型で習得!中高生からの文章術 の商品レビュー
主に、学校や入試等の課題として課される各種文章の書き方を、文章構成の型に着目して説明するハウツー本。このあたりの著者のスタンスは、最初に小論文の書き方を説明する理由として、「①入試でよい成績が取れる」を挙げているところに現れているように思う。 著者は、書く文章の種類を「小論文」「...
主に、学校や入試等の課題として課される各種文章の書き方を、文章構成の型に着目して説明するハウツー本。このあたりの著者のスタンスは、最初に小論文の書き方を説明する理由として、「①入試でよい成績が取れる」を挙げているところに現れているように思う。 著者は、書く文章の種類を「小論文」「記録文」「作文・エッセイ」「読書感想文」「レポート・論文」「志望理由書・自己PR書」とに分け、それぞれの文章を書く際の型を紹介、文例を載せて具体的な書き方の手順を説明していく。紹介される型は、とても良識的なもので分かりやすい。ただ、宿題として出されたり、入試で問われた際の回答の方法として整理されたものとして、勉強になった。特に、第二章4節「小論文にふさわしい文体」や、第六章「論文・レポートの書き方」で説明されている文体の説明は、初めて硬い文章を書く中高生への文体上の注意点がよくまとめられていて、参考になった。 ただ、自分の文章を個性的なものにする方法として紹介されている構成や表現、内容選択の工夫は、入試対策的な工夫に感じた。例えば、第二章に出てくる問題提起の作り方で、「問題提起の三原則」としてあげられる「①賛否両論がなければ」「②手に負える問題でなければならない」「③社会とかかわりのある問題でなくてはならない」といった指針は、合格点をもらう方針としては、そうかもしれないが、中高生が背伸びをして自分自身の興味を見つけて、本当に書きたいこと、表現したいことを言葉にしていくためのアドバイスとしては、疑問を感じる。こうした入試対策的な作文能力の先に、そうしたものがあるのかどうか。折り合いの付け方は、今の自分にはよく分からない。
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これでもう文章を書くのは怖くない! 小論文、作文、読書感想文、レポート、志望理由書など中高生がよく書く文章のコツが簡単にまとめられている。それぞれの特徴を捉え、決まった型に沿って書いていく。とにかく苦手な人が書けるようになるための型だけでなく、賞を取りたい人へのアドバイスもある。例も載っている。これを読むとなんだ書くのは簡単だと思えるのがよい。
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樋口裕一著。 文章力をつける意義を冒頭の1章を割いて説明されています。自転車を例にあげていますが、それと大きな違いがあります。 自転車は乗れるようになると達成感がすぐに得られる、乗ること自体が子供にとって楽しい、と成果をすぐに体感できます。 一方、文章力がつくとすぐに達成感が得ら...
樋口裕一著。 文章力をつける意義を冒頭の1章を割いて説明されています。自転車を例にあげていますが、それと大きな違いがあります。 自転車は乗れるようになると達成感がすぐに得られる、乗ること自体が子供にとって楽しい、と成果をすぐに体感できます。 一方、文章力がつくとすぐに達成感が得られるものではなさそうです。 逆に言えば、成果を即座に実感できる工夫ができれば文章力をつけたい気持ちになるはずです。 最近、犬のトレーニングに苦労していていろいろ勉強しているのですが、『○○するといいことがある』と思わせて行動を制御するといいようです。文章力もこのようなやり方が使えないものでしょうか?それも自然な形で。 ブログを書くための勉強のために読んだ本ですが、脇道にそれた読後感想になってしまいました。
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文章作成能力は実は思考力にそのまま結びつく。よって文章を書くことを鍛えることは思考力の練磨そのものである。最近の新しい学力観が提唱され、数年後から大学入試の形態も変化していくと考えられており、そのあたらしい選抜形態に文章作成も取り入れられるはずである。 ところが、教育の現場で...
文章作成能力は実は思考力にそのまま結びつく。よって文章を書くことを鍛えることは思考力の練磨そのものである。最近の新しい学力観が提唱され、数年後から大学入試の形態も変化していくと考えられており、そのあたらしい選抜形態に文章作成も取り入れられるはずである。 ところが、教育の現場ではこの文章作成に関する指導法が確立していない。一部の「文章のうまい」教員が、自己の経験に基づいて添削指導をしている。教科のほかのテストと異なり、数字で得点がつくわけではないので、その成果は測定しにくい。だから、成果の判定ができないままになってしまう。それが大学入試小論文の場合は受験生の合否を基準のかわりにしてしまう傾向にあるが、たいていの場合小論文だけで判定されることは少なく、成果判定にはならない。結局は何をどれだけ教えればいいのか分からないままである。 本書は中高生への小論文添削指導の経験をもとに文章作成を「型」として教えるという方法をとって、文章作成の方法を明確化しようとしている。書き方のフォーマットが種類別に示されており、分かりやすくまとめられている。この新書の読者が中高生であることを踏まえた内容であるが、一般社会人でも文章が苦手な人の第一歩としてはふさわしい。 少しだけ心配なことがある。おそらくこの筆者もこの「型」を習得するのに長い年月がかかり、試行錯誤のもとにたどり着いた理論であると思う。そういう積み重ねがあってこそ、型の効用が分かり、そして使うことができるのだろう。これを学習者に伝えるとき、間違ってはならないのは型を覚えれば何とかなると考えてしまうことだ。実際にはたくさんの文章作成の経験を通してのみ、この力は身につくものと思われる。指導者にとっても、学習者にとっても有益な一冊ではあるが、使い方を誤ってはならない。
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世界を動かしているのは言葉。人間関係を創るのも言葉。 書くのが得意な人は考えるのも得意。書くことは考える鵜訓練にもなる。 小論文に使われる文体は新聞で使われる文体。 レポートとは事実に基づいて自分の意見を報告する文章。
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