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孤島の鬼 の商品レビュー

4.1

12件のお客様レビュー

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    4

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2024/05/14
  • ネタバレ

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一部、文章に欠落があると聞き欠落部分を確認したが、これぞ乱歩の真骨頂ではないかと言いたくなるような箇所だった。だが、それゆえに受け入れられない人もいるだろう。 しかし、本作は見事に乱歩らしさが現れている。些細な出来事をきっかけとし強大な悪が発覚するところも、その強大さが醜悪な人間性を示すところも、醜悪さがエドガー・アラン・ポーと通ずるところも、全てが江戸川乱歩である。 主人公蓑浦の自我、顕示欲の強さ、同性異性から愛される自己という認識。 黒幕丈五郎のナチスや優生思想に通ずる、しかし見事に白と黒の対をなす主張。 全てが微に入り細を穿ち描写され、独自の世界観を作り出している。

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2024/02/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 江戸川乱歩の長編小説の中で最高傑作だと思う。初めはよくありそうな都会でのミステリーから始まるのに、登場人物に関係する人間の気持ち悪さに引き込まれた。B Lと冒険的なストーリーがあって読むものを飽きさせなかった。

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2023/04/22

初めての江戸川乱歩。なるほど確かにぐちゃぐちゃのドロドロで「作者すげえ…」ってなりますね。前半の密室殺人事件から一転、後半は孤島を舞台に猟奇的な事件を追いかける冒険小説になり楽しい。現代では難しいであろう描写や、昔ながらの文体も含め味があります。締め方の余韻もグッド。

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2023/03/10

いろんな要素がごった煮になった江戸川乱歩らしい怪奇小説で、冒険活劇の要素もあってなかなかおもしろかったです。 今の世の中では、こういう題材を扱う小説は発表しにくいだろうから、今後貴重さが増していく気がしました。

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2023/02/17
  • ネタバレ

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時代が違うから分かり合えないところはあったが面白かったです!初の江戸川乱歩さんの作品を拝読しましたが、ファンタジー?な要素があり驚きを隠せませんでした。

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2023/02/13

この作品を乱歩さんの最高傑作に推す人も多いらしく頷けます。コンプライアンス上、現代では出せない内容かも知れませんがそれを差し引いても面白かったです。 □■□■ 探偵の言葉が耳に残ります。 「もっと驚くべきことがある。悪魔の呪いといったようなものなんだ。想像もできない邪悪なものな...

この作品を乱歩さんの最高傑作に推す人も多いらしく頷けます。コンプライアンス上、現代では出せない内容かも知れませんがそれを差し引いても面白かったです。 □■□■ 探偵の言葉が耳に残ります。 「もっと驚くべきことがある。悪魔の呪いといったようなものなんだ。想像もできない邪悪なものなんだ。」 密室殺人、怪しい壺、犯罪推理から一転、絶海の孤島への冒険譚へ。 意味深な家系図、暗号、地下迷宮というミステリーの醍醐味フルコース。そしてなぜか全編に横たわる同性愛と何者かが企む悪意。果たして真相は…!? 巻末に当時の広告記事があったので引用します。 「江戸川乱歩氏の最大傑作!陰惨!怪奇!あの得も云はれぬ妖異不可思議な怪味に酔ふ時は今!奇才乱歩氏が世界的大名作たらしめんと全精力を傾注して執筆せる怪奇長編!この名作を読み落として悔いを後世に残す勿れ!この大作を読まずして乱歩氏を語る勿れ!」 物凄い宣伝文句ですが、まさにこの通りです。

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2021/05/15

現代の感覚からすると、ポリコレ以前にコンプラ違反というか、その辺りの時代の隔たりが気になってなかなか話に入っていけなかったというのが正直なところ。

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2019/06/14

これが昭和4年という昔に書かれたというのが驚きです。すごく面白かったです。ミステリとしてドキドキ読み進め、途中からはほぼ冒険小説。読み終わってみたら恋愛小説?とても読みやすく一気でした。乱歩の他の作品ももっと読みたいと思いました。読後創元版にはある衝撃的シーンがこちらではないこと...

これが昭和4年という昔に書かれたというのが驚きです。すごく面白かったです。ミステリとしてドキドキ読み進め、途中からはほぼ冒険小説。読み終わってみたら恋愛小説?とても読みやすく一気でした。乱歩の他の作品ももっと読みたいと思いました。読後創元版にはある衝撃的シーンがこちらではないことを知り、図書館で創元版のその部分を読みました。私はこの部分があった方がラストの余韻が大きく創元版の方が好みです。(※私の誤解があり、感想を修正しました)

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2018/03/06
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謎まみれ。謎まみれなんだけど、それを上回るおぞましさに謎なんてどうでもよくなってしまった。 徳さんの存在に救われた、かな。

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2016/05/21

恋人が殺され敵を討つため、素人探偵を雇う主人公。 だがそれは邪悪な事件の一端でしかなかった。 こんなに救われたラストはないぞ、秀ちゃんどころか周りのかたわ者も救われるなんて…。 ただ、諸戸よ。 疑われた上に、自分の親が諸悪の根源だわ、恋愛対象としては吐き気がするとか散々言われて...

恋人が殺され敵を討つため、素人探偵を雇う主人公。 だがそれは邪悪な事件の一端でしかなかった。 こんなに救われたラストはないぞ、秀ちゃんどころか周りのかたわ者も救われるなんて…。 ただ、諸戸よ。 疑われた上に、自分の親が諸悪の根源だわ、恋愛対象としては吐き気がするとか散々言われて唯一報われないわな君は。 死に際に主人公の名前を連呼するとか…身の上とかも可哀想だし、不便でしゃーない。 秀ちゃんは初代の実の妹だし、容姿も似通ってるのかな。 それもあって主人公は惚れたのかな。 あと吊り橋効果。 吉ちゃんは病院に行ったんだろうか、広い世界を知って新しい恋をして貰いたい。 丈五郎はなー、闇が深い。 極悪非道なんだけど同情の余地もあるけど、邪悪すぎるがな。 思ったよりグロい描写はないので読みやすかった。

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