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スタート! の商品レビュー

3.8

41件のお客様レビュー

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2023/08/05

中山七里は映画にも詳しいのか。彼のカバーエリアの広さというか知識の深さは驚くばかりだ。 テレビドラマの映画化ばかりで碌な邦画が出ない昨今、海外はサブスクで数億円の巨費を投じたものもあり、もはや邦画は劇場で観るものではなくサブスクでの放映を待つものになってしまった。黒澤などの過去の...

中山七里は映画にも詳しいのか。彼のカバーエリアの広さというか知識の深さは驚くばかりだ。 テレビドラマの映画化ばかりで碌な邦画が出ない昨今、海外はサブスクで数億円の巨費を投じたものもあり、もはや邦画は劇場で観るものではなくサブスクでの放映を待つものになってしまった。黒澤などの過去の巨匠をイメージさせる本作の監督をはじめ、今では絶滅した「頑固一徹な巨匠」へのノスタルジー溢れる作品となっている。 ミステリ要素としては普通。伏線の張り方も謎を解きやすくなっている。

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2023/01/14

中山七里の作品は、ちょこちょこ読んでいるので(全部は多作すぎて追い付かない)、色んな登場人物にウフフってなりますね 一応「ミステリー」のくくりになってますが……ミステリーはどちらかとお話の味付け程度で、それよりも「映画制作」という現場を書いたお話だなぁと思いました。 いくつか事...

中山七里の作品は、ちょこちょこ読んでいるので(全部は多作すぎて追い付かない)、色んな登場人物にウフフってなりますね 一応「ミステリー」のくくりになってますが……ミステリーはどちらかとお話の味付け程度で、それよりも「映画制作」という現場を書いたお話だなぁと思いました。 いくつか事件は起こるけど、その犯人よりは映画制作そして上映如何のゆくえの方が気になってページを繰る手が止まらず。そして、読みながら願ってしまうことは「事件の解決」ではなく「映画が完成すること、できれば大きく評価されること」になってしまう。なんなら、映画制作に差し障るなら事件解決しなくてもいいけど……くらいな気持ちになる。そして、おそらくそれは作者の思惑通りな気がする。 なので、いわゆる「ミステリー」を求めて読むと、ちょっと物足りないかも。(でも、それは本の売り出し方の問題な気がする) 私はこういう、自分が知り得ないお仕事の裏側を知るのが好きなので、とても楽しく読めた。 映画にかんするちょっとした蘊蓄とか、専門用語とかも出てきて、それがまた楽しい。 映画制作現場の熱気とか焦燥とか……そういったものにあてられて、私ももっと本気で何かに取り組みたい気持ちになった。

Posted byブクログ

2022/11/20

作者の映画へのこだわりが感じられる物語 ミステリーとしては、ありがちな展開ですが、映画作りの熱い想いを感じられる物語です。TVドラマ制作をちょっとこき下ろしていますが、それはご愛敬ということで(笑) 映画製作の現場をそのまま経験できるような展開です(笑) 伝説の映画監督の大森が...

作者の映画へのこだわりが感じられる物語 ミステリーとしては、ありがちな展開ですが、映画作りの熱い想いを感じられる物語です。TVドラマ制作をちょっとこき下ろしていますが、それはご愛敬ということで(笑) 映画製作の現場をそのまま経験できるような展開です(笑) 伝説の映画監督の大森が「災厄の季節」を映画化 しかし、幹事会社のプロデューサーがいろいろ口出し、配役変更と、さまざまな軋轢を生みます。 そんな中、撮影中に事故が..ありがちな事故、事件? その真相は? 犯人は? 映画は無事作成できるのか? といった展開です。 冒頭にコメントしたとおり、ミステリー色はイマイチですが、映画への熱い想いが心打たれます。 こういうベタな展開好きなんです!」 「災厄の季節」は「連続殺人鬼カエル男」です。 なので、カエル男読んでから、こちらの作品を読むのがお勧め。

