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仁左衛門恋し の商品レビュー

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2018/03/05

2002年刊行の当代片岡仁左衛門のインタビュー本、を2014年に文庫化したもの。 舞台の上の仁左衛門さん、かっこよくて大好きなんですが、この本での語り口からはまた、その人の好さがにじみ出ていて、なお素敵。 1960年ごろは上方歌舞伎の衰退期で、関西では興行がなく芝居ができなかった...

2002年刊行の当代片岡仁左衛門のインタビュー本、を2014年に文庫化したもの。 舞台の上の仁左衛門さん、かっこよくて大好きなんですが、この本での語り口からはまた、その人の好さがにじみ出ていて、なお素敵。 1960年ごろは上方歌舞伎の衰退期で、関西では興行がなく芝居ができなかったという。商売替えまで考えたけれども、やっぱりこりゃあかんということで、十三世仁左衛門(現仁左衛門のお父上)が自腹で借金をして「仁左衛門歌舞伎」を立ち上げたのが昭和37年(1962)のこと。このとき家族一丸となって苦労した末、少しずつ芝居も増え、東京の芝居にも出るようになり、やがて「片岡孝夫」として人気者になるわけですが、辛酸を忘れない謙虚さが好もしさの元なのかなあ。 また、玉三郎とのコンビで大人気を博した「孝・玉」時代の思い出話もなんというか…「男の友情」というには妙に美しすぎて、演出次第じゃそのままどこぞのBL作品の一場面だわよと思ってしまいました。これはひとえに玉三郎さんの妖しさゆえでしょうか…。 そんな仁左衛門&玉三郎の共演が、二月に引き続き三月も歌舞伎座で見られます。ありがたや。

Posted byブクログ

2015/05/26
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初読。自分の中には「相反するものが同居している」とおっしゃっていますが、私はやっぱり真面目なお方だなあ、と感じました。父、兄、息子、娘、妻、孫との、歌舞伎を抜きにしては語れないつながりの深さがしみじみと伝わり、何よりも歌舞伎に対する責任と情熱に感銘します。欲を言えば、柔らかな関西弁の語り口の映像付きで見たかったなあ。お元気でいつまでも舞台に立って、私たちに仁左衛門様の舞台を見るという幸福を与え続けててほしいと、切に切に願うだけです。「女殺油地獄」で千之助くんが演じる与兵衛との共演を楽しみに待っています。

Posted byブクログ