ザ・サークル の商品レビュー
”今年、映画も公開されており、日本封切り前に原作を読むと決めて購入。500ページ超の大作小説だけど、文体がかなり早口(?)なので、話が佳境に入ってからは思っている以上にさらさら読み進められた。 それにしても、ここまで公開されてしまう世界は怖すぎる… ただ、主人公メイの行動を笑い...
”今年、映画も公開されており、日本封切り前に原作を読むと決めて購入。500ページ超の大作小説だけど、文体がかなり早口(?)なので、話が佳境に入ってからは思っている以上にさらさら読み進められた。 それにしても、ここまで公開されてしまう世界は怖すぎる… ただ、主人公メイの行動を笑いとばせない自分がいる。 マーサー、カルデンの言葉にうなづきつつ、迎えた結末は・・・。 映画ではどんな風に描かれているのか、楽しみ。 <キーフレーズ> ・トゥルーユー(Ty) ・「“コミュニティ第一”知っているだろうけど、これが我が社のスローガンだ。」(p.54) ・「当社では、社員のソーシャルネットワークのプロフィールとアクティヴィティを社内活動の不可欠な部分とみなしているの。」(p.104) ★「君はつまらない人間になったよ。一日12時間デスクに座り、そのせいかとして見せられるものといえば、一週間もすれば忘れられる実在しない数字以外に何もない。君が生きたという証拠は何も残らない。」(p.278:マーサー) ・秘密は嘘 分かち合いは思いやり プライバシーは盗み(p.323) ・「今起こっていることを止めなければ。僕は真剣だ。サークルの完全化が迫っている。」(p.340:カルデン) ・「みなさんの願いと気持ちだけを送ってください。メールやジングなどは結構です。」(p.385) <きっかけ> 田中伶さんのビジネス書サロンでの紹介を読んで。”
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分厚めだったが一気に読んでしまった。 現代版1984、とか言われているらしく、これまでも私の人生に何度か訪れては無視されている、【今こそ1984を読むのだ】のお告げまた来た…。 主人公のメイが、「サークル」という会社の社是にだんだん染まって行く様子が恐ろしかった。 ヒトラーも、パ...
分厚めだったが一気に読んでしまった。 現代版1984、とか言われているらしく、これまでも私の人生に何度か訪れては無視されている、【今こそ1984を読むのだ】のお告げまた来た…。 主人公のメイが、「サークル」という会社の社是にだんだん染まって行く様子が恐ろしかった。 ヒトラーも、パルパティーンも、民衆に歓迎されて独裁者になった。 「サークル」もおんなじ。 私も、GoogleなりAmazonなりドコモ(こう並べると小物感あるからむしろ信じてるんだけど)なり…に個人情報を提供しまくる生活への抵抗感がどんどん薄れている。というか抵抗感はあるのだけど、それよりも「便利だからまあ仕方ない(今さら無い生活に戻れない)」という気持ちの方が勝ってしまう。みんなやってるし、それが世の趨勢か、なんてわかったような理屈で納得して、受け入れてしまっている。 安い方がいいし、早い方がいいし、楽な方がいいし、ちょっとやだなとは思っても、信念……なんて言うほどのものでもないしねえ、、ポチ、てな感じで。 こういう怠惰な心が独裁者を作るのだなあ。 頑なにケータイ持たない人、スマホにしない人、LINE使わない人、たちが時代時代にいた(いる)けど、周囲からさんざんからかわれたり文句言われたりしながらも「いえ私はmixiはやりません」と言っていたあの人みたいに高潔であらねば、とか思うその一方で、信念を貫くために死にたくはない。自分一人ならまだしも、家族が「死をも厭わず俺は信念を守る!」と言ったらどうする?生きるべきか死ぬべきか、それが問題よ…。 そんなこと考えている間に、ただの便利な道具として世界に浸透しきった「サークル」アカウントが、悪魔の全体主義ツールに変貌しちゃうんだから、トロイの木馬。
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この物語のようなことは既に現実に起こっている。ばかばかしいと思っても世の中の仕組みから逃れられなくなっていく
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「すごい、ここは天国だ」という書き出しで始まる、現代ディストピア小説。かつてのディストピア小説は共産主義国をモデルにしていたわけだが、この現代ディストピア小説のモデルは言うまでもなく Google で、誰もが内心気がついている恐怖感を具現化した。そして、これが壮大なパロディとなる...
