宗主権の世界史 東西アジアの近代と翻訳概念 の商品レビュー
「宗主権(suzerainty)」という西洋由来の概念をキーワードとして、国家やその相互関係にまつわる西洋製の概念そのものの形成過程を歴史研究の対象とすることで、世界史(東西アジアと西洋の関係史)を描きなおしてみようという試み。普遍性の重層体であった「帝国」(オスマン、清朝)が、...
「宗主権(suzerainty)」という西洋由来の概念をキーワードとして、国家やその相互関係にまつわる西洋製の概念そのものの形成過程を歴史研究の対象とすることで、世界史(東西アジアと西洋の関係史)を描きなおしてみようという試み。普遍性の重層体であった「帝国」(オスマン、清朝)が、西洋との邂逅で国民国家体制に組み込まれていく過程をめぐる様々な論点が取り上げられている。 かなり難しい内容で完全に理解できたとは言い難いが、「宗主権」などの概念そのものを当然のものとして受け入れるのではなく、そのものの形成過程まで掘り返して徹底的に考えようという本書を貫く姿勢に感銘を覚えた。
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