チャイナハラスメント の商品レビュー
重慶長安スズキの総経理も務めた著者が、自身の経験から中国でのビジネスの闇や慣習、中国政府の日系企業の利用の仕方などが綴られている。 中国政府のリップサービスで中国に進出した日本企業の多くが、利益を上げられていない実態、知的財産権無視、日本企業の技術を買い取った豪語するような仕組ま...
重慶長安スズキの総経理も務めた著者が、自身の経験から中国でのビジネスの闇や慣習、中国政府の日系企業の利用の仕方などが綴られている。 中国政府のリップサービスで中国に進出した日本企業の多くが、利益を上げられていない実態、知的財産権無視、日本企業の技術を買い取った豪語するような仕組まれた契約書、中国から撤退したいが撤退さえできない中国側の罠、定期的起こる反日運動と不買運動、等々。 ここには、中国に進出した日系企業の本当の姿、そのための対応策が記されている。
Posted by
『チャイナハラスメント』という造語は、優れている。 日本企業が 中国で 立ち往生している 大きな現象を ひとくくりでいえば 『チャイナハラスメント』なんですね。 中国に進出する理由が たんなる労務費が安いとか 大きな市場だから、利益を上げるチャンスがあるという 安易な 進出で...
『チャイナハラスメント』という造語は、優れている。 日本企業が 中国で 立ち往生している 大きな現象を ひとくくりでいえば 『チャイナハラスメント』なんですね。 中国に進出する理由が たんなる労務費が安いとか 大きな市場だから、利益を上げるチャンスがあるという 安易な 進出では、失敗するのも 当然かもしれない。 進出する際の理念や哲学をきちんと堅持しない限り、 ムリなんだよね。 国の産業(民族資本)を保護し、育成し、自立するのが 共産党及び政府のもくろみであるからだ。 進出する企業には 最初は甘い言葉で誘って、 その後 技術が 蓄積されれば、自主開発技術と言って、 中国で 研究センターを作らせ、そこで開発したもので 作ることによって、知的所有権の費用を払わなくする という手法を使う。ほんとに 飛んで火にいる夏の虫 のような 状況と言える。 中国の内と外の区別があり、外には 嘘も平気で述べる。 面子がつぶされたら 必ず仕返しをする。 こね社会から カネ社会となり、賄賂は 円滑油なのである。 そんな中で 日本のビジネスマンは いくつかの失敗をする。 中国への歴史的事実からの後ろめたさ。 すみませんと言ったら、負けである。 どうどうと自己主張をすることの大切さ。交渉力を持つこと。 やたらに権威をありがたがる 日本人。 中国のリスクとは、 カントリーリスクが高い。 反日無罪という 合理化。 不利な条件があったら きちんと対応する。 人民日報の 日本企業たたき。 現物出資なるものの インチキさ加減。 →結局技術がとられてしまうことを覚悟。 ルールは 恣意的に かえられる。 付加価値を見つけ出す 三つのルート 1 研究開発での発見蓄積(新技術) 2 生産工程での発見蓄積(カイゼン) 3 製品の流通過程での情報蓄積(お客さんの要望、苦情) マネジメント 1 他人を通して自分のしたいことを行なう 2 協働をうながす マネジメントのポイント 1 分業(担当)とヒトの配置の工夫、適材適所 2 従業員間の意思の疎通が行なわれるための調整 3 インセンティブの工夫→ギブアンドテイク。 望ましい総経理像 1 中国の文化や習慣を理解しようとするヒト。 2 総経理の業務全般に精通していて、バランス感覚があるヒト。 3 権力を振りかざして威張らないヒト。他人を見下さないヒト。 4 人前で部下をしからず、別の場所で根気よく説得できるヒト。 5 決めたことを信念を持ってやり抜けるヒト。 6 規則違反には厳しい態度で臨み、公平な判断ができるヒト。 7 ストライキを打たれても動じないヒト。 8 誘惑(賄賂、オンナ)に動じないヒト。 交渉20ヶ条。 1 お人好しの日本人を捨てること。 2 原理原則をまげないこと。 3 交渉の決裂を恐れないこと。 4 譲歩は小出しに、時間をかけて粘り強く 5 ダメ元でよいから、こちらの条件を堂々と要求すること。 6 必ず天秤にかけてくるので、焦ったり失望しないこと。 7 政府の意向や行政指導を鵜呑みにしないこと 8 相手の発言内容をすべて信用しないこと 9 市場の大きさをちらつかされても焦らない。 