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田舎でロックンロール の商品レビュー

3.6

35件のお客様レビュー

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2014/12/14

オクダ少年のロックな日々!?私は疎くてほぼ知らない世界なのですが、それでも十分に楽しめました♪ ちなみにツレは、ほとんど知っているようでしたね~w 聴いてみたいアルバムもあったので、ツレの膨大な・・・というより整理されていないコレクションのなかから発掘してもらわないとww

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2014/12/11

奥田さんのロックンロールにかけた中学・高校時代のエッセイ。 同郷同世代の私には頗るよく分かる時代背景。 そうそうそうだった!の共感の連続。 ただオクダ少年ほどロックに興味はなくちょっと残念。 奥田さんのロック心酔度は半端なく、今でもあの時代のロックを熱く語れるのだろう。

Posted byブクログ

2014/12/05

久しぶりの奥田エッセイ。期待通りに、いやそれ以上に面白かったー。好きだなあ。 著者がロックおじさんであることは知っていたが、その始まりとなる中学から高校までのゴールデンエイジのことが語られている。同い年である私には、ああそれよくわかる!というエピソード満載。①田舎育ちの②50代...

久しぶりの奥田エッセイ。期待通りに、いやそれ以上に面白かったー。好きだなあ。 著者がロックおじさんであることは知っていたが、その始まりとなる中学から高校までのゴールデンエイジのことが語られている。同い年である私には、ああそれよくわかる!というエピソード満載。①田舎育ちの②50代で③多少なりとも「洋楽」に興味のあった人は、心から楽しんで読めるはず。ディープパープルやツェッペリンに魂を奪われた人なら、悶絶ものでは? これに当てはまらなくても、一風変わった青春記として十分読む値打ちがある一冊だと思う。 レコードを買おうにもお金はなく、町にレコード店と呼べるほどのものもなく、そもそも家にステレオもない。そんな中学生がロックに目覚め、ラジオにかじりついて好きな曲を何とか聴こうとする。念願のステレオを買ってもらったときの天にも昇る心地、高校生になり初めて行ったライブのめくるめく興奮、やっとの思いで買ったレコードがスカだった時の激しい落胆。いやいやまったく、ロックに限らず、昭和の(田舎の)子供は好きなものが容易には手に入らなかったものよ。情報もすごく限られてた。オクダ少年の喜怒哀楽はまことにうなずける。 私自身はロックにさほど興味がなくて、「洋楽」との出会いはカーペンターズやミッシェル・ポルナレフ、その後ビートルズ、流行ったのはそれなりに聴いたけど「ホテル・カリフォルニア」止まりであった。奥田氏の当時から今に至るロックへの「愛」と傾倒ぶりに感嘆しつつ、そういうマニアになる人とならない人との違いを指摘した次のくだりに、かなり納得した。 「わたしの印象では、洋楽ファンの枝分かれは、このインプロビゼイションに反応できるかどうかだったような気がする。延々と続くギターソロやドラムソロを退屈に感じる少年少女も当然いるわけで、そういう子たちは演奏よりも曲が好きだったのだと思う」 マニアではない身にとっては、当然ほとんど知らないミュージシャンの名が次々登場することになるが、絶賛したりクサしたりするその評がとても面白いのだ。知らないのにねえ。各章の終わりについているレコード評も、字が小さいのにみっちり楽しんだ。やっぱり愛があるからかなあ。難解とされるライ・クーダーについて「世の中にはこういう高等遊民がいないとそれは味気ないもので」と述べているところなんか妙に心に残った。 奥田英朗といえば、偏屈で鳴らしているわけで、ここでもそれは遺憾なく発揮されている。 プロフェッショナルな熟練の技を尊敬するゆえ、パンクも社会派も大嫌い。アイドルにも同じ理由で無関心。 「学芸会レベルの歌と踊りに夢中になる心理がまるで理解できない。あんなものがクール・ジャパンとは国辱もの」「日本人は永遠にコドモですな。ははは」 音楽性と商業的成功との兼ね合いについて書かれたところも面白い。 「さり気なく問題発言をするが、売れるというのは馬鹿まで相手にするということである。スタジアムでライヴをやるようなミュージシャンは、それを引き受ける図太さ(あるいは強烈な自己顕示欲)がなくてはならない」「(売れるというのは)聴き手のリテラシーを不要にするということなんですね」 これって音楽に限らないわけで、奥田さん自身、作家としての自分のポジションについて、ロックシーンにおけるスティーリー・ダン(えーっと、よく知らないですが)が憧れだと書いている。 「一年に一作ぐらいのペースで本を出し、それなりに売れて、評価もされ、長く愛してくれるファンがいて、裏切らない。ああ、そんな作家でいられたら--。わたしはずいぶん虫のいいこと書いてるなあ。ははは」 まったくだ。ははは。 それにしても、こういうものを書いて、同世代にしか通じない懐かし話にならないのはさすがである。その上で、同い年としてはやっぱり、つまらん小ネタに喜んじゃうのである。わたしも放課後の教室でコックリさんをしてキャーキャー言ってた中学生だったし、石橋正次の「夜明けの停車場」を今でも歌えるよ、奥田さん!