「すごい、ここは天国だ」という書き出しで始まる、現代ディストピア小説。かつてのディストピア小説は共産主義国をモデルにしていたわけだが、この現代ディストピア小説のモデルは言うまでもなく Google で、誰もが内心気がついている恐怖感を具現化した。そして、これが壮大なパロディとなるか、黙示録となるかは、まだ誰にも判らない。 Dave Eggers は現代アメリカを代表する作家で、この "The Circle" も New York Times bestseller #1。本当は原著で読もうと思っていたのだが、面白そうだったので翻訳でサッサと読んでしまった。
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繋がること、シェアすることが加速していくと、こんな絶望的な世界になってしまうのかと思うととても怖い。こんなこと起こらないだろう、と笑えない今があるからこそ。 ブラックユーモアの極地、デストピア小説という言葉にも納得がいった。
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ますます進化するIT化、ソーシャル化。 「いいね」押していい気分に。「いいね」押されていい気分に。 会社の資料はすべて共有フォルダへ。メールは全員へ返信で。 CCには知らない部署の人の名前までずらっと並ぶ。 すべてオープン、それが「善」となんとく思うようになり、 すべてを透明...
ますます進化するIT化、ソーシャル化。 「いいね」押していい気分に。「いいね」押されていい気分に。 会社の資料はすべて共有フォルダへ。メールは全員へ返信で。 CCには知らない部署の人の名前までずらっと並ぶ。 すべてオープン、それが「善」となんとく思うようになり、 すべてを透明化することで社会が一歩前進すると信じていた。(少し前の頃) 透明化によって、貧富・優劣の差はなくなり、手助けし合える“素敵な”社会が生まれても、 なんか居心地の悪さも感じる。個性もいつの間にか失われている気がする。 そんな「違和感」が脳裏をよぎる人もちょいちょい出てきたが、世間の“ムード”には抗えない。(ここが今) 10年後 あの時に感じていた「違和感」は正しかったんだ、と気付いても遅い。 サークルという輪の真ん中は空洞。何もない。 手遅れにならないように、今、多くの人にこの本を読んでもらいたい。 ただ、手遅れにならないようにこの“ムード”に抵抗したいところだが、 抵抗する方法がわからない現実に気付くと恐怖感はさらに倍増する。 この本に書かれてるのは、良かれと思って築き上げた夢のような未来の影に潜む、 取り返しのつかなくなった「奇妙な世界」。 罪のない“ムード”をどうやって軌道修正すればいいのか、考えさせられた。 BGMはゆらゆら帝国「空洞です」の小泉今日子バージョンで。
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誰もが知っている検索大手のあの会社っぽい架空の会社「サークル」が舞台。そこに中途入社した若い女性が主人公の話。普段何も考えずに利用しているIT技術の数々、ソーシャル系のツール類が「社会を良くしたい」という私企業によって統合され、個人情報が丸裸になってしまった場合、行き着く先はどん...
誰もが知っている検索大手のあの会社っぽい架空の会社「サークル」が舞台。そこに中途入社した若い女性が主人公の話。普段何も考えずに利用しているIT技術の数々、ソーシャル系のツール類が「社会を良くしたい」という私企業によって統合され、個人情報が丸裸になってしまった場合、行き着く先はどんな社会かを垣間見れる。企業に情報が集中してしまうこと対する警告とも読み取れるが、政府がやっている個人情報の透明化施策にも同様の恐怖を感じた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2017年映画が来るということで先読み。まぁおもしろかったのだが、スピーディーなテンポがまるで映画向き。読書としては少々疲れます。原文がそうなのかどうか未確認とした上で、日本語版はけっこう読みづらかった。古式ゆかしい文学ではなく、そのスタイルでさえ情報の海の中心である“サークル”的な表現なのだとすれば、ふさわしい訳文と言うべきか。 Facebookなどソーシャルメディアとのつきあい方を見直したい人や違和感を明文化しておきたい人(大なり小なりきっと誰もがそうだと思うのだけれど?)は読んでみるといいかも。確かに「嘘やヒミツがなければその場面で争いや憎み合いにならないのに」と思うことはある。でもヒミツ――まだ語られていないということは、人生で必要だとも信じているので、同書で描かれている世界はわたしにとって完全にデストピアでした。 予告編で観ただけで判断するなら、メイ役のエマ・ワトソンがおそらくはまり役。完全にイメージ付けられてしまい、読書中も脳内再生はエマ・ワトソンだらけでした(笑) これは映画が楽しみ。救われる方向の描写があると嬉しいのだけど、どうなるのでしょうか。
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世界最高のIT企業「サークル」に転職した24歳のメイは、熱意ある同僚に囲まれて充実した会社生活を送りはじめる。しかし、社員同士のコミュニケーション手段がSNS主流の生活は、次第に彼女のストレスとなってくる。 人間とインターネットの未来の良いところと悪いところを考えさせられる小説。
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全てのものがIoT化されたときに起きるものは。最後があっけない。続編が出るのかもしれない。読むのに意外と時間がかかった。
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