部長と池袋 の商品レビュー
著者の本を読んだのは2冊目。 最初に読んでかなり衝撃を受けた「彼女は頭が悪いから」の印象がとても強く、以来、ずっと気にはなっていた作家の一人だったのだが、同時に、一冊めに読んだ内容がある意味かなりドギツく、軽く平常心を維持しながら読めるタイプの小説ではなかったのも事実。そんなこと...
著者の本を読んだのは2冊目。 最初に読んでかなり衝撃を受けた「彼女は頭が悪いから」の印象がとても強く、以来、ずっと気にはなっていた作家の一人だったのだが、同時に、一冊めに読んだ内容がある意味かなりドギツく、軽く平常心を維持しながら読めるタイプの小説ではなかったのも事実。そんなこともあって、2冊目を読むのにかなり時間が空いてしまった。 2冊目の本作は、最初に読んだ長編とは異なり、文庫オリジナルの短編集。どれもとても軽く、読み易い。ところが、驚いた。一篇一篇「これらは本当に同じ著者がほぼ同時期に著したモノなのか?」と訝しむほどに、各篇のテーマや作風、文体までもバラエティ豊か。というか「芸域が広い」というべきか。2作目を読んで初めて、あらためて作者の懐の深さ、引き出しの多様さに感心してしまった次第。 著者とは年齢もほぼ同じで、生きて来た時代や見聞きして体験した文化・風俗にも共通項が多いはず。であれば次は、彼女の小説よりもエッセイとかも読んでみたい。
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著者の本は『彼女は頭が悪いから』以来二作目。 初めて読んだ時もなんてうまい作家さんなのだろうと思っていたが、「書下ろしに近い」文庫オリジナルの短編集」である本書では、作品ごとに違うキャラクターに共感したり失った時間の取り返しのつかなさにハッとさせられたり‥。なにしろ、せつない。 ...
著者の本は『彼女は頭が悪いから』以来二作目。 初めて読んだ時もなんてうまい作家さんなのだろうと思っていたが、「書下ろしに近い」文庫オリジナルの短編集」である本書では、作品ごとに違うキャラクターに共感したり失った時間の取り返しのつかなさにハッとさせられたり‥。なにしろ、せつない。 若い時はいつでもまた、会いたい時にはすぐに会えると思ってた。まさに後悔先に立たず。わかっちゃいるんだけど。
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細かい話が収録されいて、間をつなぐものも挟まれているのだけれど、全体としては読みにくかった。短編集なんですよね?という感じ。
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短編集。2パートに分けられており、前半は街とそれにまつわる人の記憶。後半はパロディなど。パート毎で作品の雰囲気が違っていて、これはこれで面白かった。
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姫野カオルコさんが気になって読んでみた。 Part1は良かった。 バラエティありすぎて、ついていけない内容もあり。 気を取り直して、別の作品を読んでみようと思った。
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表紙見返しの著者紹介に「読者層は男女同数」とあったが、なるほど、男・女、夫・妻などそれぞれについて同じようなバランスで心情を表現しているように感じた。
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同居人が宴会のビンゴでもらったという商品券を「おみやげ」と言ってぴらっと一枚くれたので、これ本屋で使える~!と、翌日さっそく本屋をうろうろ。かなりうろうろした挙げ句、「蔵出し」「文庫オリジナル」の帯にそそられて、この姫野カオルコの文庫本を購入。 後ろの「あとがき」をチラと読ん...
