時間のかかる読書 の商品レビュー
タイトルに魅かれて購入。 横光利一の『機械』を11年かけてゆっくりゆっくり読む試み。 やっぱり遅読はええですな。
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舞台演出家の著者が横光利一の「機械」を11年かけて読んだという本。何の変哲もなく、1時間ほどで読める小説「機械」が、「初めの間は私は私の家の主人が狂人ではないのかとときどき思った。」との言葉から始まる。あの美しい「旅愁」とはあまりにも違うスタートで驚き。ほとんど「軽部」「屋敷」「...
舞台演出家の著者が横光利一の「機械」を11年かけて読んだという本。何の変哲もなく、1時間ほどで読める小説「機械」が、「初めの間は私は私の家の主人が狂人ではないのかとときどき思った。」との言葉から始まる。あの美しい「旅愁」とはあまりにも違うスタートで驚き。ほとんど「軽部」「屋敷」「私」(語り手)という3名の心理の動きを描いた小説だというが、場所も、時間も、季節も、月日も、登場人物たちのプロフィールも詳しく表示されていない。「機械」さえもほとんど登場しない。超時空の小説が宮沢氏により途端に哲学的な意味合いを感じさせる不思議な本。軽部、屋敷が時代と空間を象徴する名前だと著者は喝破する。舞台演出の立場からの解題なのだろう。横光が息が詰まるような文章を敢えて!書いていることは巻末に掲載されている原書を読むとよくわかる。
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【第1回「IN★POCKET」文庫装幀大賞作!】 詳細はこちら↓ http://booklog.jp/special/pocket_bookcover 【装幀・デザイン】 水戸部功 【あらすじ】 脱線、飛躍、妄想、停滞、誤読、のろのろと、そしてぐずぐずと--決めたことは「な...
【第1回「IN★POCKET」文庫装幀大賞作!】 詳細はこちら↓ http://booklog.jp/special/pocket_bookcover 【装幀・デザイン】 水戸部功 【あらすじ】 脱線、飛躍、妄想、停滞、誤読、のろのろと、そしてぐずぐずと--決めたことは「なかなか読み出さない」「できるだけ長い時間読み続ける」のふたつ。横光利一の名作短編「機械」を11年かけて読んでみた。読書の楽しみはこんな端っこのところにある。本を愛するすべての人に捧げる第21回伊藤整文学賞評論部門受賞作の名作。
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横光利一『機械』を11年かけて読んだ読書記録。 11年という長さもさることながら、時に脱線し、時に考察しながらじっくりと読んでいく試みが面白い。 巻末に『機械』も収録されているので、該当する箇所を参照しながら読むとより楽しめる。
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おおいに奇妙な小説を、おおいに奇妙な読み方をする。 狂人かもしれない語り手の、時間を曖昧にした語りをひとつひとつ丹念に読み解いていくことで、 最後に「語りによるからだ」を見出す地点まで至った。 私 主人 軽部 屋敷
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脱線、飛躍、妄想、のろのろ、ぐずぐずーー横光利一の名作短編「機械」を11年かけて読んでみた。 読書の楽しみはこんな端っこのところにある。本を愛する全ての人に捧げる伊藤整賞受賞作の名作。
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