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思想する住宅 の商品レビュー

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2017/11/07

せっかく途中まで面白いのにもったいない、というのが第一印象です。どのように自分の家を建てるかという問題を林望先生独自の視点で論じたエッセイ。前半はイギリスの住宅について述べていて面白かったですが、後半取って付けたような脱原発論に転じ、全てが台無しになってしまっています。

Posted byブクログ

2015/04/05

リンボウ先生の住まいに対する哲学を示した本です。 リンボウ先生は英国住まいが長いため、向こうの住宅に対する考え方と日本の住宅に対する考え方の違いを披露しています。南向き日当たり良好でどの家も同じ向きが殆どの日本の住宅、そして改築や建て替える事が比較的頻繁に行われるのですが、英国で...

リンボウ先生の住まいに対する哲学を示した本です。 リンボウ先生は英国住まいが長いため、向こうの住宅に対する考え方と日本の住宅に対する考え方の違いを披露しています。南向き日当たり良好でどの家も同じ向きが殆どの日本の住宅、そして改築や建て替える事が比較的頻繁に行われるのですが、英国ではそれとは反対の状況です。文化や地理、気候の違いが背景にあるのは勿論なので、そのまま英国事情を当てはめる訳にはいかないのは重々承知の上の発言ですから、リンボウ先生のおっしゃる事は納得出来ます。すなわち、「家づくりはコンセプトで決まる」一生のうちその都度自分の事情に合わせ住み替えていく、そのため家は天下の回り物で古い建物ほど価値を増す。(これは英国の住宅事情ですが) 実際、ローンを組んで長い間払い続けても、途中家族構成が変化するのは当たり前、広い一軒家がそこかしこで空き家になっていたり、大規模団地が幽霊団地になっている現代日本の住宅問題が、コンセプトのない家づくりで浮き彫りになっているようです。住宅メーカーの言い成り、おまかせで建てるな、と言うことです。この本にはユニークな提言が色々あるのですが、その中でもいいなと思ったのは、英国の庭は家に向きがバラバラであっても、通りに面したところは寄り合いの庭になっていて共有のスペースのようであることで景観が保たれていること。家の中心は食であり、特に日本食は多種多様な道具、食器類が必要なので、欧米式の台所や住宅展示場にあるような整然とした厨房形式は「虚構」に過ぎないとあるのは先生の主夫感覚⁉︎の素晴らしいところ。その他にも家事でキライなのは洗濯物の干しと取り込みで無駄であるため実践したことなど、身近で興味深い内容が沢山ありました。これを読むと住宅展示場やそれぞれの街並みを見る目が変わるかもしれません。

Posted byブクログ