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嶋護の一枚 の商品レビュー

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2022/03/16

古くは名指揮者フリッツ・ライナー時代から録音では散々親しんできたシカゴ交響楽団(The Chicago Symphony Orchestra)の演奏、そしてそのシカゴ交響楽団の本拠地にして数多くの録音が残されているシカゴの名コンサートホールがシンフォニーセンター(Symphony...

古くは名指揮者フリッツ・ライナー時代から録音では散々親しんできたシカゴ交響楽団(The Chicago Symphony Orchestra)の演奏、そしてそのシカゴ交響楽団の本拠地にして数多くの録音が残されているシカゴの名コンサートホールがシンフォニーセンター(Symphony Center)内のオーケストラホール(Orchestra Hall)である。このホールには音響を巡る長い混乱の歴史がある。この歴史を踏まえて、独特なホールの構造を眺め、音楽体験をすることは希有なものであり、シカゴ交響楽団の録音ディスクを聴く際にも大きな参考となった。 ● シカゴ オーケストラホールの歴史 ● オーケストラホール、音響改善の為の大改装 ● オーケストラホールの様子 ● シカゴ オーケストラホールの録音ディスク ● シカゴ オーケストラホールでのコンサート体験 『コンサートホールとオペラハウス』(レオ・L.ベラネク 著) によると、天井が4.6m上方に持ち上げられ、内装用の天井(見かけ上の天井)には細かな穴の空いたものに変え、ホール容積を増やしたらしい。これによって満席時の残響時間は1.2秒から約1.6秒にあがって音響が改善したとのことである。 また、椅子のモケットの厚さを半分にするなど涙ぐましい努力をして低音吸収を減少させ、更に反射板で客席と演奏者に反射音を提供するなど工夫を凝らしている。また、パイプオルガンや前方座席の新設なども行なった。 『嶋護の一枚』(嶋 護 著)によると、この改装によって聴衆も呆れるようなデッドな音響に変わり果てたとある。先の『コンサートホールとオペラハウス』とは矛盾するが、他の響きのよいホールに比べれば残響1.6秒というのは少なすぎるし、この後シカゴ交響楽団は録音場所を求めて転々としたことから、少なくとも録音会場としては、1997年の改装は失敗だったようだ。 その為、この大改修直後からシカゴ交響楽団の録音場所は、シカゴ市内のメディナ・テンプルやイリノイ大学のクラナート・センターなどを使い、ディスクのライナーノートなどを見ると各レーベルとも録音場所を探って涙ぐましい努力を重ねていることがわかる。そして、問題のあったオーケストラホールも幾度か改修を更に重ねたようで、現在ではシカゴ交響楽団の録音はホームグラウンドのオーケストラホールに戻ってきている。 詳細はコチラから↓ https://jtaniguchi.com/chicago-symphony-center-orchestra-hall/

Posted byブクログ