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沢田マンションの冒険 の商品レビュー

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12件のお客様レビュー

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2024/08/20

軍艦島に興味を持ち関連書を漁っていたところ、Amazonのおすすめで出てきた本。 賃貸マンションをセルフビルドとはこれ如何に…? 自分の中の常識では理解が追い付かず早速書店で購入。 現在も高知市に建つ沢田マンションは、ご夫婦がたった二人で建てたRC造の建築物だという。 197...

軍艦島に興味を持ち関連書を漁っていたところ、Amazonのおすすめで出てきた本。 賃貸マンションをセルフビルドとはこれ如何に…? 自分の中の常識では理解が追い付かず早速書店で購入。 現在も高知市に建つ沢田マンションは、ご夫婦がたった二人で建てたRC造の建築物だという。 1971年に建てられたこの物件はその後増築を重ねながら今も現役で入居している人がいらっしゃり、時折公式サイトで募集も出るようだ。 https://sawadamansion.net/ 元々は製材業をされていたという施主の沢田氏、なんと建築は独学らしく、しかも恐ろしいことに建築申請が出ていないとのこと。 えぇー!それって大丈夫なの!?と読み進めたが、やはりアウトな部分もあるようで住むのは少し不安な気もした。 しかし著者がこのマンションの魅力を余すことなく解説してくれたおかげで読後に空室状況を調べてしまった。(家賃も安い!遠いから住めないけど。) 時に有名建築になぞらえながら語られる外観や共用部分のディティール。 気になる工法。 悪く言えば行き当たりばったり、良く言えば臨機応変に施工された箇所もあり、おおらかで豪快である。 掲載写真も多いのだがカラーでないのが惜しい。 各階平面図や、わかっている間取り図(一部屋として同じ間取りがないらしい)の他、沢田マンション以前にご夫婦が建てたというアパートも多数紹介されており(外観の節々に沢田さんらしさが伺える)建築読み物として 面白い本だった。 独特な見た目と正式な行政手続きを経ていないマンション、それだけ知ると怪しい建物だが、建築以来、取壊しともならず極端な空室増加もなく、コアなファンのおかげで、イベント開催やメディア露出が増え今ではかなり有名な物件になっている。 沢田家の方々の人柄やご夫妻の生き方に惹かれる人が多い証だろう。 嘉農さん亡き後は入居者の安全と満室経営に舵を切ったとあり安心した。 これからも長く愛される物件であってほしい。 あとがきに文を寄せる岡啓輔氏のセルフビルド建築、蟻鱒鳶ルが2025年ついに完成予定らしく、こちらも気になるところ。

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2021/05/16

「探偵ナイトスクープ」を見た時から、ずっと忘れられなかった。1994年放送って、そんな前だったのか。わりと最近、ネットで長い記事を読んだ気がする。1週間くらい住んでみたい。

Posted byブクログ

2021/03/09

この本、というより、こんなぶっ飛んだ建物が現代の日本に存在する事にまずびっくりしました。 建築士資格も何もない素人のセルフビルド建築 5階まで車で行けるように作られたスロープ(途中から付けられた為、スロープのために部屋が取り壊しになり、別の部屋に引越した住民もいたそう) 屋上に...

この本、というより、こんなぶっ飛んだ建物が現代の日本に存在する事にまずびっくりしました。 建築士資格も何もない素人のセルフビルド建築 5階まで車で行けるように作られたスロープ(途中から付けられた為、スロープのために部屋が取り壊しになり、別の部屋に引越した住民もいたそう) 屋上には池や畑 ベンチ付きのリフトはエレベーターとは違い、車ごと乗れそうなくらい大きくて、簡単に飛び降りられそうなラフな作り 古い建物だし、和式トイレの部屋も未だ多そうだし、使いにくそうな、でも、でも! なんだかとても魅力的なマンション。 ちょっと住んでみたいかも。 残念なのは文庫本の為、写真と間取り図が小さかった事。 大型本で読みたかったです。

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2021/01/05

「沢田マンション物語」が沢田夫妻の人物に焦点を当てているのに対して、 こちらは建築物をメインに、沢田マンション以外の建築物も取り上げて紹介している。とても読みやすく、どんな建物かよくわかる。

