日本史の森をゆく の商品レビュー
実証主義的歴史雑学といったテイストで、一応一般人が興味を持てるように作ったらしいが、内容は結構専門的。昨今は古文書解析はAIが出来るようになりつつあるようで、所謂「職人芸」の領域も今後は狭まっていくのだろう。 歴史が「科学」であろうとすればするほどAIによる処理領域が増え、人間が...
実証主義的歴史雑学といったテイストで、一応一般人が興味を持てるように作ったらしいが、内容は結構専門的。昨今は古文書解析はAIが出来るようになりつつあるようで、所謂「職人芸」の領域も今後は狭まっていくのだろう。 歴史が「科学」であろうとすればするほどAIによる処理領域が増え、人間が歴史研究において果たす役割はいかに歴史を「物語る」かという事に移行していくのかもしれない。
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取り扱っているのは奈良時代〜江戸時代までの古代から近世まで。 史料からわかることの一つ一つはトリビアなことなんだけれど、興味の範囲がカスっている人には興奮できる内容なんだと思う(書いている人の文章からはそう読めた)
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史料の大切さと学問の探究の楽しさは伝わるが、著者が多いので、広範囲に渡る専門的知識がないと、内容を理解して楽しむところまでは難しいかもしれない。
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東京大学史料編纂研究所の研究員42名がそれぞれの専門分野の逸話を綴ったアンソロジー。同じ趣向で書かれた奈良文化財研究所の「奈良の寺-世界遺産を歩く(岩波新書)」が面白かったので、手に取ってみました。「見る」文化財に対して、史料は「読む」もの。研究の題材としては、文化財と比べるとど...
東京大学史料編纂研究所の研究員42名がそれぞれの専門分野の逸話を綴ったアンソロジー。同じ趣向で書かれた奈良文化財研究所の「奈良の寺-世界遺産を歩く(岩波新書)」が面白かったので、手に取ってみました。「見る」文化財に対して、史料は「読む」もの。研究の題材としては、文化財と比べるとどうしても地味な印象があります。それでも親しみやすい話題で史料に対するイメージも少し変わりました。事情のはっきりしない日記や手紙を読み解いたり、裁判の記録から当時の世相がわかったり、なかなかスリリング。源頼朝が岩窟信仰を持っていたことや、足利義教が恐怖政治を行っていたなんて、知らなかったなぁ。 この本を読んで、高校時代、日本史には興味があったのにもかかわらず「史料集」を読むのがひどく苦痛で、結局、日本史の点数がちっとも上がらなかったことを思い出しました。大人になって日本美術を好きになって、そこから日本史を学び直し中。大嫌いだった史料もこうやってよい先生に巡り合えれば、興味深く読めるのですね。
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僕は仕事柄森林にかかわらないでもないので、タイトルを見てドッキリきて、それが実在の森ではなく、あくまで「日本史の森」と気づいた時にはガッカリきた、といいたいところだけど、むしろウキウキした。 しょっぱなが「お役所でいらなくなってゴミになった書類、それが正倉院文書である」だよ...
僕は仕事柄森林にかかわらないでもないので、タイトルを見てドッキリきて、それが実在の森ではなく、あくまで「日本史の森」と気づいた時にはガッカリきた、といいたいところだけど、むしろウキウキした。 しょっぱなが「お役所でいらなくなってゴミになった書類、それが正倉院文書である」だよ。 読書というのは、著者の、一冊の独白を通じてこっちが勝手に一目惚れをしたり、一方通行のお見合いをしたり、というようなものだと思っているので、こういう、大勢の著者が書いている本は重婚になってしまいそうで、のめり込みにくいのだけど、次々に僕が知らなかったこと、気にしていなかったことをフワッと見せてくれるので、浮気してもいいかなあ、と思ったりする。 「日明関係(にちみんかんけい)」なんて言葉、なんだか鷲掴みにされちゃうじゃないか。ほんの数ページだけど、花押のことを聞かされて自分も作りたいな、なんて思ったりもする。「未婚の皇后」とか、なんか、ちょっと困るんですけど。
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東京大学史料編纂所(『大日本古文書』(家わけ文書)、や『大日本史料』などを翻刻・刊行)の42人の研究者が、具体的に自らの専門テーマに絡めた史料批判・解釈の過程をふまえて史料編纂の仕事内容を紹介した一冊である。 中身は、 1章 「文書を読む、ということ」(史料編纂書の仕事など) ...
東京大学史料編纂所(『大日本古文書』(家わけ文書)、や『大日本史料』などを翻刻・刊行)の42人の研究者が、具体的に自らの専門テーマに絡めた史料批判・解釈の過程をふまえて史料編纂の仕事内容を紹介した一冊である。 中身は、 1章 「文書を読む、ということ」(史料編纂書の仕事など) 2章 「海を越えて」(グローバル・ヒストリーからの視点) 3章 「雲の上にも諸事ありき」(最近流行の朝廷・天皇側の研究) 4章 「武芸ばかりが道にはあらず」(武士の実情) 5章 「村の声、町の声を聞く」(村方・町方史料からの視点) という歴史学の主要な視点を各章ごとに設けられている。私のように歴史学を専門にした人間であれば、最近の研究動向を踏まえて読み進めることで理解しやすい。 しかし、新書という体裁をとっている割に専門外の人には不親切なように感じた。 もし分かりにくいのであれば、まず岩波や講談社の通史を読んだ上で本書を読むことをおすすめする。 個人的には、4章にある荘園領主と地頭の所領をめぐる裁判の様相や、5章にある主張する百姓(水本邦彦先生以来の自立する村落)などのような地方(じかた)に関する事例が興味深い。
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※このレビューにはネタバレを含みます
日本史に関するさまざまな史料を収集し分析。日本史研究のトップランナーとも言える、東京大学史料編纂所の研究者42名の研究概要が垣間見られるアンソロジー。 史料の世界でも、次々と「新事実」が発見されている歴史というものに、改めて魅了される。 北郷和人氏や山本博文氏など、「スター研究者」のテキストが収録されてないところも良い(もちろん両氏の著作は好きですが、スターの名声で売ろうという姿勢がないところが良いというくらいの意味ですw)。 歴史好きなら必読。
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興味深い内容続出でした。秀吉の朝鮮出兵時に朝鮮から陶工が連行されたといわれていますが、そのことを一次史料で確認できる例はないとのことです。私は、能を趣味としていますが、1435年、長浜八幡宮での演能の際の入場料がこの本で紹介されています。選挙干渉で有名な品川弥二郎が、『都風流トコ...
興味深い内容続出でした。秀吉の朝鮮出兵時に朝鮮から陶工が連行されたといわれていますが、そのことを一次史料で確認できる例はないとのことです。私は、能を趣味としていますが、1435年、長浜八幡宮での演能の際の入場料がこの本で紹介されています。選挙干渉で有名な品川弥二郎が、『都風流トコトンヤレ節』を作詞したことも書かれています。そしてブラームスはトコトンヤレ節を知っていたようです。 なお、著者のひとり、須田牧子先生から、サインを頂戴しました。
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古文書等の資料から歴史を読み解く研究について、とても興味深い世界に触れることができた。 堅苦しいこともなく、研究に対する想いも伝わってきたが、資料がもっと具体的に示されていれば、より研究のイメージがわいたであろうと思う。
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地味だけど堅実な歴史学のお手本。大学で歴史やりたいと考えている人は、これを読んで、こういうのに(全部とは言わないけど三つ四つ)ワクワクしないならやめた方がいいです。個人的には骨董品(笑)の大砲がピカイチでしたね。
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