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晩鐘 の商品レビュー

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15件のお客様レビュー

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2024/08/05

475ページ 1850円 8月1日〜8月5日 佐藤さんと元旦那のことが描かれている。ここまで赤裸々に書いて良いものだろうか?と、こちらが不安になるくらい正直に描かれていて、小説だということを忘れて、自伝を読んでいるかのようなそんな気持ちになった。辰彦の奔放さに本当に呆れてしまい...

475ページ 1850円 8月1日〜8月5日 佐藤さんと元旦那のことが描かれている。ここまで赤裸々に書いて良いものだろうか?と、こちらが不安になるくらい正直に描かれていて、小説だということを忘れて、自伝を読んでいるかのようなそんな気持ちになった。辰彦の奔放さに本当に呆れてしまい、なぜ妻の杉はそんなに尽くしてしまうのか?それは愛なのか?と考えてしまう。

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2021/05/12

どうしようもない人がいます 環境とか育ちとか性格とかそんなことは関係なく どうしようもない人 そんな人に会うと 人が生まれてくる理由なんてない そこにいる それだけだと思い知らされます

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2020/06/05

 氷点・道ありきの三浦綾子さんと間違えて、坊主の花かんざしの佐藤愛子さんを読み終えてしまいました。  決して坊主の…のような面白い作品ではありませんが、山あり谷ありの日々の生活を本当に淡々と描いた良い作品でした。佐藤愛子さんの素晴らしい書きっぷりを見たような気がします。

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2020/05/31

藤田杉の人生を手紙という形で書かれた小説。 小説のモデルもいるとかいないとか。 毒舌?裏表ない?お腹に溜めない?誰も叱ってくれない部分をしっかり諭す?そんな佐藤愛子さんだけどこの作品は別物。 好きか嫌いかはっきり分かれると思う作品だと思う。私は半分位まではいつ読みやめてもおかしく...

藤田杉の人生を手紙という形で書かれた小説。 小説のモデルもいるとかいないとか。 毒舌?裏表ない?お腹に溜めない?誰も叱ってくれない部分をしっかり諭す?そんな佐藤愛子さんだけどこの作品は別物。 好きか嫌いかはっきり分かれると思う作品だと思う。私は半分位まではいつ読みやめてもおかしくない感じでした。でも、いつしか杉の人生と人柄に共感し、読みながら心で泣きました。温かい涙ではなく、氷つきそうな涙を。

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2017/11/01

 これは著者の実体験なのか!?主人公の女性作家・藤田杉を主人公として、直木賞を受賞し、離婚した元夫・畑中辰彦(田畑麦彦がモデル)の膨大な借金を返済していく。辰彦の人生は壮絶な破滅への道。もっとノスタルジックな世界を想定していたら、杉の男勝りの強い性格と何とも頼りない夫への怒りを超...

 これは著者の実体験なのか!?主人公の女性作家・藤田杉を主人公として、直木賞を受賞し、離婚した元夫・畑中辰彦(田畑麦彦がモデル)の膨大な借金を返済していく。辰彦の人生は壮絶な破滅への道。もっとノスタルジックな世界を想定していたら、杉の男勝りの強い性格と何とも頼りない夫への怒りを超えた諦め(呆れ!)の姿勢が悲しいほど。読後感はあまり良くない。作家仲間との交流場面が多く登場するが、明らかに川上宗薫と思われるモデルである川添という作家も登場する。他の作家は分からなかったが。

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2017/03/08

腹を立て 呆れ 面白がり 面倒くさくなって 気が向いたら あら そういえば昔は 夫婦だったわね みたいな 不思議な関係 なんとなく 元旦那さんは 身に巣くう 厄介な慢性病みたいに 旦那さん(病)が いて 膨大な借金(痛み)をつくったからこそ がむしゃらに書けたのか

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2017/02/01

ひとが怒るポイント、笑うポイントはほんとにそれぞれなんだな。同じひとでも、時間が経つと変わるし。 怒ることで相手がなにかをするのをヤメさせよう……とすることもあるけど、だからって相手は変わらないんだね。

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2015/09/15

☆5つ以外の評価は私としては考えられない銘著です。文章の重みに生きた人生の経験や苦労が読み取れ、私なぞまだまだ若造だと改めて思いいたるばかりです。

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2015/09/06

今までさんざん持っていかれ、またネタにもしてきた元夫についての最後の本。 ここまで書かれるというのは、ある意味名誉であり、書かれ続けても、それを楽しんでいたという意味では、立派な男であったのかもしれない。 資産家の息子ゆえの上品さ、頭の良さに、小児麻痺からくる激しいコンプレックス...