Posted byブクログ

2020/12/09

友人が沢田マンションに住んでいるご縁で本書を手に取りました。 セルフビルドなんですね。アジャイルな建て方が新鮮。 日本版ガウディの建物を見に行きたくなりました。

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2018/07/30

沢田マンションを知ったのはナイトスクープだった記憶。 住みたい、行きたい、描いてみたいで私の建物・建築好きの原点になる。

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2015/11/24

かねてより噂に聞いていた、高知の名所「沢マン」を詳細に紹介する本です。単なる奇想天外な建築物の話ではなく、もともとが修士論文とのことなので、建築学における共同住宅の学術的分析、コミュニティ論みたいな話も出て来ます。で、それはそれで面白く考えさせてくれる良書です。

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2015/10/15

 初めて「沢田マンション」のことを聞いたのは、確かに大学二年生のときだった。そのとき、クラスでみんなは、(中国人学生であるから)こんな勝手に建てたマンションもあるか?!ってびっくりした。  で、沢田夫婦はいったいどうこの大きなマンションを建てたか?高層じゃないけどホントに安全か?...

 初めて「沢田マンション」のことを聞いたのは、確かに大学二年生のときだった。そのとき、クラスでみんなは、(中国人学生であるから)こんな勝手に建てたマンションもあるか?!ってびっくりした。  で、沢田夫婦はいったいどうこの大きなマンションを建てたか?高層じゃないけどホントに安全か?って質問を持って、この本を読んだ。けど、著者は建築家だから、2/3の紙幅に専門家の視点でマンション建築そのものを分析する。13のキーワードに分け、詳しい図面集成もある。本当に建築構造学の論文のようなものだなーと思う。  わたしは図面なんて全然だめ、読んで分からない(男であるのに...)、かえってほかの1/3を読んで楽しんだ。その1/3の内容には、沢田夫婦の紹介や、マンションに住んでいる人々の日常などがある。この部分に感心した、住民たちの絆などに。本に、住民たちが助け合うこと、一緒に「沢田バス」(たしかにこの名前?)に乗って旅に出したことなどいろいろな話を書いた。実は、わたしはこのマンションの写真をたくさん見て、詳しい構造学的な情報に趣味があまりない。ある友達の言葉により言えば、「ここに住みたい原因といえば、建築そのものはそんなすばらしい...じゃない、みんなの絆が、そのところがそんなすばらしくなる」ということだ。  現在、沢田マンションにある一部の部屋はもう居酒屋やGuest houseになったらしい。行きたい。

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2022/06/01

「沢田マンション」は、セルフビルドで建てられた建築としては、日本で最もエネルギッシュである、といっていいだろう。エネルギッシュというか破天荒というか、はじめて見聞きする人は信じないかもしれない。 その「セルフ」っぷりに焦点をあてた本も出ているが、本書は場としての建築としての...

「沢田マンション」は、セルフビルドで建てられた建築としては、日本で最もエネルギッシュである、といっていいだろう。エネルギッシュというか破天荒というか、はじめて見聞きする人は信じないかもしれない。 その「セルフ」っぷりに焦点をあてた本も出ているが、本書は場としての建築としての解説に力を入れている。 たとえば、上層階でも地上にいるかのように暮らすために、たっぷりと緑が廊下にある。断熱上に屋上に運び込まれた土は畑になったし、プールにしようと思った池は釣り堀になったりしている。ブリコラージュ建築が、さらなる用途転用(?)もされている。 つくりながら入居者を募っていき、途中で方針を変えて壊す場所もあり、減築もあり、しかしさらなる増築をイメージしたかのような屋上の柱もある。全貌をただしく理解するのはむずかしいかもしれない。建築主の沢田さんは、自分にとって正しい、信じられることをひたすらに信じて(沢田マンション以前からも)とりくんできたようだ。いわゆるプロからみれば、いくらなんでもそりゃないだろう、ということも多くあったらしい。沢田マンションも、残念ながら違法建築ではある。かつて違法建築には上水を繋がない、という方針を子がとっていたこともあってか、井戸もあるし(これもセルフ)、発電機もあるし、独立自営の気概に溢れている。 建築を学んだわけではない夫婦が二人でこれだけのものを作ってしまう驚きもあるし、今は沢マンのコミュニティが、その空間を存分に活かしている。出ていってもまた戻ってくる人もいれば、沢マン内で引っ越しする人もいる。いいなあ。 ちょっと前に実物を見る機会があったので、リアリティを持って読めた。でも予習不足だったと痛感する。もう一回行きたい。

Posted byブクログ

2015/08/19

なんか読んだことある?と思ったら、「沢田マンション超一級資料」の文庫改訂版とのこと。判型が小さくなった分、資料性よりも読み物性が強くなったが、図版も上手くまとめて見やすく仕上がっていると思う。

Posted byブクログ