ダンテの遺言 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
後半が駆け足なのが残念。それに、舞台こそボローニャから動かないものの…。 ダンテのボローニャ大学留学時代 ↓ モランディのアルキジンナジオ宮修復時代 ↓ ロダンとキノ・オルタの交流時代 ↓ 主人公とオルタ教授の現代 の四つの時代を軸に、コペルニクスやらミケランジェロやらガリレオやらイタリア統一やら…の世界史的事物がポンポン差し込まれてて、一気読みでないと追っかけるのが結構大変な複雑さだと思う。少なくてもアチキにはタフだったわー。
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谷川悠里、2014年発表の小説。 イタリア中部の大学都市ボローニャを舞台にした作品。日本からの留学生節子が、行方をくらました教授を捜すうちにダンテの「神曲」を廻る秘密に関わることになるお話し。 歴史ミステリーあるいは書誌学ミステリー風の作品だろうか、と思いつつ読み始めたのですが...
谷川悠里、2014年発表の小説。 イタリア中部の大学都市ボローニャを舞台にした作品。日本からの留学生節子が、行方をくらました教授を捜すうちにダンテの「神曲」を廻る秘密に関わることになるお話し。 歴史ミステリーあるいは書誌学ミステリー風の作品だろうか、と思いつつ読み始めたのですが、そうではありませんでした。ダンテの「神曲」を核にして、ガリレオやロダン等々の登場する歴史ドラマを随所に挟みながら、宗教裁判や禁書にまつわる歴史を語る物語り。 かなり物足りない感もありますが、読み応えのある良い作品です。
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16世紀の場面と現代が交互に語られる。 主人公は香田節子25歳 イタリアはボローニャにある大学の美術学科に通っているが、大学生活も佳境を迎え、残すは卒業試験ぐらい。 小論文の単位を受理してもらおうと大学に来ていたのだが、担当であるアンジェロオルタ教授がまてどもまてども来ない。失踪...
16世紀の場面と現代が交互に語られる。 主人公は香田節子25歳 イタリアはボローニャにある大学の美術学科に通っているが、大学生活も佳境を迎え、残すは卒業試験ぐらい。 小論文の単位を受理してもらおうと大学に来ていたのだが、担当であるアンジェロオルタ教授がまてどもまてども来ない。失踪ではなどと囁く者もいた。 学校側の帰りに教授の自宅に寄ると、妻のサラでさえ居場所がわからないと言うが心配する気配はない。 アンジェロがいなくなってから一週間後くらいに届いたという一通の封筒を渡され開けてみると、中にはオルタ教授の自宅にある文書庫の書架番号が記された紙。 その本の中には古いボローニャ方言と思われる言語で書かれた書簡が2枚あり、節子は解読を依頼されるが、よくわからない。サラに紹介され、図書館に勤めているというオルタ教授の助手カシワタカシを訪ね、再度教授の自宅に伺う。ロダンの彫刻を見せてもらうと、埋もれていたのはなんとロダンによる未知の傑作だった。 どうもその作品はダンテの「地獄の門」に関するものらしく、謎が深まる。カシワ曰わく、教授がダンテに関して調査しているらしく、節子を心当たりのある場所へ案内するという。 読み終わってすぐに「ダンテの『神曲』を読んでみよう!」そう思った。というより、「読んでみよう!」と思わせてくれる力がこの小説にあると思う。ダンテはもちろん、『神曲』とロダンの関係のことも知らなかったが、本書は僕のようなビギナーにもわかりやすく説明してくれている。展開としてはミステリー、謎解きもので、スイスイと読み進められるかと思う。ただ、最後は(ハッピーエンディングなのだけれど)少し書き急いだかなという気がするし、余韻を残すような終わり方であればなあと感じた。ただ、デビュー作でこの完成度はこれからが楽しみな作家さんだし(大体デビュー作というものは大したクオリティではないという偏見があるが、もちろん必ずしもそれは正しくないということも知っている)、次回作も歴史ものを書いているということなので、期待したい。 http://shukan.bunshun.jp/articles/-/4729
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キリスト教の歴史等、世界史の知識があった方がよりよいですが、なくても十分楽しめます。 なかなか知的興味を刺激するテーマでした。 だけど、最後はちょっと唐突かつ尻切れとんぼな印象を否めませんでした。 あと、文章の癖からか、テーマは面白いのに、読み出したらページをめくる手が止まら...
キリスト教の歴史等、世界史の知識があった方がよりよいですが、なくても十分楽しめます。 なかなか知的興味を刺激するテーマでした。 だけど、最後はちょっと唐突かつ尻切れとんぼな印象を否めませんでした。 あと、文章の癖からか、テーマは面白いのに、読み出したらページをめくる手が止まらないとまではいきませんでした。 せっかく面白い物語なので、文庫化されるときに、最後を膨らませて、伏線も全部回収したら、もっとスリリングな物語になるだろうと思います。 著者の今後に期待します。
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