ムーミン谷の十一月 新装版 の商品レビュー
ムーミンシリーズ最終巻。しかしムーミン一家が出て来ないという。ムーミン一家を訪ねてきた6人の奇妙な共同生活が描かれています。偏屈だったり夢想家だったり神経質だったり、てんでバラバラでアクの強い人物たちが集まる物語。普通なら段々理解し合ったり仲良くなったりという展開なのでしょうが、...
ムーミンシリーズ最終巻。しかしムーミン一家が出て来ないという。ムーミン一家を訪ねてきた6人の奇妙な共同生活が描かれています。偏屈だったり夢想家だったり神経質だったり、てんでバラバラでアクの強い人物たちが集まる物語。普通なら段々理解し合ったり仲良くなったりという展開なのでしょうが、そこはムーミンシリーズ、そうは問屋が卸しません。私は私、あなたはあなたと好き放題。それでもお互い相手のことは認めている心地好い距離感がそこにあります。そして登場しないのに存在感たっぷりのムーミン一家。なるほどこれはシリーズ終焉を飾るのにふさわしい物語なのかも。 個人的にはフィリフヨンカが自分を取り戻していく様(僕にはそのように思えました)が印象的でした。ミムラねえさんのマイペースっぷりも素敵ですが。
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ムーミン一家が全然出て来ないお話。 強力な自己肯定のなかに激しいコンプレックスを感じるムーミンパパが出て来ない分、とても読みやすかったです。 ムーミン一家に会いたくて、ちょっと変わった生きものたちが勝手にムーミン屋敷にやってきます。 年寄りと子どもはワガママだから、当然衝突をしたりもするんだけど、ミムラ姉さんとスナフキンのキャラで救われるって感じのお話でした。 正直言ってムーミン・シリーズってちょっと小説としては話が破綻しているようなところがあるんだけど、絵で救われているし、たまに「むむっ!」って感じさせられるようなことばがあるから良いんだろうね。 ミムラ姉さんの個人主義で「楽しく生きてなんぼ!」ってキャラは、こういうマイナスの感情が多い変人たちのなかではかなり光るなぁ♪
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スクルッタおじさんが、鏡に映った自分の姿をご先祖様と思いこんで、返事をしないものだから杖で衝いたら鏡が割れてしまうという件が、ものすごく深遠な世界を描いていて、印象深い。これは子供の頃に読んでもあまり理解できなかったかもしれない。
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