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2022/10/16

映画業界の裏側を少し覗かせてもらえたという思い、何かに本気で取り組むことの大切さを改めて感じさせてくれました。 いくつもアクシデントが起こるなか、一本の映画を完成させることに全力で挑む人達の姿に心から「素晴らしい」と讃えたい。

Posted byブクログ

2022/08/25

映画作りのお仕事小説とミステリーが一緒になった作品。一粒で二度美味しい。 物作りに熱くなる群像劇で、非常に面白かった。 ミステリーとしてもなるほどー、と思えた。 やっぱり中山七里さんの作品は信用できる。

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2022/08/12

素直に面白かった。 映画作りってこんなに大変なのか。 これからはもう少し丁寧に映画を観ようと思うくらい映画愛と情熱に溢れたミステリーだった。 エンタメ作品としてもめちゃくちゃ楽しませてくれるため、否応なしに上がっていくテンションを抑えるのが大変。 文句なしのラストには拍手したくな...

素直に面白かった。 映画作りってこんなに大変なのか。 これからはもう少し丁寧に映画を観ようと思うくらい映画愛と情熱に溢れたミステリーだった。 エンタメ作品としてもめちゃくちゃ楽しませてくれるため、否応なしに上がっていくテンションを抑えるのが大変。 文句なしのラストには拍手したくなった。

Posted byブクログ

2022/04/20

タイミングよく?現実の世界で映画界で騒動が起きている。 だから確信を持って分かってしまった展開。 もっと前に読めばよかったな。 そしてやっぱり 作品に罪はない。 言いたくなる気持ちは分かる。

Posted byブクログ

2021/05/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

七里さんの作品ではお馴染み、宮藤刑事、その宮藤刑事のお兄さん!が主人公。もちろん宮藤刑事も登場しまくりますね。『スタート!』いやぁ起きる起きる。カチンコの音と共に事件が次から次へと。ずっと積読になってたけど『スタート』の掛け声と共に一気に読みました。軽く、でも七里さんワールド満載。映画のタイトルは『災厄の季節』そうです、あの作品ですね。(にまにま) これ読んだらカエル男がまた読みたくなるなぁ。憎いぞ、七里さん。

Posted byブクログ

2021/01/11

連続殺人鬼カエル男を読んだ直後に読む面白さったら。 でも先に関テレのドラマ版カエル男のホームページで配役見ちゃったのは失敗だったな。それぞれの俳優のイメージが全然浮かばなかった。。。 まあ浮かぶ必要はないんだけど。 大森監督は名前からして大林宣彦かななんて思ったけどキャラは大島...

連続殺人鬼カエル男を読んだ直後に読む面白さったら。 でも先に関テレのドラマ版カエル男のホームページで配役見ちゃったのは失敗だったな。それぞれの俳優のイメージが全然浮かばなかった。。。 まあ浮かぶ必要はないんだけど。 大森監督は名前からして大林宣彦かななんて思ったけどキャラは大島渚っぽいね。勿論テレビの中のキャラしか知らないけど。 青春小説の趣が強いけど、この人のはダークなものの方が好みかな。さて満を持してカエル男ふたたびを読むとするかな!

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2020/05/30

公的な立場にあるから私憤や個人的な反論は許されない。それを知悉したうえでの揚げ足取り。人間が心底残忍になれるのは凶器を手にした時ではない。大義名分を手にした時。大義名分と己の正義を手中にした者は、誇らしげに人を刺す。それが刃でも言葉でも構わない。相手が言葉を持たぬ者でもかよわき者...

公的な立場にあるから私憤や個人的な反論は許されない。それを知悉したうえでの揚げ足取り。人間が心底残忍になれるのは凶器を手にした時ではない。大義名分を手にした時。大義名分と己の正義を手中にした者は、誇らしげに人を刺す。それが刃でも言葉でも構わない。相手が言葉を持たぬ者でもかよわき者でも構わない。己を突き動かす熱情が冷めるまで延々と牙を剥き爪を立て続ける。描きたかったものは善人たちが隠し持つ悪意に他ならない。善良が邪悪に、被害者が加害者に一転するにはほんの些細なきっかけで足りる。

Posted byブクログ