Mr.スペードマン の商品レビュー
俺の名はスペードマン。ゴミ処理人だ。標的の名前だけ教えてくれればいい。そいつが死ぬ。それだけだ――テロ攻撃で汚染され、住民の大半が立ち去ったニューヨーク。残った人々は仮想世界に引きこもり、それすらできない貧乏人だけがうろついている。そんな街で殺し屋稼業をする俺は、ある日18歳の女...
俺の名はスペードマン。ゴミ処理人だ。標的の名前だけ教えてくれればいい。そいつが死ぬ。それだけだ――テロ攻撃で汚染され、住民の大半が立ち去ったニューヨーク。残った人々は仮想世界に引きこもり、それすらできない貧乏人だけがうろついている。そんな街で殺し屋稼業をする俺は、ある日18歳の女性の殺害依頼を受けた。子どもは殺さない主義の俺だったが……荒廃した街に生きる一匹狼を描く、超異色クライムノヴェル。 どちらかと言えばSF小説のジャンルに入るのかもしれないが、読んでみた。仮想世界の要素を取っ払えば、確かにハードボイルド小説であった。
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近未来。核攻撃を受けたニューヨーク。富裕層は仮想世界に逃避する格差社会。殺し屋スペードマン。唯一のルールは子供は殺さないこと。。。。もう、たまらなく好物な設定!楽しめました。
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サイバーパンク前夜的な設定を背景にしたお話。 ネットにダイブできるけど、人体改造には至ってない、的な。 主人公のヒットマンの一人称形式のところはハードボイルド的とも言えるし、ちょっと押井の攻殻が思い浮かぶところもありますね。 早川の SF のシリーズとして出ていれば、そういう意識...
サイバーパンク前夜的な設定を背景にしたお話。 ネットにダイブできるけど、人体改造には至ってない、的な。 主人公のヒットマンの一人称形式のところはハードボイルド的とも言えるし、ちょっと押井の攻殻が思い浮かぶところもありますね。 早川の SF のシリーズとして出ていれば、そういう意識で読んだんだけど、NV で出ていたので、SF っぽいところにのれるまでに時間がかかってしまった感じ。 中盤の幾分まったりしたところが乗り切れれば、終盤はそれなりに楽しめると思います。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
殺し屋を主人公にしたハードボイルト、もしくはピカレスク系かと思えば、なんとディストピア系の小説だった。 確かに「俺は弾丸」と豪語する殺し屋が主人公なんだけど、そもそもその割にはあっさりターゲットの女の子と逃避行を始める。サイバーパンク風の近未来設定もなんかあちこちの映画でみたような設定の寄せ集め。 そこで、魅力のないキャラがバラバラと宗教的な薀蓄を披露しながら戦う。 まず、主人公をはじめとしてどのキャラにも魅力が感じられないのが致命的だし、これは原文なのか日本語訳なのかわからないけどヒネリすぎて読みにくい文章にも魅力が無い。 ただ、この世界観も映画化したらそれなりにいけそう。 キャラの魅力なんて俳優でカバーすればいいし。 主演はデンゼルが候補らしいけど、「ザ・ウォーカー」みたいな感じか?で、女の子はクロエ・グレース・モリッツで…。ん?それじゃ「イレイザー」になってしまうか!
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核爆弾だけが核兵器ではない。放射性物質を入れた容器の横で通常爆弾を爆発させれば、一帯は放射性物質で汚染され、人が住めないエリアと、住みたくないエリアが作られる。破壊力だけが核の威力ではない。ニューヨークで発生した事実だ。 そう展開すれば、読者の頭には現在ではない近未来の時間が...
核爆弾だけが核兵器ではない。放射性物質を入れた容器の横で通常爆弾を爆発させれば、一帯は放射性物質で汚染され、人が住めないエリアと、住みたくないエリアが作られる。破壊力だけが核の威力ではない。ニューヨークで発生した事実だ。 そう展開すれば、読者の頭には現在ではない近未来の時間が動き出す。 明らかな年代を示すのではなく、漠然とした近未来。おそらくその世界では、コンピューター・サーバーの中に限りなく現実に近い仮想世界があり、人は点滴で栄養補給しながら仮想世界に耽っていることがあっても不思議ではない、と勝手に受け入れる準備が整ってしまう。SF世界への導入として上手い手法だ。 新興宗教の宗主が、娘に性的なものも含め暴力をふるう。娘は逃げ出す。宗主は、殺し屋に娘を始末するように依頼する。娘を探し出した殺し屋は娘が妊娠していることを知り、娘の側に正義を見出し、娘を守ろうとする。そこに暴力的な解決が訪れる。ありふれたストーリーだと思う。新興宗教の宗主は、時には政治家だったり、殺し屋は探偵であったり、レパートリーはいくつか考えられる。 いつか読んだ小説、いつか観た映画が頭に浮かぶ。
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