法哲学講義 の商品レビュー
法理学に関するパート(ケルゼン、ハート、ドゥオーキン)は面白く読んだ。正義論とメタ倫理学は(私の関心から離れることもあり)正直、用語法追うのも覚束なかった。 全体的にフェアネスを貫徹した客観的教科書ではなく、森村先生の批評的視点が一貫しており、それが逆に読みやすく感じた。
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法実証主義とは法と道徳の繋がりを否定する思想であり、自然法主義と対置される。 前者は西洋近代的思想であり、後者は西洋古代的思想である。 古代ローマ以来、西洋においては法と道徳が区別されず、法の中にプラスの要素が読み込まれる傾向にあった。 西洋における法は私法が中心であったのに対し...
法実証主義とは法と道徳の繋がりを否定する思想であり、自然法主義と対置される。 前者は西洋近代的思想であり、後者は西洋古代的思想である。 古代ローマ以来、西洋においては法と道徳が区別されず、法の中にプラスの要素が読み込まれる傾向にあった。 西洋における法は私法が中心であったのに対し、東洋における法は刑法が中心であった。 ケルゼンは法規範の根拠としてあらゆる規範の上位に根本規範があるとするが、内容が不明確であり、現在はあまり支持されていない。ケルゼンの純粋法学は独創的ではあるが、社会的現実や道徳的価値との齟齬がある。 ハートは法と道徳を峻別しつつ、法の解釈論において道徳を加味する立場であり、ソフトな法実証主義ともいえる。 アリストテレスは正義と徳は別のものとした。正義の種類については論ずるが、その中身については沈黙している。 功利主義の難点は最大化しようとする幸福の内容が判然としないことである。主観的心理状態、欲求実現、客観的幸福状態と諸説ある。
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20210210位?-0301。今の仕事が知識を深堀することから対極にあるので、反動で体系だった専門書をイキって読みたくなって読んだ。学生時代には全然縁遠かった分野だけど、何とか読めた・・という感じ。法哲学は「法と法学の諸問題を根本的・原理的なレベルにさかのぼって考察する学問」で...
20210210位?-0301。今の仕事が知識を深堀することから対極にあるので、反動で体系だった専門書をイキって読みたくなって読んだ。学生時代には全然縁遠かった分野だけど、何とか読めた・・という感じ。法哲学は「法と法学の諸問題を根本的・原理的なレベルにさかのぼって考察する学問」である。ということだけどうーん、根本原理が今一つ分からない‥すみません・・なんかおっと思う個所もいくつかあった。
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ざっと読んだがよくまとまった本。正義論のところで功利主義にも言及(その他、ロールズ、リバタリアニズム、コミュニタリアニズム)。最後のメタ倫理学のところでエラー理論に共感して、さらに準実在論や道徳的フィクショナリズムにまで踏み込んで解説している。ただ、準実在論の説明がブラックバーン...
ざっと読んだがよくまとまった本。正義論のところで功利主義にも言及(その他、ロールズ、リバタリアニズム、コミュニタリアニズム)。最後のメタ倫理学のところでエラー理論に共感して、さらに準実在論や道徳的フィクショナリズムにまで踏み込んで解説している。ただ、準実在論の説明がブラックバーンが批判している感受性理論と少しごっちゃになっているように思う(特に色と道徳的性質のアナロジーのところ。これは感受性理論が持ち出すアナロジーであり、ブラックバーン自身はこのアナロジーを批判している)。それにしても法哲学は優れたテキストが相次いで出版されていて羨ましい。
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ケルゼン、ハート、ドゥオーキンの業績を中心にまとめられています。東洋の法文化についても触れられています。しかし正義論が流行った影響か、西洋的な観点が中心です。文章が読みやすくて、興味がある方ならスラスラと読めると思います。
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