チェンジング・ブルー の商品レビュー
面白かった! いえ、気候変動のメカニズムとして書いてある内容はほとんど理解できていないけど、それにも拘わらず、面白かった!と思わせてくれる本です。 資料を駆使して、よくわからない読者にも、なんかわかった気にさせてくれる構成力、文章力が素晴らしい。 海底の資料を顕微鏡で覗く地味...
面白かった! いえ、気候変動のメカニズムとして書いてある内容はほとんど理解できていないけど、それにも拘わらず、面白かった!と思わせてくれる本です。 資料を駆使して、よくわからない読者にも、なんかわかった気にさせてくれる構成力、文章力が素晴らしい。 海底の資料を顕微鏡で覗く地味な作業を発端に、太古の時、宇宙へと思考が広がっていくのが、なんとも素晴らしい!
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気候変動に関する研究とそれが生み出されてきた歴史について描かれる骨太な科学読み物。 正直なところ、すべて理解できた訳ではないが、そてでもとても面白く書かれていて、多少飛ばし読みしてもついて行くことは出来た。 地球の過去の温度がどう推定されてきたのか、地球の温度はどうして変化す...
気候変動に関する研究とそれが生み出されてきた歴史について描かれる骨太な科学読み物。 正直なところ、すべて理解できた訳ではないが、そてでもとても面白く書かれていて、多少飛ばし読みしてもついて行くことは出来た。 地球の過去の温度がどう推定されてきたのか、地球の温度はどうして変化するのか、その変化はどの程度のスパンで起こるのかなど、素人にも分かりやすく説明される。 読み終えると、なんだか賢くなった気がする一冊だった。
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気候変動というと、センセーショナルな話題とか、社会的経済的側面からのやや感情的な話題とか、そういうのが多い気がするが、この本はそういったものとは一線を画す。 今だけに限らず長期的な視点でとらえているのと、科学的な見地から冷静に気候変動現象を解説しているところがよい。
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正直な所、環境問題に対して意識無かったのだが、若い世代のSDGs熱を感じつつ、満ち足りた世代の興味が行く先で、自分には関係無いとさえ思っていたが、最近読んだイーロンマスクの本で、彼が猛烈に環境問題への意識が高くて更にビジネスとして成立させている様をみて、環境に関する本をあたってみ...
正直な所、環境問題に対して意識無かったのだが、若い世代のSDGs熱を感じつつ、満ち足りた世代の興味が行く先で、自分には関係無いとさえ思っていたが、最近読んだイーロンマスクの本で、彼が猛烈に環境問題への意識が高くて更にビジネスとして成立させている様をみて、環境に関する本をあたってみるかと検索してこの本を手に取ってみた。 読み始めると海の底に降り積もったプランクトンの死骸(有孔虫の殻)の成分に含まれる酸素同位体の比率から大昔の気温を調べるアイデアまで一気に述べられる。水温と殻に含まれる酸素同位体には実験の結果相関がある事が突き止められて、大昔に水温の大きく変動した時代が存在する事が証明されたと… そこからは巨大氷床、地球の自転と降り注ぐ太陽エネルギーとバランス、温室効果ガスとあって、気候変動のスイッチとして海洋深層水と氷河(主にグリーンランドをはじめとした北半球)、南極大陸での分析。 第11章の気候変動のスイッチの章では、2021年にノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎氏が、「大気と海洋を全地球スケールで小さな均質な箱に切り分けて気候変動を予測する方法論(大循環モデル)を確立したパイオニアとして紹介されている。 第12章の気候変動のクロニクルでは、中世温暖期と小氷期という文字や絵で記録が残る時代に起きた気候変動も触れられていて、とにかく内容の幅が広い。 一回読んだくらいでは、とても理解しきれない内容なので、そう言う点で何回も読むとより楽しめる部類の本だと思う。 気候変動と聞いて海洋深層水の話なんか絡んでくると今の自分達の世界が如何に絶妙なバランスの上で成立しているのかと思いながら、イーロンマスクが火星に行くしかねーって言う発想になるのも、なんとなくほんの少し分かる様な気がする??火星で生き延びる術が確立されれば、地球のバランスが崩れて氷河期になったとしても生き残れる可能性あるかも知れんし… 少し時が経ってからまた読みたい本。
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気候変動のシステムの解明を目指す、一世紀にも渡る科学者達の成果をまとめた本。何故過去数万年の気温を推定することができるのか、目前に生じ得る地球温暖化のイベントとは何か、その答えが分かる、、、?
