 それ以外は、さすがと唸ってしまうほど、美術の世界へどっぷり浸からせてくれる物語。 竹内栖鳳、見てみたいな。
Posted by
この作家さんお得意の美術に関する話。 今回は画廊、美術館、画家のそれぞれの思いと、血縁関係が入り混じった物語になっている。 ワタシ自身は美術に関してまったく才能がないのでわからないのだが、わかる人には作品と出会った時に「刺さる」そうだ。 その「刺さる」と表現する人の中にも、...
この作家さんお得意の美術に関する話。 今回は画廊、美術館、画家のそれぞれの思いと、血縁関係が入り混じった物語になっている。 ワタシ自身は美術に関してまったく才能がないのでわからないのだが、わかる人には作品と出会った時に「刺さる」そうだ。 その「刺さる」と表現する人の中にも、才能の高い低いがあるようだ。 画廊や美術館で働く人は、無名の作家の作品を高値で買い取って有名になった時にさらに高値になることを見抜くチカラが必要らしい。 さらにその画家に個展などを開いて投資をし、世間に名を知らしめるようなこともするそうだ。 日本美術界もバブルの時にすごい金額でゴッホの絵を買ったというニュースを見たりしたが、恐ろしい世界だ。 この物語もそんな美術界とお金と人間関係の話。 面白かったです。
Posted by
東日本大震災のち、東京から京都に一時的に移り住んだ有吉菜穂は、美術館、不動産を持つ有吉家の令嬢。夫は銀座で画廊を営む一輝。菜穂は妊娠中であったため、療養で京都に滞在していたが、徐々に京都での文化的な生活に魅力を感じ、また夫との物理的な距離から精神的距離も生まれてしまう。そんな中、...
東日本大震災のち、東京から京都に一時的に移り住んだ有吉菜穂は、美術館、不動産を持つ有吉家の令嬢。夫は銀座で画廊を営む一輝。菜穂は妊娠中であったため、療養で京都に滞在していたが、徐々に京都での文化的な生活に魅力を感じ、また夫との物理的な距離から精神的距離も生まれてしまう。そんな中、1人の画家と出会う…。 上手く粗筋をまとめられなかったけれど、面白くて一気に読んでしまった。京都に行きたくなる。
Posted by
暑くなって来ましたねw ってな事で原田マハの『異邦人 いりびと』 マハさんらしく美術色全開の内容w お嬢様育ちで家族が経営する会社の美術品を集めた美術館の副館長として働く有吉奈穂。 その旦那で美術画廊の専務の篁一輝。 その二人を取り巻く家族、美術、原発、新たな新人画家と...
暑くなって来ましたねw ってな事で原田マハの『異邦人 いりびと』 マハさんらしく美術色全開の内容w お嬢様育ちで家族が経営する会社の美術品を集めた美術館の副館長として働く有吉奈穂。 その旦那で美術画廊の専務の篁一輝。 その二人を取り巻く家族、美術、原発、新たな新人画家との複雑で熱い絡みがなんとも言えんw 兎に角、中盤から面白くなってネタバレしたいけど我慢しときます(笑) 2016年31冊目
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
京都の雅な世界の中で描かれる、人間の業。 「異邦人」として頑張る菜穂を描いているのかと思っていたが、菜穂は異邦人どころか京都にDNAを持っていた。まさかのどんでん返し。 ただ、その背景を知ると、菜穂の言動に合点がいく。モネの睡蓮が売られた時、友の訃報に触れたような悲しさ、と言っていたが、それもそのはずなんだろう。実の父と母が亡くなっている以上、自分には父が引き継いでくれた審美眼と、父が残してくれた絵画、美術館が菜穂にとってのよりどころ。それらが自分の意志とは関係なく第三者に渡される、しかもお金のために、というのは、自分の尊厳が傷つけられた気持ちになるのだろう。 また、この本によって、アートを取り巻く商売を学んだ。画家が描いた絵の売り手を画商が担い、コレクターへ売っていく。絵画は数々のコレクター(時には美術館)の手を渡り、永遠の時を生きる、、絵画が持つ悠久さを知った。
Posted by