虫から始まる文明論 の商品レビュー

奥本大三郎(著者)

2017/03/12

虫に関するさまざまな面白話が読めると思っていたら、虫の分量はあまりなく、なんか思い付きっぽい比較文化っぽい話がほとんど。
うーんまあ「虫から始まる」というタイトルは嘘ではないけれど……。うーん。

思い付きっぽい話も、まあ悪いわけではないので星３つ。

2022/06/01

虫とか文明とか好きな言葉が並んだタイトル。釣られてしまう。

序章がよい。

夫婦が似てくる、という話。風土の違いと、理にかなう様式の話。

虫というのもまさに風土の影響を受けている。場所によって虫が全然違うというのは皆知っているだろう。過日、マレーシアの巨大ナナフシの標本を見た。まさに風土の影響だろう、日本にはあんなのいない。

であれば、人間だって風土の影響を受けないはずがない。

というわけで、「虫から始まる文明論」。

「虫の世界」「人の世界」でわけられている。どうしてこんな虫がいるのか。人は、それぞれの地域の人は何を見て何を思っているのか。

とにかく引用が多い。全頁に引用、というと大げさだがそれに近い。その引用を通じて、ものの感じ方、あり方を論じる。味わい深い本だ。