日本発掘 の商品レビュー
文化庁主催の「発掘された日本列島」展20周年を記念し開催された連続講演会「日本発掘!——ここまでわかった日本の歴史」をもとに1冊にまとめられた本です。 各時代研究の第一人者が講演されました。 その内容は、 第1章 旧石器時代 小野 昭 第2章 縄文時代 小林 達雄 第3章 弥生時...
文化庁主催の「発掘された日本列島」展20周年を記念し開催された連続講演会「日本発掘!——ここまでわかった日本の歴史」をもとに1冊にまとめられた本です。 各時代研究の第一人者が講演されました。 その内容は、 第1章 旧石器時代 小野 昭 第2章 縄文時代 小林 達雄 第3章 弥生時代 石川 日出志 第4章 古墳時代 大塚 初重 第5章 古代 松村恵司 第6章 中世 小野正敏 第7章 楽しい考古学とその軌跡 水野 正好 あとがき 水ノ江 和同 となっいます。 各時代の専門家が自分の守備範囲の学問的成果を述べられ、また、自分自身が考古学を志した経緯も述べられている。 そして、旧跡時代から中世まで日本列島の歴史の連続性がとっても良く理解できる内容でした。 考古学を通じ、日本人とは何ぞやということに興味をますます持てるとってもすばらしい内容でした。
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「発掘された日本列島展」20周年を記念して開催された講演会をまとめたもの。弥生時代の内容が豊富だった。 旧石器時代(小野昭) 日本人のルートについては、4万〜3万5000年前にシベリアのアムール川の下流域からサハリンを通って北海道に来たデータはなく、ありえない。姶良Tn火山灰が...
「発掘された日本列島展」20周年を記念して開催された講演会をまとめたもの。弥生時代の内容が豊富だった。 旧石器時代(小野昭) 日本人のルートについては、4万〜3万5000年前にシベリアのアムール川の下流域からサハリンを通って北海道に来たデータはなく、ありえない。姶良Tn火山灰が降ったのは、水月湖の年稿から約3万年前までさかのぼることがわかった。 弥生時代(石川日出志) 弥生時代の開始年代の議論は、まだ平行線のままで落ち着いていない。縄文土器にプラント・オパールが認められることについては、分析法の問題があり、全面否定された。籾の痕とされたものは、マメのへそであることが判明し、確実な縄文時代の籾痕はゼロになった。 弥生時代中期初頭から青銅器が出現し、初めは武器として、後には宗教儀礼の道具として使われた。青銅器はあちこちで作られていたが、中期後半のBC1世紀になると、福岡平野の須玖遺跡群と比恵・那珂遺跡群、大阪平野の茨木市東奈良遺跡や東大阪市鬼虎川遺跡、奈良盆地の唐古・鍵遺跡などの特定の集落で集中的に作られるようになる。同じころ、北九州では奴国と伊都国地域が社会的に突出し始めた。 九州から近畿まで、各地で銅剣、銅矛、銅戈、銅鐸などいろいろな青銅器が埋納されていることが明らかになり、九州の銅矛銅剣文化圏と近畿の銅鐸文化圏が対立していたという学説は否定されるようになった。 魏志倭人伝には「大率」という職名は魏の「勅史」に相当すると書かれており、地方に置かれる職であることから、邪馬台国は九州以外と断じえる(「魏志倭人伝の謎を解く」渡邉義浩)。須玖遺跡群と比恵・那珂遺跡群は、吉野ケ里遺跡よりはるかに規模が大きい。 纏向遺跡が出現するころに、唐古・鍵遺跡が急激に縮小する。
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ぱらぱらっと読んだら、かなり面白そうな内容。思想から考古学まで分かり易い語り口調なのでついつい本屋で数十ページ読んでしまった。
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高校時代からはるかに数十年、考古学も大きく変わっていて面白かった。自分の知らない分野の最新の話を年にひとつくらい読んでみるようにした方がいいのかも。
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