源氏物語絵巻五十四帖 の商品レビュー
舟橋聖一氏が「源氏物語」の評価の変遷に関して一文を寄せておられます。読むと驚きを禁じ得ません。正宗白鳥氏が「(源氏物語は)退屈な上、悪文で読み続けられない」、ウェイリーの訳文の方が数等優れている由述べたそうです。舟橋氏は伝統や古典を軽視する自然主義文壇の潮流を無学時代と断じ、教養...
舟橋聖一氏が「源氏物語」の評価の変遷に関して一文を寄せておられます。読むと驚きを禁じ得ません。正宗白鳥氏が「(源氏物語は)退屈な上、悪文で読み続けられない」、ウェイリーの訳文の方が数等優れている由述べたそうです。舟橋氏は伝統や古典を軽視する自然主義文壇の潮流を無学時代と断じ、教養を基盤とする新しい権威を確立してほしいと言っています。今現在も、原文はおろか、現代語訳でさえ、通読した人は多くありません。ブームが表層的だと、また、真逆に否定される時代が来るのでしょう。正しく評価し続けるには、国民の教養にも関わりますし、地道な努力も必要ですね。なお、本文は多様な源氏絵を大胆に部分を拡大して見せることで特徴を見せるなど、示唆に富み充実しています。
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源氏物語というと、京都、奈良を思い浮かべる方も多い。 名古屋の徳川美術館で所蔵していることをご存じないで、 京都や奈良に見に行こうとされて、がっかりされる方もみえる。 名古屋の徳川美術館には、源氏物語絵巻を何度も見に行きました。 本書の図版の一番たくさん提供しているのが徳川美術館。 なんども見に行ったものが、手元の本でもみられるのはうれしい。 日本の文化と、絵画技法を知るのにも役立つ。 本書を見たら、ぜひ、名古屋の徳川美術館においでください。 WEBで展示中かどうかの確認は必須です。
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