本当の戦争の話をしよう の商品レビュー
すごくおもしろかった。 自分の知らない仕事、世界の話。 平和がいかに困難な問題かよくわかった。 たくさんの人に読んでほしい。 この方も早稲田出身。早稲田出身の方って、サラリーマンじゃないとこで超すごい活躍してる人多いなあ、と思う今日この頃。
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紛争屋として戦争や内戦の現場に行き、対立する武装勢力と交渉して武装解除させる仕事をしてきた。原子力の被害者である高校生相手に、現場の実際、国連の措置や活動、戦うことや軍隊、9条について語り合う。 9条は世界にはあまり知られていないこと、でも日本は、紛争の交渉に際して利害のなさそ...
紛争屋として戦争や内戦の現場に行き、対立する武装勢力と交渉して武装解除させる仕事をしてきた。原子力の被害者である高校生相手に、現場の実際、国連の措置や活動、戦うことや軍隊、9条について語り合う。 9条は世界にはあまり知られていないこと、でも日本は、紛争の交渉に際して利害のなさそうな介入者としての立ち位置がとれることを知りました。不利ではなく意外な利点でした。
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①われわれは戦争をしたくはない ②しかし敵側が一方的に戦争を望んだ ③敵の指導者は悪魔のような人間だ ④われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う ⑤われわれも誤って犠牲をたすことがある。だが敵はわざと残虐行為におよんでいる ⑥敵は卑劣な兵器や戦略を用いている ⑦...
①われわれは戦争をしたくはない ②しかし敵側が一方的に戦争を望んだ ③敵の指導者は悪魔のような人間だ ④われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う ⑤われわれも誤って犠牲をたすことがある。だが敵はわざと残虐行為におよんでいる ⑥敵は卑劣な兵器や戦略を用いている ⑦われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大 ⑧芸術家や知識人も正義の戦いを支持している ⑨われわれの大義は神聖なものである ⑩この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である 『戦争プロパガンダ10の法則』
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
シエラレオネ、東ティモール、アフガニスタンと紛争地に出向いて渦中で働いた伊勢崎賢治と福島高校生徒のセッションのような授業の記録。 ーー僕の経験談のなかに、新たな発見をする場面がいくつも出てきた(結局、僕自身も、人殺しを厭わない正義の民意をつくる「仕掛け人」を演っていた……とか)。ーーあとがきより 氏の経験は高度な政治的な介入の力をふるうことであり、現地の武装勢力や人々や権力者にに直接働きかけることだった。結果として彼らを騙すことになったり狂暴化させてしまったり放り出す形になったり……とても肯定する気にはなれない。しかし、否定もできない。役割として目覚ましい活躍をされたとも思う。 読んでいる間中モヤモヤした。国連や西側の大国が人道的介入や支援をして、後々までとても良かったと言い切れるケースはどのくらいあるのかと。人道人道と言いつつ自国の利益が絡むものであるし、そうでないのも胡散臭いというか無責任にもなるだろう。 氏の言うことはなるほどと思うことが多いのだけれど、御本人が過去の立場から大きく離れて議論が深められていないように感じた。 一方、高校生のひとりひとりは明確にかかれてなく合いの手ほどの発言だけだが、とても冷静な感じがした。彼らの考えを改めて聞いてみたい。 個人的には連合国軍ベースの国連、アメリカに頼ること大の西側諸国イコール国際社会という枠組みがもうポンコツなんだと思っている。
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こんな話にちゃんとついてきている高校生、すごい。感心した。えらすぎる。 しかし、よく考えると、著者は、積極的平和のためなら、殺人も辞さない立場で物事を進めてきた人。かたや福島の高校生は、国家の政策の犠牲となって、大切なものを全て奪われた。よくも、まあ、そんな子ら相手にこんな話がで...
こんな話にちゃんとついてきている高校生、すごい。感心した。えらすぎる。 しかし、よく考えると、著者は、積極的平和のためなら、殺人も辞さない立場で物事を進めてきた人。かたや福島の高校生は、国家の政策の犠牲となって、大切なものを全て奪われた。よくも、まあ、そんな子ら相手にこんな話ができたもんだ。 人の命は、はかなく、世の中には、人殺しなんて、なんとも思わずためらわずできちゃう人ら、ごまんと居る。そんなの、日本の大多数の人にとっては、テレビの向こうの非日常にしか存在しない。私は、暴力装置が、目に見える形で存在するところには住みたくないから日本に住むことを選んだし。 こんなに平和な日本で育った人を自衛隊として、送っちゃっていいわけ?といつも思う。 直視しなくて良いなら、9条❤️で終わらせときたいが、それではすまないところへ日本は引き摺り出されつつある。 個人的には、アフガンが鎮静化して、戦犯だらけの傀儡政権作っちゃって、どうよ、その人選ってインドでの報道を見て思ってたわけだけど、なるほど、そういうことだったのね、って長年の謎が解けた。しかも、この人が、一端噛んでたのね。たんなる自慢話ではなく、自戒と反省を語っては、いるけど…。
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日本人の多くが知らないリアルが書かれていた。戦争をなくす、終息させることの難しさ、複雑さ、そして日本人として何をなすべきか、どうあるべきか、本著により本当に考えさせられた。自分たちの側面でしかこれまでは考えてこなかったが、さまざまな思惑や思想が複雑に絡み合っている中での問題である...
