偽装された自画像 の商品レビュー
面白い。私のような初心者には、 ちょっとかじったくらいの初心者には あらためて絵画って面白いなー、と 思わせてくれた本。 絵画の中でも自画像は謎が多くて面白い。 この本の中でも書かれているとおり、 やっぱり解説を読んで観たほうがいい、 観ないともったいないよな、と思いました。
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※このレビューにはネタバレを含みます
自画像を主題として時代背景など踏まえ各アーティストの作品等を紹介していく本。 「偽装された自画像」というタイトルを見て、色々事情が合って変更させられてしまった自画像の話を集めたのかと思ったけどそうではなかった。 美術界で「偽装」という言葉は悪い意味ではないらしい。後書きで作者は ”本書でも、この偽装という言葉を、本来この語が持っている否定的なニュアンスを含まずに、(略)つまり絵画に施された誇張や歪曲、演出など、画家のたくらみ全般を指している” と書いていて、本書はその通り、どういう意図で作者が自画像を描いたのか、または依頼された作品の中に自画像を紛れ込ませたのか、など分かりやすく解説されている。 タイトルで想像した内容と違ったものの面白かったけれど、後書きを読まないとタイトルの意図が分からないのは、それこそ「偽装」されているからか?
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美術史家アーウィン・パノフスキーは、初期ネーデルランド絵画の特徴のひとつを「偽装された象徴主義」と表現し、中世の作家たちの直接的な表現に対して、自然な描写に見えるものの中に意味が隠されていると言う。この本は、一見写実的なはずだと思われる自画像こそ偽装されたものだということを、ボッ...
美術史家アーウィン・パノフスキーは、初期ネーデルランド絵画の特徴のひとつを「偽装された象徴主義」と表現し、中世の作家たちの直接的な表現に対して、自然な描写に見えるものの中に意味が隠されていると言う。この本は、一見写実的なはずだと思われる自画像こそ偽装されたものだということを、ボッティチェルリからフリーダ・カーロまでの20人の自画像で示しているのだ。画家個人の事情とともに、時代背景までも分かりやすく説明している。美術史の流れも分かる。実に知的に面白い本だ。一番恐ろしい自画像は、ヴィクトル・ブローネルのものか、いやレオン・スピリアルトのものか。
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美術館巡りが好きなのにこういう本を読んでみたことなかったので初めてチャレンジしてみた。 文は単調だったが絵の解説としては面白かった。 次に美術館に行くのが楽しみになった。
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元々が新聞の記事だったからか、わかりやすいけどちょっと硬い印象。 画家のバックグラウンドを読みながら自画像を見ることができてよかったり
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有名な画家もたくさん。 ミケランジェロ最後の審判の聖バルトロメオの皮が自画像なのは知ってた。 バルトロメオ本人は禿頭なのに皮はふさふさ。 本人はひげがあるけど皮にはない。 皮の顔が伝えられるミケランジェロの顔と似ている。 皮の顔と似ているって、どんな伝えられ方?
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西洋絵画においてひとつのジャンルとして確立されているのが「自画像」だ。 ある画家は自身の変遷を記録するかのように何枚も書いている。 しかし、展覧会に行くと、どうも日本人にはピンとこないのか、ちらとみて立ち去る人が多い。 かくいう私もよっぽど好きな画家、好きなタッチでない限り、ずっ...
西洋絵画においてひとつのジャンルとして確立されているのが「自画像」だ。 ある画家は自身の変遷を記録するかのように何枚も書いている。 しかし、展覧会に行くと、どうも日本人にはピンとこないのか、ちらとみて立ち去る人が多い。 かくいう私もよっぽど好きな画家、好きなタッチでない限り、ずっと立って眺めることはない。 しかし、本書を通して少しものの見方が変わった。 時代背景や心情が巧みに隠された自画像。 絵画を鑑賞する上で欠かせない、そしてとても興味深いジャンルだということにやっと気づいたのだ。 まずはボッティチェルリ、「東方三博士の礼拝」から。 端に描かれている画家の顔、メディチ家の人々の面々に注目したい。 なぜ依頼者はメディチ家ではないのに、メディチ家の人々を描かせたのか? そこに隠れる画家の思いは、今でいう「ドヤ顔」の中に隠されている。 自己演出、自己アピールのうまさも画家の力量のひとつだと思わせる。 フリーダ・カーロの「ひび割れた背骨」。 彼女が泣いている原因は、痛みよりもむしろ別のところにあるのだろう。 「ちょっとした刺し傷」にあるように、彼女を痛めつけていたのは彼女の夫だった。 それがたとえ、彼女の絵画を名画たらしめていたとしても、彼女は自分と向き合ってくれることを最後まで望んでいたのではないか。 ルブランやゴッホ、ピカソ、ベラスケス....... 名画を鑑賞する楽しみは尽きない。 初めてこんな顔だったのかと知る画家もいる。 そして、画家の人生に、当時に思いを馳せる。 偽装された中にある自尊心や憧れを感じることで、私たちは画家の人間味を感じられる。 さりげない抗議であったり、信念に画家の強さやユーモアを感じることもある。 そう、自画像はただの記録や鏡ではなく、物語なのだ。
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ルネッサンスから現代まで4つに区切った時代の選ばれた5人の自画像、全20人。参考の絵も掲載されていて、問題の箇所もわかりやすく、とても楽しく読めた。
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思ったより難しく感じないのは、元々が新聞のコラムだったからか。 それでも、本にするにあたり、より丁寧な解説を加えた、とあとがきには書いてある。 内容はというと、画家の自画像をとりあげ、描いた時の画家の状況や意図などを他の美術史家の意見を解説し、著者の意見も披露するという形で2...
思ったより難しく感じないのは、元々が新聞のコラムだったからか。 それでも、本にするにあたり、より丁寧な解説を加えた、とあとがきには書いてある。 内容はというと、画家の自画像をとりあげ、描いた時の画家の状況や意図などを他の美術史家の意見を解説し、著者の意見も披露するという形で20作品を並べている。 中には、いわゆるポートレートではなく、普通の作品中に画家本人が書き込まれているものもあり、それらの方が宝探し的な楽しさがある。 気に入ったのは、ヴィジェ・ルブランの麦わら帽子を被った自画像。 理由は秘密。
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