10 権限をくすぐられてその気にならないこと。 11 相手の本心を読み取ること 12 小さな、くだらない問題から交渉してくると覚えておくこと 13 合意したことは文章にしておく 14 サインするときには 文章を確認すること 15 帰国前にサインすることはさけること 16 通訳は日本人を使う 17 『理解した』『わかった』は、『同意』したことではない。 18 今回だけは通用しない、最初から正当な利益を要求せよ。 19 日中友好とビジネスは無関係 20 歴史問題とビジネスは無関係。 『今後もチャイナリスクは低くならない』 あぁ。いい勉強した。
Posted by
題名はいかにもだが、著者の長年の中国ビジネスの経験を踏まえた提言が数多く書かれている。 何事も目的を明確に持ち、原理原則から外れず、相手の行動様式をよく知らなければならないということで、言ってみれば、別に中国相手のことに限った話ではない。 とはいえ、面倒くさい相手ではある。
Posted by
作者の経験談から中国人を相手にどうビジネスをするのか、私には関係ないなーと読み飛ばしながら、でも確実に中国人と日本人は違うんだということを再確認。
Posted by
タイトルの煽りと、作者がときに成功談をひけらかしてしまうようなところが鼻につく点はあるが、結構当たっている部分もあると思う。あとは、作者もそうなったということであるが、駐在員の中国人化と言うのは確かにある。本社にはったりをきかせて話をしたり、期限ぎりぎりでサインを迫る駐在員と言う...
タイトルの煽りと、作者がときに成功談をひけらかしてしまうようなところが鼻につく点はあるが、結構当たっている部分もあると思う。あとは、作者もそうなったということであるが、駐在員の中国人化と言うのは確かにある。本社にはったりをきかせて話をしたり、期限ぎりぎりでサインを迫る駐在員と言うのもいたりするので。
Posted by
中国の発展に寄与した外国人に送られるという賞を受賞した著者。痛い目にもあったし、その受賞は中国からの「罪滅ぼし」かもしれないという。そういう著者なので、日本にも中国にも厳しい意見を言うぞ、と。 僕は現在中国ビジネスに関わっていないが、かつて多少の関わりがあったので、この本で...
中国の発展に寄与した外国人に送られるという賞を受賞した著者。痛い目にもあったし、その受賞は中国からの「罪滅ぼし」かもしれないという。そういう著者なので、日本にも中国にも厳しい意見を言うぞ、と。 僕は現在中国ビジネスに関わっていないが、かつて多少の関わりがあったので、この本で触れられているような中国人のメンタリティはそこそこ理解している。 部分だけ見ればそうとうヤバイ、というかイヤになってしまうような話ばかりだけど、それがそういう商習慣だ、と言われてしまえばそれまでで…。 内組織は守るが、外組織は騙しても構わない。むしろ騙して内組織に利益をもたらせば手柄になる。騙されたほうが悪い、という考えの人が多い、という。まあそうだなと思う。騙されたしね。 一方で、市井の中国人は決してそんなことはない、という体験もしてきた。コトはあくまでも、組織というものが出てきた時の拠り所の違いだろうか。 正直いって、気が沈む話ばかりでちっとも楽しい本ではない。唯一楽しかった、というか、おいおい、というのは、「中国ビジネスに向いているのは関西人」というくだりである。関西人はこれを読んでどう思うのか。
Posted by
現在の中国で一番大切なのは、金。中国には拝金主義が蔓延し、贈収賄罪のニュースが毎日報道されている。 中国との交渉は声がでかい関西人がやればいい。中国人と同じように交渉や自己主張が得意でなんぼやと値切ることを楽しんでいるから。オレオレ詐欺にもひっかからない。要するに他人をなかなか信...
現在の中国で一番大切なのは、金。中国には拝金主義が蔓延し、贈収賄罪のニュースが毎日報道されている。 中国との交渉は声がでかい関西人がやればいい。中国人と同じように交渉や自己主張が得意でなんぼやと値切ることを楽しんでいるから。オレオレ詐欺にもひっかからない。要するに他人をなかなか信用しない 中国ビジネスでものをいうのは経験と年齢。いあなお年長者を敬う観念が残っている。
Posted by
- 1