日本人の多くが知らないリアルが書かれていた。戦争をなくす、終息させることの難しさ、複雑さ、そして日本人として何をなすべきか、どうあるべきか、本著により本当に考えさせられた。自分たちの側面でしかこれまでは考えてこなかったが、さまざまな思惑や思想が複雑に絡み合っている中での問題であることをあらためて認識した。自分一人にできることは限られている。ちっぽけな存在だと強く思う。ただただ人間の底力を信じたいと願うばかりである。
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「紛争解決人」伊勢崎賢治氏が高校2年生18名に対して5日間にわたって行った講義の記録。 紛争によって双方が受ける多大な被害を考えれば得をする人なんて誰もいないと思うのだが、紛争終結の場を仕切り、武装解除、戦後復興に携わってきた伊勢崎氏の話に耳を傾けていると、世界平和など絵空事。事...
「紛争解決人」伊勢崎賢治氏が高校2年生18名に対して5日間にわたって行った講義の記録。 紛争によって双方が受ける多大な被害を考えれば得をする人なんて誰もいないと思うのだが、紛争終結の場を仕切り、武装解除、戦後復興に携わってきた伊勢崎氏の話に耳を傾けていると、世界平和など絵空事。事情はもっと複雑だし、それぞれの言い分があるのだと改めて思わされた。 なお、高校生は福島県立福島高等学校の生徒。 東日本大震災後の原発事故が収束させられようかという2012年1月のことで、原発事故と紛争という対比もそれなりに面白かったが、途中からはそれどころではなくなった。
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【由来】 ・ダイヤモンド 【期待したもの】 ・ ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。 【要約】 ・ 【ノート】 ・ 【目次】
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非常に面白い。けど、読後感が微妙。結局明快な解はなく、みんなで考えていくしかない。 紛争調停や武装解除の交渉役だった著者と福島の高校生との対談で、凄く読みやすいが読みでがある。 以前は、武力介入というと、片方の勢力を助けて軍事力を支援し、それによって内戦が長引くというイメージしか...
非常に面白い。けど、読後感が微妙。結局明快な解はなく、みんなで考えていくしかない。 紛争調停や武装解除の交渉役だった著者と福島の高校生との対談で、凄く読みやすいが読みでがある。 以前は、武力介入というと、片方の勢力を助けて軍事力を支援し、それによって内戦が長引くというイメージしかなかった。実際にはそんな単純ではなく、また介入する側も緊張感を持って対応されていることが分かった。 日本は、広島、長崎、福島を経験し、米国に虐げられたが仲が良く、軍隊を持っているが自らは撃たない。そんな特殊な国だからこそできることがあると思いました。
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著者は戦後処理の専門家ということで、先日読んだ瀬谷さんの先輩に当たるのかもしれない。 武器を捨てて平和を叫べば平和になるとかいう信仰ではなくて、もっと現実的なところから戦争と平和を考えさせられる。 なぜ人は武器を捨てられないのか、なぜ国家は軍隊を持ってしまうのか、というあたりが東...
著者は戦後処理の専門家ということで、先日読んだ瀬谷さんの先輩に当たるのかもしれない。 武器を捨てて平和を叫べば平和になるとかいう信仰ではなくて、もっと現実的なところから戦争と平和を考えさせられる。 なぜ人は武器を捨てられないのか、なぜ国家は軍隊を持ってしまうのか、というあたりが東ティモールやアフガニスタンなどの事例から語られる。 人々の思想が、思考が、現実に追いついていなくて、現場では無理矢理にギリギリで現実とすりあわせている。 日本で戦後の武装解除が速やかに進んだのはむしろ例外であって、これを常識だと思ってはいけないのだろう。 秀吉に代表される刀狩りの歴史があったからかもしれないし、日本人が部族の集合でなく象徴の元ひとつに統合されていたからかもしれない。 これを高校生に向かって話していたというのがなかなかすごい。
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