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長男が大学の授業で本書を紹介されたそうだ。「もってる?」と聞かれたが、もってなかった。10数年前なら、もうほとんど単行本は読んでいなかったし、地球科学への興味もまだそれほどだった。それでも、文庫になった段階で気付いておきたかった。それが2年前の出来事。今回、ツイッターの写真に本書...
長男が大学の授業で本書を紹介されたそうだ。「もってる?」と聞かれたが、もってなかった。10数年前なら、もうほとんど単行本は読んでいなかったし、地球科学への興味もまだそれほどだった。それでも、文庫になった段階で気付いておきたかった。それが2年前の出来事。今回、ツイッターの写真に本書が写り込んでいて、ふと読んでみようという気になった。で、書店で購入。これは、もっと早くに読んでおくべきだった。解説にもある通り、日本では珍しいタイプの本になるのかもしれない。専門的な内容プラスそういう考えが生まれてくる歴史的背景が語られている。わくわくしながら読み進めることができた。でも何しろ量が多いので、覚えていることはわずかだ。特に印象に残っているのは、二酸化炭素濃度を測定したグラフのこと。途中で切れている部分があるが、それは、資金切れによる欠測だとか。そんなことがあるんだ。何度も授業で話してきたのに。今後、これはネタに使えそうだ。それから、地軸の向きが少しずつ移動しているのは知っていたが、1万年以上前には北極星がベガだったこともあるということ。現在、ほぼ頭の真上を通って行くことを考えると恐るべきことだ。これは、すでに授業のネタに使わせていただいた。さて、先ほど日本には珍しいと書いたが、本書のあとから出てきたものかもしれないが、ブルーバックスの地球科学系のものを最近よく読むが、わりと研究の歴史を組み込んだものは多い。一般読者としては良い傾向だと思う。さらに、日本にもサイモン・シン(ネットで見たら自分と同い年だった。知らなかった。)並みのサイエンスライターが出てきてくれることを期待している。ところで、マイクル・クライトンの作品の中にあったことだが、地球温暖化という問題は、恐怖を通して社会統制を行なうために採られた策だということ。その前には冷戦があり、その後にはテロがある。なるほど、そういう面もあるのかなあと思って読んだ。「恐怖の存在」(ハヤカワ文庫) さて、息子は「チェンジング・ブルー」を読むだろうか。(タイトルがかっこういいなあ)
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今回この本を読んでみて、このまま温暖化していって、気象予報番組がだす100年後の予想気温が現実になるのか、それとも、一部でささやかれている寒冷化が実現するのか、もしくは、今までの気候の常識に当てはまらない未知の気候に移るのか、いろいろ考えてみました。一番シンプルというか、安易な推測は、南極やグリーンランドの氷床が融解するまで温暖化して、その後、融解水を取りこんだ北大西洋の深層流に変化が生じて、寒冷化がはじまる、といったものです。この場合、寒冷化するまでに海面上昇が避けられないので、危惧されているように、沿岸の大都市や海抜の低い国では大きな被害がでそうです。ただやっぱり気候は複雑なものですし、大体、ここまで人間活動という非自然的な作用で二酸化炭素濃度があがってしまっていますから、これまでの気候サイクルのルールにそった変化ってするのかなあと疑問符が浮かびます。それに、北大西洋に融水が流入していって海洋深層水が変化する都合で寒冷化するはずのところで温暖化した時代が実際にあったそうで、それは理由がわかっていない。こういうことからして、気候が暴走してしまう段階に到達するのを助長するような真似を人類はしないほうが賢明なのは明らかなんですよねえ。気候がおかしくなるかな? ならないかな? とロシアン・ルーレットで遊んでいると喩えている科学者がいるんですが、まったく、遊んでどうする、と思います。これも経済活動、という名の、人間の欲望に突き動かされているところが大きいのでしょう。もう、高校の教科書にしてほしいくらい良書。みんな読んでみて! っていいたいです。★評価は満点です。
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成毛眞が絶賛し、書評サイトHONZを立ち上げるきっかけにもなった一冊を読了。 科学で明らかになっていること・なっていないことを丹念に綴った紛れもない科学者の本なのだが、物語と読んでもおかしくないような語り口が、ページをめくる指を止めさせない。 温室効果ガスが取りざたされ、気候変動...
