むこうがわの友だち の商品レビュー
『時間割のむこうがわ』シリーズなのね。 ちょっと頼りない森川先生が担任の6年1組。六人の生徒たちの、ちょっと不思議な連作短編。 「紫音ちゃんとわたし」 やさしかったお友達の、こわいささやき。 「かめきちじいさん」 捨ててしまったカメによく似たおじいさんに会った。 「お母さん...
『時間割のむこうがわ』シリーズなのね。 ちょっと頼りない森川先生が担任の6年1組。六人の生徒たちの、ちょっと不思議な連作短編。 「紫音ちゃんとわたし」 やさしかったお友達の、こわいささやき。 「かめきちじいさん」 捨ててしまったカメによく似たおじいさんに会った。 「お母さんは人魚姫」 あたしのお母さんは人魚です。今は海に家出中。 「ぼくはきえたくない」 テニスをやめなかったら、ぼくはあの子になっていた? 「ミズキとアオイの話」 一人多いのは、うちのクラスのいたずらな学級わらし。 「白いありがとう」 学級わらしなんているはずない。いるはずないんだ。
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異次元から来た友だち(?)が起こす出来事によって成長する子どもたちを描く。6話の短編からなるオムニバス形式の物語。 教師2年目の頼りない森川先生の担任は6年生。 おとなしい須藤さんには唯一、紫音ちゃんという幼稚園からの友だちがいた。でも彼女との仲は学校では内緒。 いつも仲良く一緒に行動していたが、高学年になる頃から紫音ちゃんは怒りっぽくなる。そして、彼女に対するいじめが始まると、し返すようにけしかけるのだ。 負担に感じた彼女は、紫音ちゃんとの別れを決意する……。 一生懸命に読んでいたらそれは作り話だった……というのは、読者にとって拍子抜けすることで、それが深刻な話であればなおさらその感は強くなる。 フィクションだから許されるのかも知れないが、嘘話は、その話にそれ以上入り込むことを躊躇わせてしまうのだ。 最初の話がそうだったので、それ以降のものもそのつもりで読み進めるが、話をうまくまとめるための無理が随所にみられて興醒めになる。 最後の学級わらしも、その一つで、それだけでクラスがまとまってみんながハッピーになるのはあまりに単純すぎないか。 読み物としても、力の弱い作品。
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