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ナショナリズムをとことん考えてみたら の商品レビュー

3.3

14件のお客様レビュー

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2023/09/13

とてもライトに書かれていて読みやすいです。ライトと言っても「light」のことで,「right(右)」のことではありません。 右か左かのレッテルは分かりやすいようで実はみんなよく分かっていないのかもしれない。p.84に“「憲法九条を守るべきだ」と発言すると「左」のレッテルを貼ら...

とてもライトに書かれていて読みやすいです。ライトと言っても「light」のことで,「right(右)」のことではありません。 右か左かのレッテルは分かりやすいようで実はみんなよく分かっていないのかもしれない。p.84に“「憲法九条を守るべきだ」と発言すると「左」のレッテルを貼られ,自民党の政策にはすべて反対の立場のように扱われる。”と書かれていますが,憲法改正に躍起になるのが「左」なので,そもそも今の自民党がもはや「右(保守)」ではないということが認識されていないところに問題があると思います。むしろ「九条を守る」と言っているのが共産党だったりしていて,党名が思想を反映していないのが現実。 本文にあるように,ナショナリズムとグローバリズムが右か左かの対応になってきている。やっぱり自民は保守ではない。 感情や雰囲気で動く(B層?)ことを控えて,とことん考える必要があります。

Posted byブクログ

2019/07/13

日本人の私もよくなにが右で何が左か、具体的にわかっていない。単純にそういうレッテルを貼って物事を見る必要はなく、課題ごとにさまざまな意見があることを知りその上で自分で考えて物事を見定めて行く必要があることをあらためて学んだ。当事者意識を持つ必要があることは十分わかっているし、持っ...

日本人の私もよくなにが右で何が左か、具体的にわかっていない。単純にそういうレッテルを貼って物事を見る必要はなく、課題ごとにさまざまな意見があることを知りその上で自分で考えて物事を見定めて行く必要があることをあらためて学んだ。当事者意識を持つ必要があることは十分わかっているし、持っているとは思っているが、それが反映されないことにもどかしさを感じる。結局は企業や団体の後ろ盾が多い政党が強く、その政党でさえ、自分と価値観が同じ政策もあれば違う政策もある。自分が考えを持つと同時にそれを選挙という手法以外に具体的に関われる手法があればもっといいのになぁと思う。意識が高い人は何かしらそういう場を自分で求めて行動しているんだろうけど、そんな暇もネットワークもないし。意識はあるけど、結局は数の論理になり、自分ではどうしようもないと思ってしまうことが多いような気がする。仕方ないって言えばそれまでなんだろうけど

Posted byブクログ

2019/05/21

タレント本だけど、バカにしちゃいけない。面白い。 右と左の対立が、グローバリスムとナショナリズムの対立に置き換わってきている。 ナショナリズムは、人間(動物)の自然な感情に基づくものなので否定はできない。 ネットで飛び交う極端な議論にくみしない、どっちつかずの中間層がたくさんい...

タレント本だけど、バカにしちゃいけない。面白い。 右と左の対立が、グローバリスムとナショナリズムの対立に置き換わってきている。 ナショナリズムは、人間(動物)の自然な感情に基づくものなので否定はできない。 ネットで飛び交う極端な議論にくみしない、どっちつかずの中間層がたくさんいるはず。 中間層が、政治について発言できるようになればよい。

Posted byブクログ

2018/10/31

春香クリスティーンという人のことは全く知らずにナショナリズムについての考察だと勝手に思って買ってみたのですが、「ナショナリズム」についての書籍というよりも、著者の政治観やこれまでの経歴、周囲の人物への問答が中心でした。内容は読みやすく、しっかりとした内容でした。 わからないことを...

