心理療法における言葉と転機 の商品レビュー
山中康裕先生が序文でベタ褒めされているが,本当に面白く読ませていただいた。 性格も立場も全く異なるベテランの臨床家5人を比較検討し考察するという,なんとも勇気のある試み…そして,それにかなう鋭い考察に感動した。 これは欲しい… ーーー P187- セラピストとは不思議な生...
山中康裕先生が序文でベタ褒めされているが,本当に面白く読ませていただいた。 性格も立場も全く異なるベテランの臨床家5人を比較検討し考察するという,なんとも勇気のある試み…そして,それにかなう鋭い考察に感動した。 これは欲しい… ーーー P187- セラピストとは不思議な生き物である。 「あなたは…と思っているのですね」とクライエントに告げるのは得意なのに,「じゃあ先生はどうなの?」と返されるとするりと身をかわしてしまう。 自分自身は慎重に防衛しながら,相手には「どうぞ,あなたの心を見せて下さい」といった態度をとることの滑稽さとおこがましさを感じる。 (中略) クライエントを主体にすることは,セラピスト自身を隠し立てすることとはき違えられやすい。 (中略) 「ニュートラル」であることは難しい…今の筆者にできることは,自らの中にある「我」や「欲」を看過せずにじっと見つめ…「あなたのために」を隠れ蓑にしないことが,せめてもの誠実さかと思い至った。
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p29 プロチャスカの六つの治療段階説 p32 適応を重視するセラピストと自己の個性を伸ばすことを重視するセラピストとで観点が異なる。 p59 自閉症の子ども=言葉不信、言葉をなくした人たちやも、言葉を拒否した人たち p162 そう辛いのね、でも私があなたを護ってあげることは無理、いつも一緒にいたり、あなたをいじめる級友に立ち向かうことや、あなたのよくない行動をそのつどとめられない、人間に生まれたら、基本は自分で自分を護っていくもの…あなたが自分の力で自分を護れる人になれるよう手助けしたい… p182 私には…ということのようにも思われる p225 言葉を自分(セラピスト)とクライエントの間に置いて、それを受け取るのも受け取らないのも、あなたの自由ですよ、という姿勢が大切なんです
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