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寝るまえ5分のモンテーニュ 「エセー」入門 の商品レビュー

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2023/12/27

「エセー」を読みかけて挫折したことがあるが、ページ数ばかり多くてちっとも面白くないという印象しか残ってない。一見風変わりな気のきいた文章が随所に見られるものの、所詮は個人的な趣味趣向か平凡な常識論に過ぎない。こんなものがなぜパスカルから西田幾多郎に至るまで第一級の知性を魅了し続け...

「エセー」を読みかけて挫折したことがあるが、ページ数ばかり多くてちっとも面白くないという印象しか残ってない。一見風変わりな気のきいた文章が随所に見られるものの、所詮は個人的な趣味趣向か平凡な常識論に過ぎない。こんなものがなぜパスカルから西田幾多郎に至るまで第一級の知性を魅了し続けたのか・・・こうした疑問をお持ちの読者も多いはず。そんなあなたにこそ本書を奨めたい。「エセー」は決してつまらぬ本ではない。いやむしろ噛めば噛むほど味わいを増す渋い本である。本書を読み進めば、自己韜晦と見紛うスタイルからも意外に人間モンテーニュが透けて見える。およそ改革というものを全否定してみせるところなどは、単なる書斎の人でなかったモンテーニュの面目躍如たるものがある。最も美しいのは、本書でも最後に取り上げている最終章の「経験について」だ。 ここでのいかにも日本人好みの達観を読めば、徒然草や方丈記と比較されるのもうなづける。こうした尽きせぬ魅力にもかかわらず、一見どうでもよいおしゃべりがいささか多いせいか、評者のような怠惰な読者は読了する気力がなかなかわいてこない。それではいかにももったいない。本書は一度挫折した読者にはもう一度「エセー」に向かう勇気を与えてくれるだろうし、原著のボリュームにたじろいでいる読者には「寝る前5分」で手っ取り早くその勘所を伝授してくれる。そんな得難い入門書だ。

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2023/07/22

「寝る前5分のパスカル」が面白かったのでこちらも。歴史上の賢人が残した名作はそのままでは歯がたたないので(私の歯と顎が弱い、ていうか歯があるかどうかも怪しい)現代の賢い人がいいところを選りすぐって一口サイズに切り分け、さらに咀嚼してくれたもの。名作を「たとえ少しでも読んだ気」にさ...

「寝る前5分のパスカル」が面白かったのでこちらも。歴史上の賢人が残した名作はそのままでは歯がたたないので(私の歯と顎が弱い、ていうか歯があるかどうかも怪しい)現代の賢い人がいいところを選りすぐって一口サイズに切り分け、さらに咀嚼してくれたもの。名作を「たとえ少しでも読んだ気」にさせてくれるお得本。 ありがとう賢い人たち。私のような歯無しに食べる機会を与えてくれて。

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2022/09/22

白水社 「 寝るまえ5分の モンテーニュ 」 テーマを40に絞り、わかりやすく解説した「エセー」入門書。テーマが絞られた分、エセーの面白さが凝縮されている。名著は これくらいのボリューム感が丁度いい 中公クラシック版「エセー」では印象に残らなかった 2巻12章「レーモン...

白水社 「 寝るまえ5分の モンテーニュ 」 テーマを40に絞り、わかりやすく解説した「エセー」入門書。テーマが絞られた分、エセーの面白さが凝縮されている。名著は これくらいのボリューム感が丁度いい 中公クラシック版「エセー」では印象に残らなかった 2巻12章「レーモンスボンの弁護」が 繰り返し考察されている。人によって目付けが違うのも 古典文学の奥深さだと思う 名言「他者との交流が、自己を見つめるための方法となる〜他人の本を読み、引用するのは、自分をよりよく知るためなのだ〜そしてまた、自己に向き合うことは、他者を知る方策ともなる」 名言「われわれはみな仮面をかぶった俳優にすぎないのだから、役柄を人格と取り違えてはならない〜演技を本来の自分と混同してはならない」

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2022/05/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

哲学には詳しくないけれど、タイトルに惹かれて読んでみた。全部で40の引用が登場するが、1つ1つが短いし、解説もわかりやすく、気軽に読めた。 また、モンテーニュのシニカルな性格や辛口な物言いが面白かった。1500年代と現代の世界観の違いに触れられたのも興味深かった。 最後の章が特に好きだ。 「われわれは、自分自身のありようをいかに使いこなすのかわからないから、他の存在を探し求めるのだし、自分の内側を知らないために、自分の外側に出ようとする。でも、そうした竹馬に乗ってもどうにもならない。竹馬に乗ったとて、どっちみち自分の足で歩かなければいけないではないか。」 「『エセー』最後の言葉は、与えられたままの生を、それがいかなるものであっても、そのまま受け入れることを説いている。」

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2021/10/16

https://www.hakusuisha.co.jp/book/b203908.html https://www.amazon.co.uk/ete-avec-Montaigne-Antoine-Compagnon/dp/2849902446/ https://www.ama...

https://www.hakusuisha.co.jp/book/b203908.html https://www.amazon.co.uk/ete-avec-Montaigne-Antoine-Compagnon/dp/2849902446/ https://www.amazon.co.uk/Summer-Montaigne-Antoine-Compagnon/dp/178770162X/ https://www.franceinter.fr/emissions/un-ete-avec-montaigne

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2019/06/30

「エセー」の入門書。オリジナルはフランスのラジオ番組だったそうで、5分番組40回分を出版したところ大ベストセラーになったらしい。フランスも日本と同じで出版不況であり、ましてや思想関係の本なんて見向きもされない。けど需要はあることが証明されたのではないかと著書は語っている。 日本な...

「エセー」の入門書。オリジナルはフランスのラジオ番組だったそうで、5分番組40回分を出版したところ大ベストセラーになったらしい。フランスも日本と同じで出版不況であり、ましてや思想関係の本なんて見向きもされない。けど需要はあることが証明されたのではないかと著書は語っている。 日本なら本居宣長か賀茂真淵ってところかな。本物なら企画次第でベストセラーも夢じゃないってことか。うーん。

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2017/09/03

「エセー」がどんな書物であるか、のイメージがつかめたような気がする。モンテーニュは、それなりに思慮深い良識的な「保守」思想家と言えるだろう。自分も含めた現実に対する諦念を心の底に据えながら、何事についても極端に走ることを戒めている。

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