季節のない街 の商品レビュー
先日西條奈加さんの『心淋し川』を読んだところ、「山本周五郎に似ているよね。山本周五郎のほうが漢字が難しいけど」と言われ、一度山本周五郎を読まなくては、と思い、この本を読んでみました。下4分の1が言葉の説明スペースになっているので、確かに言葉は少し難しいけれど、説明を読みながらコツ...
先日西條奈加さんの『心淋し川』を読んだところ、「山本周五郎に似ているよね。山本周五郎のほうが漢字が難しいけど」と言われ、一度山本周五郎を読まなくては、と思い、この本を読んでみました。下4分の1が言葉の説明スペースになっているので、確かに言葉は少し難しいけれど、説明を読みながらコツコツと読んでいくことができました。確かに、盛り上がりの度合いや雰囲気に西條奈加さんと共通するものを感じました。 15編の短編集。どれも一癖ある登場人物が出てきます。その中でいちばん印象に残ったのは『がんもどき』。母親の再婚により、伯母夫婦に育てられたかつ子。身勝手な大人たちのせいで心は完全に閉じて喋らずいつも無表情だ。 読んでいて伯母の夫・京太の身勝手さと独特な理屈っぽさに終始モヤモヤ。つらいことを乗り越え、喋らないかつ子が最後の最期で変わっていく姿にほっこりしました。 星3つにしたのは、百年の孤独の後に読んだので印象が薄くなってしまったのと、体調が悪かったため。後日再読したら星4つになると思います。
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宮藤官九郎氏脚本ドラマの原作ということで読了。自分を取り繕ったり飾る余裕のない困窮した貧乏暮らしの中で、剥き身の感情や本能のまま生きる人々の悲喜劇。偏見や世間体に捉われることなく、どんな人間も時に受入れ、時に否定する、醜くも美しい人間像に遠藤周五郎の観察眼が光る。物語の進展も結末...
宮藤官九郎氏脚本ドラマの原作ということで読了。自分を取り繕ったり飾る余裕のない困窮した貧乏暮らしの中で、剥き身の感情や本能のまま生きる人々の悲喜劇。偏見や世間体に捉われることなく、どんな人間も時に受入れ、時に否定する、醜くも美しい人間像に遠藤周五郎の観察眼が光る。物語の進展も結末も決してハッピーエンドではなく何ら解決していないものが多いが、「現実はそういうものなのかもしれない」と思わせる不思議な説得力がある。お気に入りのエピソードは「僕のワイフ」「親おもい」「とうちゃん」。
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2017.07.17 読み始めたけど、なかなか心に入って来ない•••。ジンとくるところもあるのだけど、ひとまず積読。
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