佐高信の昭和史 の商品レビュー
(2016/3/7) 昭和の歴史をつづった本、ではなく、佐高氏から見た昭和を綴った本だった。 通して言えるのは、女将の言うことを簡単に信じてはいけない、騙されてはいけない、ということ。 その反面、多くの人は群れたがる結果、自分に嘘をつき、つまり自分を騙し、その集団のために尽く...
(2016/3/7) 昭和の歴史をつづった本、ではなく、佐高氏から見た昭和を綴った本だった。 通して言えるのは、女将の言うことを簡単に信じてはいけない、騙されてはいけない、ということ。 その反面、多くの人は群れたがる結果、自分に嘘をつき、つまり自分を騙し、その集団のために尽くすということ。 社畜、組合、社会党、創価学会、、、。 藤原公達が1969年に出した本で、創価学会の狙いは自民との連立で、それが実現したら、 ファシズムが台頭する、と予言したことが今まさに現実化しようとしている。慧眼というよりない。 かたやタカ派安倍氏とかたや自分の欲望を実現することを是とした宗教が一つになって力を持てば、 そういう世の中になると予言したのだ。 そこに加えて現在の国民の思考停止。 いよいよ不安になる。 ・・本から脱線し、過去に読んだ本の知識をあわせ考えるに、 日本人というのは、いや、もしかしたら人間は、なのかもしれないが、 一度決めたことを変えてはならない、と思う性向があるのではなかろうか。 それも誰が決めるわけではない、何となく決まる。 でも決まったら、それが理不尽、おかしいと思ってもなかなか変えられない。 出来上がった空気、社会の中で自分の居場所を探す。居場所が見つかったらそれを守る。 結果空気、社会は強靭なものになる。 結果、行くところまで行ってしまい、破滅まで行ってしまう。 そこでまた生まれる新しい秩序にすがる。 だから、そうした、出来上がった社会、空気に無理が出てきたとき、 それを「おかしい」という人を疎んじる。 著者もある意味うとまれ続けてきた人だろう。 この本で紹介された淡谷のり子の反骨の精神も初めて読んだ。 流行歌手になったが、軍歌は絶対歌わず、モンペも履かずドレスを着続け、化粧も落とさなかった。 それを指摘する人に対し闘い続けた。「自分を殺して戦争に勝てるなら殺せ!」と。 あるいは「このぶすが化粧しなかったら人前で歌えない!」と。「ドレスは私の戦闘服だ」と。 そんな女性と走らなかった。今思えば横綱北の湖に似た面構え。本物だった。 城山三郎は志願し兵士となったが芋の弦しか食えず苦しい思いをする中、上官が飽食をするのを見て おかみが信じられなくなり、その思いを小説にぶつけた。叙勲も拒否した。 自民党伊東正義も叙勲拒否。そういう人が自民党にもいたのだ。骨があった。 土井たか子さんの話の中で出てきた。江田三郎。社会党にも人物がいた。 社会党⇒組合⇒日教組⇒賃上げ交渉のみ、、、。 ここでも組織が目的を矮小化してしまっている。 一人では弱い。仲間と励まし合って強く生きることが必要。 しかし励まし合いは群れることにつながりやすい。 群れるとろくなことはない。 強い組織を作るというのは難しいことだ。 バカなリーダーがトップに立ったら最悪。 リーダーがいないほうが、個々が強いことが一番なのかもしれない。 オールブラックスのラグビーのようにどこからでも誰からでも攻撃できるのが最強の組織なのかも知れない。 ヘンな結論になったが、温故知新。 過去を見つめることでわかる今がある。 政治家が空気に流されている現状は危うい。空気を作っているところもあるから嫌らしいが。
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