前田慶次と歩く戦国の旅 の商品レビュー
戦国期の旅の記録は貴重である。晩年の慶次本人が記したとされる二六日間の「道中日記」の内容は、「傾奇者」と称される彼のイメージとは程遠い。古書典籍の知識を備え、道すがら陰陽道の呪術的世界にはまる姿は、戦国武将の実像に近いはずだ。(2014年刊) ・まえがき ・序 章 「前田慶次道...
戦国期の旅の記録は貴重である。晩年の慶次本人が記したとされる二六日間の「道中日記」の内容は、「傾奇者」と称される彼のイメージとは程遠い。古書典籍の知識を備え、道すがら陰陽道の呪術的世界にはまる姿は、戦国武将の実像に近いはずだ。(2014年刊) ・まえがき ・序 章 「前田慶次道中日記」と中世東山道 ・第一章 伏見から近江路へ ・第二章 美濃から木曽路へ ・第三章 和田・碓氷の峠越え ・第四章 坂東の地へ ・第五章 白河の関を越えて ・第六章 奥州街道から米沢へ ・終 章 中世東山道の終焉と、その後の慶次 ・おわりに 序章で「二十六日間の旅程で、とりたてて大事件が起こるわけでもない」とあるとおり、やや退屈な内容である。著者の工夫は感じられたが、読んでいて土地勘が無いのもつらい。反面、第二章及び第三章は、いささか土地勘があり、慶次がたどった道を追体験することが出来て楽しめた。写真が多いのも嬉しい。
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昔の人って、やっぱり健脚!70を前に京都から米沢まで歩くってすごい。私なら今でもムリ。 慶次って、強いだけでなく、物識りなところも魅力的。
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関ヶ原の合戦直後の紀行文には興味をそそられる。前田慶次という傾奇者の道中日記を中心に添え、京伏見から米沢への旅を検証する本書は、歴史旅を好きな人には打ってつけだ。20代の頃に芭蕉の奥の細道を辿った経験が、慶次が奥州に入ったあたりでオーバーラップして思い出された。慶次の道中日記を補...
関ヶ原の合戦直後の紀行文には興味をそそられる。前田慶次という傾奇者の道中日記を中心に添え、京伏見から米沢への旅を検証する本書は、歴史旅を好きな人には打ってつけだ。20代の頃に芭蕉の奥の細道を辿った経験が、慶次が奥州に入ったあたりでオーバーラップして思い出された。慶次の道中日記を補完するように記された歴史的記述も多く総花的で、前田慶次を深く知りたい方には物足りないだろう。
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