沖縄「地理・地名・地図」の謎 の商品レビュー
地形、地質から土地利用の変遷。そして地名の移り変わりなど、どれも興味深い話だった。 ブラタモリでやっていた、戦前の旧那覇市街地と、戦後の国際通りを中心とした新しい市街地形成の経緯についても、この本にある。 地名や人名の話を読むと、近代以降、琉球語読みをすべきか、日本語読みをすべ...
地形、地質から土地利用の変遷。そして地名の移り変わりなど、どれも興味深い話だった。 ブラタモリでやっていた、戦前の旧那覇市街地と、戦後の国際通りを中心とした新しい市街地形成の経緯についても、この本にある。 地名や人名の話を読むと、近代以降、琉球語読みをすべきか、日本語読みをすべきかで意見が割れてきた、その混乱ぶりがうかがわれる。 漢字をあてることで、その表記が本来の読みに影響を与えてしまうこともあったり。 コザも、その例。 胡屋(ゴヤ)という字を、戦後米軍が地図を作るとき、間違えてKozaと表記したのが元だとか。 なかなか考えさせられる話。 宮古島・八重山諸島には、かつて日本標準時から1時間の時差があった、という話も初めて知った。 これは台湾がかつて日本の統治下に入ったことで設定されたそうだが、では敗戦で廃止されたのかというと、そうではないのが面白い。 昭和十二年、時差があることの不便さから廃止されたという。 いろいろな興味深い話がたくさんあるが、ないものねだりをすれば、地図を載せてほしかった。 そうすればもっと頭に入りやすかったのでは、と思う。
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