春香クリスティーンという人のことは全く知らずにナショナリズムについての考察だと勝手に思って買ってみたのですが、「ナショナリズム」についての書籍というよりも、著者の政治観やこれまでの経歴、周囲の人物への問答が中心でした。内容は読みやすく、しっかりとした内容でした。 わからないことを「よくわからない」としつつ「こう思う、こう感じる」と明確に書いてあり、これはこれでよかったし、けっこう耳が痛いところもある。 特にレッテル貼りについて苦言しており、この辺りは自分自身をきちんと持っているのだなと想像できて好感が持てた。 春香クリスティーンさんはスイスで教育を受けたとのことで、「スイス的な考え方」というものがあり、現地ではスイス的でない移民との軋轢があるなど、ネイションと文化について書かれているところも面白い。 あと「(現時点の環境と知識をもとに)とことん考えてみた」というタイトルが一番気に入った。間違っちゃいけないとか、そういうのナシで、知識不足や誤解されるのは承知の上でのこのタイトルって素晴らしいよな。

Posted byブクログ

2018/01/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 戦後から冷戦時は、社会主義を「左」、反社会主義が「右」というように対立軸がはっきりしていたため、「右」「左」の対立が明確であった(なお、社会主義国家であるソ連で、ロシア革命を起こした人々が、フランス革命時に保守である右翼と対立する存在として、急進派、社会主義派であった左翼を想起して左翼を名乗ったことから、社会主義や共産主義が「左」、それに対する陣営が「右」と位置付けられた)。しかし、冷戦が崩壊し、経済状況が悪化すると、右派は移民を自分たちのパイを奪う存在とみなして排外主義的(自国民中心)になり、そのことが日本では、右派が「戦争したい人たち」「戦前の日本を愛する人」のように比喩されるゆえんとなった。また、戦後の社会党に対峙する存在であった自民党が「右」でそれに反対する人々が「左」という構造になったと考えられる。一方で現代では、グローバル化が進んでいることから、ナショナリズムを掲げて自国の文化や生活を大切にする考えを「右」とし、それに対するグローバリズムを「左」とする軸も存在している。このように考えると、例えば親米路線から、アメリカの主導するグローバリズムを支持する自民党員も多く存在しており、これまでの対立軸では「右」であった自民党を「左」と位置付けることも可能になる。  このように、いまや対立軸が不明確になったことから、「右」や「左」の区別は曖昧で、また、人によって定義が異なる場合もあり得る。そのような中で、政治的な立場としてまず、「右」と「左」というお互いに相容れない立場を設け、「右」が賛成することに「左」はすべて反対、「左」が賛成することに「右」はすべて反対という枠組みを設けていては、複雑に絡み合う様々な課題に対してまともな議論ができない。また、自身のことを「右」「左」と強く思っている人ほど、自分の考えに近い意見だけに耳を傾ける嫌いがある。したがって、事前にレッテルを貼って、自分たちと合わない意見の者を排除するのではなく、右往左往して多様な意見に触れ、悩みながら当事者意識をもって政治について考えていくことが必要なのである。  自身の経験を踏まえて書かれた書籍で、理解しやすくスラスラ読める本となっている。第4章で、グローバル化の本質は「ルールの共有化」であり、自分たちのやり方が通用しなくなりうるため、単に国境をなくし、皆が地球市民となってルールを共有すれば戦争はなくなるという考えは浅いと記されているが、この点は人間関係にも応用できると感じた。 つまり、親密になろうとしてなんでもかんでも壁を排除すれば良いというわけではなく、互いの価値観を尊重し合って、無理に歩み寄ったりせず、ひいては相手の言動から価値観を察することが良好な人間関係の形成につながるのではないかと思わされ、勉強になった。

Posted byブクログ

2017/04/29

この本は別にナショナリズムをとことん考えたもの、 ではないだろう。考えてみたらどうでしょう、と 呼びかけているので、そんな大層なものを期待しては いかんです。 が、政治にはまったく興味を持たない私でも、色々と 考えさせることが書かれてました。 (例えばグローバリズムの難しさを...

