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2018/08/17

本書は、現代では封建的な制度と考えられている日本の「家」制度がどう捉えられてきたか、いま「家」を振り返ることにどのような意味があるかを、これまで取り組まれてきた日本の「家」をめぐる研究を整理しながら論じている。現代の感覚からすると必ずしも血縁に依拠しない家族とはどのようなものだっ...

本書は、現代では封建的な制度と考えられている日本の「家」制度がどう捉えられてきたか、いま「家」を振り返ることにどのような意味があるかを、これまで取り組まれてきた日本の「家」をめぐる研究を整理しながら論じている。現代の感覚からすると必ずしも血縁に依拠しない家族とはどのようなものだったのか、イメージすることは難しい。本書でも指摘されているが、血縁へのこだわりは「家」の時代よりも現代の方が強まっているといえる。様々な差別的権力関係を内包する「家」制度を今の時代に復活させることは現実的ではないが、私たちが忘れてしまった、非血縁者を含む家族的関係性の解明は、今日の家族に対しても何らかの示唆を与えてくれるのではないかと「家」研究の意義がよく伝わってきた。

Posted byブクログ