同居人が宴会のビンゴでもらったという商品券を「おみやげ」と言ってぴらっと一枚くれたので、これ本屋で使える~!と、翌日さっそく本屋をうろうろ。かなりうろうろした挙げ句、「蔵出し」「文庫オリジナル」の帯にそそられて、この姫野カオルコの文庫本を購入。 後ろの「あとがき」をチラと読んだら、短編なので、ちょっとした時間にひとつ、空き時間にまたひとつ…という具合にゆっくり読め、決して速読みするなと指南があったので、ふだんならドドドッとイッキ読みしがちなところ、1つ読んではお茶を飲み、電車のなかで1つ読み、風呂につかって1つ読み、寝る前に1つ読み…と、ちゃんと「間」を空けながら、ゆっくりゆっくり10日かけて読み終える。 そもそもこの文庫は、読後感がかなり違うということで「PART1」と「PART2」の二部に分けた構成になっており、姫野が「二冊分を一冊の価格で買えます」と書いていたとおり、たしかに違う二冊を読んだようだった。 前半の「PART1 部長と池袋」は、『昭和の犬』とか『終業式』のような、どっちかというと自伝的要素の強い話が、後半の「PART2 巨乳と男」は、『ひと呼んでミツコ』や『すっぴんは事件か?』のような、フツウやアタリマエへの姫野ツッコミをを思い出させるものがあった。 読んでいるときには、まったく気づいていなかったが、読み終わってカバーに使われている写真をよくよく見ると、「ふしぎなふしぎな池袋、東は西武で西東武!」(p.32)の池袋駅だった(カバーに刷られている題字がでっかくて、そちらに気を取られて気づかなかった)。 そして、読んでいて、ムム、これは誤字ではないか?と思った箇所について、版元の光文社のサイトにあったフォームから本を読んだ感想を添えて送ったところ、メールで返事がきて、やはりそこは誤字で、「重版の際に訂正いたします」とのことだった。 (1/25了) ※278ページの2行目 雨上がりの空と、AMEAGARI NO SARAはぜんっぜんっちがう! → S【O】RA
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「リアルシンデレラ」や「昭和の犬」のようなものを求めて読み始めたので、かなり肩透かし。 こういうものも書けるんだなぁ、とも思ったけれど、長編の方が好みだ。 でも、ニコラにはやられた…。
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マニア垂涎の一冊。 今まで単行本などに未収録だった作品を一堂に集めた文庫オリジナル。初期の(処女三部作以外の)作品に通じる味わいがあり、昔からのファンにとっては「あぁ、俺、こういう作品が好きでファンになったんだよな。」と再認識する形で楽しめました。 「池袋」っておしゃれじゃない...
マニア垂涎の一冊。 今まで単行本などに未収録だった作品を一堂に集めた文庫オリジナル。初期の(処女三部作以外の)作品に通じる味わいがあり、昔からのファンにとっては「あぁ、俺、こういう作品が好きでファンになったんだよな。」と再認識する形で楽しめました。 「池袋」っておしゃれじゃないし、ヘンな地名だよね。 と言う部長に突っ込む立場ではなく、突っ込まれる立場として読むのが、姫野カオルコファンの読書です。 自分が感じたことを正直に述べて笑われる事があります。笑う人が「普通は、そうじゃないだろ。」と考え無しに突っ込んだ際、カウンターとして「俺は自分が感じたことを述べたんだ。それを否定はできないだろ。」と心の中でつぶやきます。 そんな経験を持つ貴女、貴兄の心の友としての姫野カオルコ作品です。 レアと言う意味では「蕎麦屋の恋」文庫収録時に収録されず、長らく入手困難だった短編 「イーハトーブの小迪」が「秘密とアッコとおそ松くん」として、 「天国に一番近いグリーン」が「ゴルフと整形」として、 「スワンの涙」が「パソコンと恋」として、 「色つきの男でいてくれよ」が「書評と忸怩」として、 収録されました。 「ゴルフと整形」に至っては、ファンには印象深いあの作品からスピンオフで登場する人物がお楽しみなグレードアップになっています。 と、言うわけで、直木賞受賞を切っ掛けに「昭和の犬」を読んで「次に姫野カオルコ作品を読むとしたら何が良い?」と聞かれた場合には、あまりオススメしません。 この本を読んで、最近の(直木賞を受賞するような)作品との違いを認識しました。 「昭和の犬」がファースト姫野カオルコ作品だった方に、「次」をオススメするなら(恋愛小説ですが) 「ツ、イ、ラ、ク」 です。 読み応え有り。 面白いです。 すっごく面白いです。 何回でも読んじゃいます。 ちなみに「ツ、イ、ラ、ク」も直木賞候補でした。
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201501/文庫オリジナルの短編集。旅情モノ・パロディモノ等々テーマも語り口も様々なので通しで読むと違和感あるかも、と著者あとがきでも書かれてるけど、姫野ファンには気にならない(かえって色々楽しめる)し、直木賞きっかけで知ったけど未読だし読んでみようかなって人にも手にしやすい一...
201501/文庫オリジナルの短編集。旅情モノ・パロディモノ等々テーマも語り口も様々なので通しで読むと違和感あるかも、と著者あとがきでも書かれてるけど、姫野ファンには気にならない(かえって色々楽しめる)し、直木賞きっかけで知ったけど未読だし読んでみようかなって人にも手にしやすい一冊。
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