この本は別にナショナリズムをとことん考えたもの、 ではないだろう。考えてみたらどうでしょう、と 呼びかけているので、そんな大層なものを期待しては いかんです。 が、政治にはまったく興味を持たない私でも、色々と 考えさせることが書かれてました。 (例えばグローバリズムの難しさを語るとき 自分の家族の話をするのだが、それが非常に興味深い。 日本人、スイス人というアイディンティを保つ必要が あったのか?等) 全体として読みやすく、あっという間に読めます。 普段みかけるタレントがどう考えてるのかが分かる、 という点でも、なかなか面白かったです。 しかし20代半ばでここまで自分は考えて、そして 行動もしていなかったなぁ。。。

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2015/08/10

帯に書いてある「右でも左でもなく、前」が、ぐさっと来る。いや、ほんまに、なんでこんな簡単なことができなくなるほどにいまの人間とかその集団はおかしくなってしまってるんだろうと思う。自分がそのスタンスを貫くことができているかと言うとちょっと傲慢な気がしますが。瑣末なことはええから、同...

帯に書いてある「右でも左でもなく、前」が、ぐさっと来る。いや、ほんまに、なんでこんな簡単なことができなくなるほどにいまの人間とかその集団はおかしくなってしまってるんだろうと思う。自分がそのスタンスを貫くことができているかと言うとちょっと傲慢な気がしますが。瑣末なことはええから、同じ目標に向かって手を取り合っていこうよと、あらためて思わされる。

Posted byブクログ

2015/05/05

普段私はこの手のタレント本は読みません。といっても,本書はいわゆるタレント本とは違って,PHP新書から出ているし,著者の写真が全くないし(帯にはあります),話題が政治ネタだしって意味ではかなり異色なわけですが,読み終わってみるとタレント本には違いありません。 今,とある非常勤先の...

普段私はこの手のタレント本は読みません。といっても,本書はいわゆるタレント本とは違って,PHP新書から出ているし,著者の写真が全くないし(帯にはあります),話題が政治ネタだしって意味ではかなり異色なわけですが,読み終わってみるとタレント本には違いありません。 今,とある非常勤先の大学でアンダーソン『想像の共同体』を教科書で使っていることもあり,学生にはレポート課題としてナショナリズム関係の本を読んでもらおうと思っているのですが,やはりその大学の学生にはいきなり研究者が書いた本は,新書レベルでも難しかろうということで,探してみて見つかったのが本書。 そもそもわが家にはテレビがないので,この著者については顔と名前くらいは知っていたが,冒頭にある「ヒトラー発言」も知らなかった。 でも,こういう機会にこういう本を読んでみるのも面白い。 序章 「ヒトラー発言」のあとで考えたこと 第1章 「ネトウヨ」の人たちはどうして怒っている? 第2章 そもそも「ネトウヨ」は「右翼」なのか 第3章 日本は「右」も「左」も大混乱中 第4章 キーワードは「グローバル化」という言葉 第5章 ナショナリズム,移民,そして「イスラム国」 第6章 メディアも「右」「左」にこだわる時代じゃない 終章 だから私は「右往左往」することを恐れません 政治を売りにする若い女性タレントがいてもいいと思う。本書はですます調で書かれ,明白な資料に基づいて論を進めるわけではない。幾人かの人物にお話を聞いた上で自分の意見をまとめている。登場するのは,まず2ちゃんねるなどの発言をきっかけに評論家になったという三橋貴明という人物。続いて,哲学者と肩書きが書かれている津田塾大学の萱野稔人。次に右翼団体「一水会」代表の鈴木邦男。最後がジャーナリストの田原総一郎。という面々。 本書の一定の分量が彼ら(女性は一人もいない)の発言の引用で埋められている。この辺があまりいい印象ではない。難しいことは詳しい人に聞けば分かる的な発想が否めないし,彼らにしても,好奇心旺盛なキレイな若い女性が話を聞きにきて,「ああそうですか,お教えしましょう」的な感じが目に浮かぶ。 確かに本書には面白いことも書かれているし,スイス人の母と日本人の父を持つハーフとしての貴重な体験についても書かれている。しかし一方では,萱野氏の発言を流用した「パイ」という経済主義的な議論はひどいと思う。本書で著者は若い人たちが政治に興味を持ち,気軽に政治に関する議論をすることを望み,それに本書が一役買うことを期待しているようだが,なかなか難しいように思う。

