最強の狙撃手 の商品レビュー
第二次大戦のナチス・ドイツ軍で戦った狙撃手のノンフィクション。凄惨な戦場や特殊な狙撃手の描写がリアル。敵兵を殺したり仲間が殺されたりする戦闘だけでなく、寒さやシラミに苦しむ行軍や性欲の管理と厳重な性病予防が徹底した娼婦宿のエピソードが勉強になる。兵士が経験するリアルと、国のプロパ...
第二次大戦のナチス・ドイツ軍で戦った狙撃手のノンフィクション。凄惨な戦場や特殊な狙撃手の描写がリアル。敵兵を殺したり仲間が殺されたりする戦闘だけでなく、寒さやシラミに苦しむ行軍や性欲の管理と厳重な性病予防が徹底した娼婦宿のエピソードが勉強になる。兵士が経験するリアルと、国のプロパガンダによる戦争のイメージのギャップを感じる帰省のシーンが興味深い。
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「戦争の真の相貌は言葉を絶する」、て、これがホントなのだろう。 WW2時、ドイツ軍の狙撃兵として従軍した一兵士(出身はオーストリア)が、徴兵に取られてから、才覚があって部隊の中の狙撃兵に任命され、各地を転戦して、そして敗戦後に家に帰るまでの話。 あらすじはハナから結末までわかりき...
「戦争の真の相貌は言葉を絶する」、て、これがホントなのだろう。 WW2時、ドイツ軍の狙撃兵として従軍した一兵士(出身はオーストリア)が、徴兵に取られてから、才覚があって部隊の中の狙撃兵に任命され、各地を転戦して、そして敗戦後に家に帰るまでの話。 あらすじはハナから結末までわかりきってる。彼の属してた軍は負けるし、主人公は生還する(それもほぼ無傷で!) その間に彼が何を体験し、何を見たのか、を、淡々と綴っていく。読者は彼の戦友として、共に戦場を旅する気になる。 あくまで最前線の一兵士の話なので、思想や政治って大きな物語は語られない。敵兵とファシストだのボリシェヴィキだのと罵りあうけど、別に、彼はナチ党員でもないし、ごく普通の若者(出征時18歳だって)なんだ。 おおむね事実に基づいてる、とある。ヨーロッパの最前線で敵と殺し合う兵士の日常生活や装備、狙撃兵としての行動や戦術、各種の銃について、といった細部が具体的で興味深い。 彼や周辺の写真が多数含まれてて、こんなに従軍カメラマンがいたのか、と思うと、終盤、敗戦で部隊も瓦解して数人のグループで逃げ帰るときの写真まである…! 最後まで一緒だった仲間にカメラマンがいたそうで。 狙撃兵という立場の微妙さ。特殊技能者ではあるが、敵どころか味方からも煙たがれる、「狙撃なんて卑怯」って観念がまだ根強かった、だからドイツ軍はかなり終盤まで狙撃用の銃がなくて、しばらくロシア兵から鹵獲した狙撃銃を使ってた、なんてトリビアも。そんな立場ゆえに、身分は徹底して隠そうとする。敵に捕まって狙撃兵だとバレると悲惨な目に遭わされる。 そう、敵はロシア軍なのだ。頻出する残虐なロシア兵の記述はどうなのよ、て思うけど、しかし、大抵の本でやっぱりロシア兵の残虐さが語られてるので、もしかすると誇張ではないのかも知れない…(ドイツ兵の残虐さもいくつかの本で語られることもあるから、どいつもこいつも、なんだろうか?) ロシア兵に捕虜として捕まって惨殺された戦友については、単に「戦闘中に死亡」として報告された、それが、「戦争の真の相貌は言葉を絶する」ということ。現実の戦場では国際条約なんか関係ない。
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機甲師団の派手な戦いと違ってひたすら徒歩で戦い続ける所に非常に感銘を受けました。だからこそ生き残るチャンスもあったように思えます。
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