成毛眞が絶賛し、書評サイトHONZを立ち上げるきっかけにもなった一冊を読了。 科学で明らかになっていること・なっていないことを丹念に綴った紛れもない科学者の本なのだが、物語と読んでもおかしくないような語り口が、ページをめくる指を止めさせない。 温室効果ガスが取りざたされ、気候変動の懸念が叫ばれているが、実は気候変動の歴史はその程度の浅さでは到底ないのだ。浴びる太陽エネルギーは変わらないのに、氷期と間氷期が発生するという気候変動は、もう何万年も前から起きていた。そして、そのメカニズムを、海底の堆積物を掘り起こし、南極やグリーンランドの氷床をボーリングして探るというのだから、何とも壮大。 過去を探って、未来を予測する。ウィンストン・チャーチルの言葉「過去をより遠くまで振り返ることができれば、未来をより遠くまで見渡せるだろう」が第1章の表題の脇に引用されている意味が、本書を読み終えた今ならよくわかる。
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地球温暖化、異常気象という単語は誰もが耳にしたことがあると思います。これらの現象を研究対象とする科学がどのように進歩してきたかを辿る科学ノンフィクションです。 誇大に危機感を煽るような書き方を一切廃し、気候変動をどのような方法で観測し、研究を積み重ねて来たのかを分かり易い文章で解...
地球温暖化、異常気象という単語は誰もが耳にしたことがあると思います。これらの現象を研究対象とする科学がどのように進歩してきたかを辿る科学ノンフィクションです。 誇大に危機感を煽るような書き方を一切廃し、気候変動をどのような方法で観測し、研究を積み重ねて来たのかを分かり易い文章で解説しています。取り扱うテーマは非常に広範で、地球の軌道や太陽活動に関する天文学、南極やグリーンランドの氷から過去の気候を研究する気候学、化石などの試料の年代を放射性同位体の性質を利用して特定する分析法、過去の気候を定量的に評価する古気候学などの基本的な考え方や過去の研究者の試行錯誤の様子の人間ドラマも交えて描いています。 このような科学読み物は海外で出版されたものが翻訳されるケースが多い中、本書は日本人の著者による作品だけあって文章が非常に読みやすく、その表現方法も教科書的な無味乾燥な文章ではなくて、小説を読むかのような印象を受けます。今の地球が抱えるリスクや、自然科学の研究とはどのようなものか、著者の言葉は端的に表現しており、以下に抜粋します。 「人類が放出した温室効果ガスが温暖化の原因であることが証明できないとしても、このまま放出を継続することは我々の気候に対して危険なロシアンルーレットで遊んでいるようなものだ」、「今年も去年と同じだけの雨が降り、3年前と同じような気温で、10年前と同じような海面の高さである事、これらのことに私たちはもっと感謝しなければならない」、「研究成果だけをつなげたストーリーは研究の本当の姿を物語っていない。自然科学の最先端とは、無数の袋小路に潜む立った一筋の抜け道を探り出す孤独な旅である」」 文庫本で約400ページの大作ですが、情報量、トピックスの掘り下げ度合いともに新書とは比較にならないほど充実しています。気候変動についてマスメディアで紹介されるよりもより本質的な真実を知りたい社会人、理系の大学を進路に考えている高校生などに特にお勧めしたい1冊です。
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とても素晴らしいサイエンスノンフィクション、科学読み物。ただ、自分がそれを読みこなす素養に徹底的に欠けていることを思い知らされて赤面する。偏読や勉強不足のあらわれ…。地球温暖化がなぜクリティカルなのか、19世紀から20世紀にかけてそれを解き明かしてきた科学者達へのリスペクトに溢れ...
とても素晴らしいサイエンスノンフィクション、科学読み物。ただ、自分がそれを読みこなす素養に徹底的に欠けていることを思い知らされて赤面する。偏読や勉強不足のあらわれ…。地球温暖化がなぜクリティカルなのか、19世紀から20世紀にかけてそれを解き明かしてきた科学者達へのリスペクトに溢れ、我々に警鐘を鳴らす。良い本です。
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