今までさんざん持っていかれ、またネタにもしてきた元夫についての最後の本。 ここまで書かれるというのは、ある意味名誉であり、書かれ続けても、それを楽しんでいたという意味では、立派な男であったのかもしれない。 資産家の息子ゆえの上品さ、頭の良さに、小児麻痺からくる激しいコンプレックス。まさに選ばれてあることの恍惚と不安に翻弄された一生。この人と太宰治の何が違っているかと言えば、文才の一言に尽きるかもしれない。また、妻が、後輩が、自分より才能があると認めざるを得ない苦しさが、親兄弟を見返したいという思いが、ベンチャー企業の成功者という妄想になったのではないか。才能のない小説を書いている時が、人に迷惑をかけないだけ一番良かったというのは、本当に皮肉だ。 最後の「かく生きた」には、涙が流れた。 人間の人生は、結局、そうとしか言えないのかもしれない。 しかし、畑中は幸せだったのではないか?したいことはした。成功しなかったが。 伴侶に恵まれた。二人の妻が、生活を支えてくれた。娘に嫌われなかった。妻が自分の名を残してくれた。これだけのことができた男がどれだけいるだろうか。 佐藤愛子の潔さ、(本人は否定しているが)優しさが、わかった気がした。 90で筆力が衰えないだけでなく、90たからこそ書ける域に達していることに感銘を受けた。 自分が老人となった時に、また読み返したい。

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2015/03/18

愛子センセイが繰り返し繰り返し書いてきた前の夫、田畑氏と彼から蒙った有形無形の爆弾。 私は長年の読者なので、その都度、同じ流れの田畑氏話に呆れたり、そんな夫に振り回されつつもケツをまくってしまう(すみません、下品で。)愛子さんに男気を見たり、痛ましくも思ったり。 で、愛子さん御年...

愛子センセイが繰り返し繰り返し書いてきた前の夫、田畑氏と彼から蒙った有形無形の爆弾。 私は長年の読者なので、その都度、同じ流れの田畑氏話に呆れたり、そんな夫に振り回されつつもケツをまくってしまう(すみません、下品で。)愛子さんに男気を見たり、痛ましくも思ったり。 で、愛子さん御年90歳でまたまた田畑氏の所業がこれでもか、と書き連ねられる・・・。 これはお互い年を重ねるたびに、書かずにいられない、それほど愛子さんの人生行路の中での大きな深い話なのだろう、と思っていたのだけど、今回、田畑氏が亡くなったことを踏まえて書かれた「晩鐘」で、結局、私には彼のことも自分のその時の気持ちもわからない、と記されているその諦観にストンと頷けた。これまで彼のことを書いた原動力は怒りだったり、怒りを通り越した可笑しさだったり、でも、この年になっては、わからない、という不可解さに押されて書いたのだ、という愛子さんのお気持ちがすごくよくわかる気がする。 こんな長い著作を90歳を超えてから上梓されるなんて、しかも、田畑氏のいわゆる“悪行”をこれでもか、と微に入り、細に穿ち滔々と書き並べるその体力に驚きはしたけれど、愛子さんはホントに彼のことがわからないんだなぁ、わからないまま彼から気持ちが離れ、そのまま死なれてしまったんだなぁ、と。 きっとこれが愛子さんの最後の単行本になるのではないだろうか。(なんて、ここ10年程新作が出るたびにそう思ってきたのだけど) それもまた愛子さんらしくていいのでは、なんて思ってしまう読者です。

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