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老いの道づれ の商品レビュー

3.7

7件のお客様レビュー

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2023/09/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

明治生まれ、戦争を経験したのち駆け落ちしたお二人なので、激動も激動の人生です。大橋さんの会社の設立絡みでトラブルになって、沢村さんが暴力団の事務所を訪ねて煙管片手の女親分さんに直訴するシーンはまんま映画でした(すごすぎる)。そんなお二人なので、引退後に越した湘南のマンションで晩年を穏やかに過ごされた、というのは全く無関係の私にもうれしいことでした。 二人交代で五十年史を書くという約束は果たされなかったわけですが、大橋さんの遺構に続けて沢村さんが書き、最後に再び大橋さんの「別れの言葉」で綴じる構成がとてもよかった。これは沢村さんでなくても泣いてしまう。 ―思いがけず、あなたのほうが先になったけれど、私も間もなく、大喜利の幕がしまるでしょう。そうしたら、すぐ、骨にしてもらって……床の間の、あなたの骨といっしょにして、細かく砕いて、相模灘に流してもらうように―――(中略)手つづきいっさいすませてありますから、安心していてくださいね。(187P)

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2022/01/29

岩波書店から1995年に発行された本をよみました。 若かった時代の事を書いた「貝のうた」を読んでからこちらの本を読んだので、前作とは違い穏やかな気持ちで読めました。 穏やかと言っても連れ合いとなられた'殿'は家庭があったのですね。そして沢村さんにも若かった時に...

岩波書店から1995年に発行された本をよみました。 若かった時代の事を書いた「貝のうた」を読んでからこちらの本を読んだので、前作とは違い穏やかな気持ちで読めました。 穏やかと言っても連れ合いとなられた'殿'は家庭があったのですね。そして沢村さんにも若かった時に半強制的に結婚した相方が。 明治男と明治女、壮大なるラブレターを読ませて頂きました。 巻頭の写真が素敵です。

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2020/11/28

職場の同僚よりのお薦め本。役柄も凛とした役の多い女優さんでした。家庭を大事にするがために撮影が終われば飛んで帰る人。何故かといえば旦那様のご飯を作るため。生活のために女優を生業とされますがすべては旦那様との生活を大切にしているから。旦那様との思い出のエッセイで晩年、旦那様と思い出...

職場の同僚よりのお薦め本。役柄も凛とした役の多い女優さんでした。家庭を大事にするがために撮影が終われば飛んで帰る人。何故かといえば旦那様のご飯を作るため。生活のために女優を生業とされますがすべては旦那様との生活を大切にしているから。旦那様との思い出のエッセイで晩年、旦那様と思い出を代わりばんこに綴ろうと約束し一つ目の文を書いて逝ってしまった後、著者が思い出を一人紡いでいく。生き方がそのまま表れている凛とした文章でした。それだけに読み終えた読後感が切ないです。

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2020/09/10

強い男にやさしい女、東男に京女とは、よく聞く言葉ですが、実際はどうなんでしょう(^-^) 沢村貞子(1908~1996)著「老いの道づれ 二人で歩いた五十年」、2014.11発行。沢村貞子、大橋恭彦、明治もの同士。誇り高い京男(妻に立てられるのが好き)と尽くし型の東女(夫を立てる...

強い男にやさしい女、東男に京女とは、よく聞く言葉ですが、実際はどうなんでしょう(^-^) 沢村貞子(1908~1996)著「老いの道づれ 二人で歩いた五十年」、2014.11発行。沢村貞子、大橋恭彦、明治もの同士。誇り高い京男(妻に立てられるのが好き)と尽くし型の東女(夫を立てるのが好き)だそうです(^-^) 永い道づれの旅、楽しかったことと思います!

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2020/03/15

夫のために尽くし、女性が仕事も制限するということは、今の時代にあわないのかもしれないけれど、お二人にとってそれが幸せだったのであれば、それでいいよなあと思えました。

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2017/12/19

トットちゃんで観たとおりのお二人だった。沢村さんは本当にご主人を愛してらしたんだなと思える文章で微笑ましい。

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2014/12/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ご主人と歩んだ50年を振り返る自伝&ラブレター 沢村さんの著作は既読のものが結構あると自負していたが、お二人の馴れ初めや、「映画芸術」をスタートしそれが従業員により乗っ取られてしまうまでの経緯など、初めて目にして驚く部分があった。 NGを出さず、台詞も全部覚え、お弁当片手にあちこちの撮影所をせっせと移動し自らを厳しく律しながら数々の名演技を残した有名女優の仕事のモチベーションは、「夫が待つ家に早く帰りたいから。」というものだった。 自宅に戻ったご主人の亡骸に触れて初めて大声で泣いたという冒頭の部分と、死後偶然見つけた「別れの言葉」が綴られた原稿用紙。 お互い、どちらが欠けても生きてはいけない、いわば己の半身であるという深い深い思いが文面に溢れていて、こちらも涙が込み上げた。

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