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ハリウッド・スターはなぜこの宗教にはまるのか の商品レビュー

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2017/09/21

遥か7500万年前、宇宙は邪悪な帝王ジヌーに支配されていた。 増え過ぎた人口を始末する為に、ジヌーは配下の精神科医を 使い、人々を薬で眠らせて冷凍した。そして、眠らせた人々を 輸送機で地球まで運び、火山に投げ捨てて水爆で爆破を行った。 出来の悪いSF小説ではない。カルト...

遥か7500万年前、宇宙は邪悪な帝王ジヌーに支配されていた。 増え過ぎた人口を始末する為に、ジヌーは配下の精神科医を 使い、人々を薬で眠らせて冷凍した。そして、眠らせた人々を 輸送機で地球まで運び、火山に投げ捨てて水爆で爆破を行った。 出来の悪いSF小説ではない。カルト宗教と言われるサイエントロジー の教義のひとつである。でも、このカルト宗教の創設者はSF作家で もあるL・ロン・ハバードなのだから、教義がSF小説のようなのは当然 なのかも。 トム・クルーズやジョン・トラボルタなど、映画スターをも信者に持つ サイエントロジー。実は私の好きな俳優のひとり、ジョヴァンニ・リビジ もそうなんだよな。 トラボルタなんてロン・ハバードの作品『バトルフィールド・アース』を 映画化して、糞味噌にけなされていた。観ちゃったんだよ、この映画。 バリー・ペッパーが出ていたからさ。本当に糞だった。 なんでこんな糞映画に出ちゃったんだろう、バリー。シクシク。 トム・クルーズの結婚や離婚にも大きな影響を及ぼしていると言われ るカルト宗教とはなんぞや?そうして、有名人たちはどうしてこの宗教 に感化されたのかを知りたかったのだが…。 この邦題だから私がそう思っても不思議ではないでしょう。でも、内容と 邦題はまったくの別物。はっきり言って邦題詐欺である。金、返せ。 内容はイギリスBBCの記者が、教会内で信者への暴力や虐待が行われ ていると噂されるサイエントロジーを取材した顛末記である。 脱退した元信者へのインタビュー、そして脱退者たちの言い分を批判す る教会側との攻防の連続なので、同じような話の繰り返しが多いのが 難点。 しかも、教会内で洗脳が行われているとの噂も多く囁かれているのに、 著者は取材前に洗脳についての教科書的存在であるロバート・フリトン の著作を読んでいない。 取材者としてダメでしょう、これ。カルト宗教ってどれも似たようなものだ と思うんだよね。脅し文句で信じさせて、家族を分断し、あれにもこれに も費用が掛かるといって有り金を巻き上げる。 そして、なる時、その宗教に疑問を抱き、離れて行った者をとことん追い 詰める。批判は一切、許さない。と、書いていてオウム真理教を思い出 した。 トム・クルーズやジョン・トラボルタのような有名人は一般の信者と違って 特別扱いされているんだろうが、やはり教会批判には一切耳を貸さない のだろうな。 それにしてもこの邦題はないわぁ。ハリウッド・スターがサイエントロジー に惹かれる理由、信者を辞めない理由なんてこれっぽちも書いてない。 亜紀書房の翻訳ノンフィクション・シリーズは興味深い作品が多くて好き なのだが、これは大失敗。校正も甘いし、「この翻訳、これであってるの かな?」と思う妙な文章も多かった。

Posted byブクログ