復興の書店 の商品レビュー
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・多くの人にとっては意味のない一冊の本でも、ある人にとっては宝石のように大きな価値を持つ。石巻のような地方の町では尚更、本はそのような存在だった。 ・たとえ読むことはなくても、本棚を見ればいつもそこにあった愛着のある本だったのかもしれない。 ・本は私たちに力を与え続けてくれています。目に見えて役に立つ、即効性と実用性の高いものだけではありません。心にそっと明かりを灯し、静かに寄り添い、ぎゅっと手を握り背中を押してくれる、そんな本とじっくり長くつきあっていくのもいいですよね。 本も店も流された人達が復興していく話。 本には不思議な力があるなとつくづく思い知らされた。これからも本屋さんを大切にしたい。 本の力、言葉の力は素晴らしい。
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これは「本屋の話であるけれど、本屋だけの話ではない」「被災地の話であるけれど、被災地だけの話ではない」と感じます。 「自分が、何故そこに居るのか?」を本屋や被災地を通して問いかけてくれるお話し。 未曾有の災害を被ったとき、最初に必要なのは確かに衣食住のインフラを再構築することでし...
これは「本屋の話であるけれど、本屋だけの話ではない」「被災地の話であるけれど、被災地だけの話ではない」と感じます。 「自分が、何故そこに居るのか?」を本屋や被災地を通して問いかけてくれるお話し。 未曾有の災害を被ったとき、最初に必要なのは確かに衣食住のインフラを再構築することでしょう。 でも、人はそれで生きていける訳ではない。 本書で印象的だった言葉は「親たちは、子供達の笑顔を必要としている」 そう、人が生きる勇気を、前を向く希望を感じるのは、そんな「心を満たされる瞬間を得るため」だと、本書は語り掛けてくれます。 そして自分と重ね合わせ、自分が満たされるモノは何だろう。自分が必要としている事はなんだろう。 と気づくことができるのだと思います。 本好きの方にはもちろんですが、「生きる勇気」を与えてくれる素敵な本だと思います。
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被災してほんの少ししか経たない間に、人々は本を必要と感じるとは意外でした。 しかし「たった一人の世界に入って心を充電するためのツール」として本を求めたのではないかという文を読んで、そうか、なるほどと思いました。 本が心を充電するためのツールだというのは、平時の自分にも当てはま...
被災してほんの少ししか経たない間に、人々は本を必要と感じるとは意外でした。 しかし「たった一人の世界に入って心を充電するためのツール」として本を求めたのではないかという文を読んで、そうか、なるほどと思いました。 本が心を充電するためのツールだというのは、平時の自分にも当てはまることではないか。本の役割の重要性を身に染みて感じました。
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p.68 いまはまだ混乱し、様々な感情を咀嚼しきれずにいる… …いま一人称で考えていること、感じていることを全て真っすぐに書いてほしい p.139 がんばんなきゃいけない、つながらなきゃいけない、みんなのために、っていうことが当たり前みたいになって、自分のため、自分だけのための時間を作ることがとても難しかったから。 p.170 本屋の棚というのは、こうやって耕すんですよ 田んぼと同じで、棚は触れば触るほど生きてくる。 災害という非日常の中で本に求められるものとは。 書店員さんの奮闘、葛藤が語られます。読んでいるうちに胸が熱くなりました。 コロナ禍となった今はどんな様子になっているんでしょうか。 とある書店員さんの笑顔の写真にほっこりしました。
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2011年東日本大震災後の東北の書店の復興を書いた本。本は「生活必需品」であり「心を充電するためのツール」であり、書店は「町のインフラ」であると、、震災の中を、書店とその関係者からの視点で書かれているのを読んで、本当にそうだなと思った。
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書店で働きたいと思った最初の日のこと思い出した。 日々のルーティンに追われて大切なことをわすれていたことに気づかせてくれた。 書店員には是非読んでほしい一冊
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本(書籍、紙、文字)の持つあたたかみを心底感じた作品、ルポルタージュ、ノンフィクションです。東日本大震災で被災した沢山の書店、苦難を乗り越えて営業を再開、開店前から長蛇の列、あらゆる種類の本が買い求められたそうです。街の書店が持っているある種の安らぎ、本自体が醸し出す癒し。本は、...
本(書籍、紙、文字)の持つあたたかみを心底感じた作品、ルポルタージュ、ノンフィクションです。東日本大震災で被災した沢山の書店、苦難を乗り越えて営業を再開、開店前から長蛇の列、あらゆる種類の本が買い求められたそうです。街の書店が持っているある種の安らぎ、本自体が醸し出す癒し。本は、私たちにとって趣味の世界であると同時に、趣味を超えた衣食住と同レベルのものと、そんな気持ちを抱きました。本に囲まれた暮らし、本当に幸せなことですね!稲泉連 著「復興の書店」、2014.11発行(文庫)。
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単行本も読んだのだけれどそれからの日々も読みたくて再読。 そういえば、大槌の一頁堂同様、ヤマト屋書店中里店も入口近くに震災関連本の棚がある。地元の役割なのですね。
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本や本屋がいらない、ネットで買えるという人もいるかもしれない。それでも私は本や本屋のない世界には生きていけない。漫画でも小説でも人が紡いできた言葉と心の中でひとり対話する時間が愛おしい。 東日本大震災で本を求めた人達も販売に携わる人達も苦しい中で本の持つチカラに支えられている。本...
本や本屋がいらない、ネットで買えるという人もいるかもしれない。それでも私は本や本屋のない世界には生きていけない。漫画でも小説でも人が紡いできた言葉と心の中でひとり対話する時間が愛おしい。 東日本大震災で本を求めた人達も販売に携わる人達も苦しい中で本の持つチカラに支えられている。本通して、震災が奪っていった日常を丁寧に描き、その中で困難な中でほんの束の間、本で休息を得た人たちを知ることができてよかった。
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いまや本はネットで買える。電子書籍という選択肢もできた。なのに我々はなぜ本屋さんへ行きたくなるのだろう?そんな素朴で究極の疑問への答えが詰まっている。震災後、それぞれの想いを胸に各地で書店が再開。そのとき書店は被災者のコミュニティの場となり、希望の基点ともなった。災害のあとには奇...
いまや本はネットで買える。電子書籍という選択肢もできた。なのに我々はなぜ本屋さんへ行きたくなるのだろう?そんな素朴で究極の疑問への答えが詰まっている。震災後、それぞれの想いを胸に各地で書店が再開。そのとき書店は被災者のコミュニティの場となり、希望の基点ともなった。災害のあとには奇妙な共同体が生まれるとよく言われるが、それとは違う。なぜなら、街の本屋さんは懐かしき場所であり、活気の象徴でもあるからだ。普段、何気についで寄りしているつもりでも、実は自分の中で心の拠り所にしているのかもしれない。
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