Posted byブクログ

2015/04/22

まるで大学生の社会学的な政治学のレポートみたい。有名人だから、有名評論家との対談を載せているが、それを論文の引用と考えれば、「日本人の政治体質の特徴」という長文のレポートになるだろう。 評価するならば、B+である。 彼女は思いがけず「炎上」を経験して「右」とか「左」とかの「レ...

まるで大学生の社会学的な政治学のレポートみたい。有名人だから、有名評論家との対談を載せているが、それを論文の引用と考えれば、「日本人の政治体質の特徴」という長文のレポートになるだろう。 評価するならば、B+である。 彼女は思いがけず「炎上」を経験して「右」とか「左」とかの「レッテル貼り」に疑問を持ち、この本を上梓する。本格的に評論家の意見を聴き、政治に対する一冊の本を書いたのは、タレントとしては真面目な態度だと思う。 しかし、致命的なのは、論文(評論家)の選択が適切ではない。所謂「左」(とレッテルを貼られている)人の引用がないのは、片手落ちである。また、論文の資料批判が出来ていない。朝日の吉田証言を批判するのはいいが、三橋貴明氏の「日本軍が朝鮮半島で慰安婦を強制連行した証拠はひとつもない」(44p)という発言を無批判に載せるのは、事実誤認。春香が同じ意見というならば、さらに質が悪い。そういう論文引用の事実誤認が他にもあった。 5章からは、レポートのまとめに入っているので、全面的に彼女の意見だろう。萱野稔人氏の意見を全面的に採用しているのは、もっと勉強して欲しいと思う。「高度成長期ならば、「左」陣営の「教育・福祉などへパイを寄越せ」要求は説得力があったが、成長が止まっている現在では現実的ではない」というのは、違う。「左」は高度成長期に「利益の分け前を寄越せ」と言っていたのではない。その時から、大企業優先、軍拡などの金の作り方・使い方の「構造的な変換」を求めていたのだ。共産党でさえ、空想的な社会主義国家を直ぐに実現させるのではなく、先ずは社会民主的な社会を要求していた。実際その多くは西欧社会で「実現」している。その要求の構造は今も同じで、大企業の儲けのおこぼれで景気が良くなると主張しているのが自民党で、消費者の購買力を高める方が優先されるべきで、その方向で景気をよくしようとしているのが共産党である。どちらが正しいかで意見が分かれるのは当然だが、事実誤認はよくない。 他にも細かい所で異論はあるが、それでもB評価なのは理由がある。大きな結論部分は、ありきたりだが重要な指摘をしているからである。 ネットの議論は「タコツボ」化しているので、直に現場を見に行ったり、直に対話をしようと提案している。 また、「右」も「左」も少数派である。多数派はどっちつかずで迷っている。悪いのは、その多数派がレッテルを貼りを恐れて、声が出せなくなっている。それを打ち破るためにも、対話が必要だというのは、重要。 つまりはもっと気楽に政治の話が出来るようになろう。と、言っているのだ。なぜならば、政治はあっちの世界ではなく、みんなの生活に直結する「こっちの世界」の話なのだから。 B−にするべきか、迷いましたが、結論部分に「大きく」共感して+としました。 2015年4月12日読了

Posted byブクログ

2015/04/21

あのヒットラー発言でバッシングを受けて以降、彼女なりに自分の考えをまとめてるのに感心した。右、左の決めつけは良くない。

Posted byブクログ