Posted byブクログ

2014/11/24

自我が確立されゆく思春期にロックにハマり、 親や教師の干渉から逃れロックにのめり込んで行く、 片田舎に住む奥田少年の、輝かしい青春時代が描かれている。 わかる、わかるなぁ。みんな経験するよね。 この時期特有の、過剰な自意識が作り出すこっぱずかしさや、 こまっしゃくれた感じを思い出...

自我が確立されゆく思春期にロックにハマり、 親や教師の干渉から逃れロックにのめり込んで行く、 片田舎に住む奥田少年の、輝かしい青春時代が描かれている。 わかる、わかるなぁ。みんな経験するよね。 この時期特有の、過剰な自意識が作り出すこっぱずかしさや、 こまっしゃくれた感じを思い出し、身悶えするほど懐かしいのである。 (音楽に限らず)あの頃心を揺さぶられたものが、 今の自分の根っこを作っているような気がする。 他の作品を読み、作者に対し、ひょうひょうと生きる自由人というイメージを持っていたが、 当らずとも遠からずかな? そのアイデンティティーの根っこは、こんなふうに形成されたんだなぁ。

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2014/11/17

 本作は、奥田英朗さんによる洋楽エッセイ集である。田舎の中学生・オクダ少年が、少ないお小遣いと環境にめげず、いかにロックに夢中になったか?  オクダ少年と同様に、洋楽に夢中になった少年時代を送った読者には、気持ちがよくわかるし、懐かしさが込み上げるだろう。僕が最初に友人からテー...

 本作は、奥田英朗さんによる洋楽エッセイ集である。田舎の中学生・オクダ少年が、少ないお小遣いと環境にめげず、いかにロックに夢中になったか?  オクダ少年と同様に、洋楽に夢中になった少年時代を送った読者には、気持ちがよくわかるし、懐かしさが込み上げるだろう。僕が最初に友人からテープにダビングしてもらったアルバムは、マドンナの「Like a Virgin」だったと記憶している。それから一気に洋楽にのめり込み、毎週の全米チャートのチェックを欠かさなくなった。  各編のタイトルは有名アルバムから取られているが、その1作を掘り下げるのではなく、オクダ少年が情報収集に苦労したり、名演に狂喜乱舞したりする様子が雑多に描かれている。うん、そうだよなあ。中学のとき、洋楽好きの友人はクラスに2、3人だった。FMのエアチェックも試みたけれど、あいにく我が家は電波の入りが悪く…。  僕は単なるミーハーだったが、オクダ少年は筋金入りのマニアックだった。チャートを追うなど早々に放棄している。一方で、新しい音にも貪欲に飛びつき、興味が次々と移る。飽きっぽいとは敢えて言うまい。若者ならではの吸収力と柔軟さのなせる業。  本作は1977年で終わっているが、奥田さんは1978年以降は商業主義だと斬り捨てている。僕が最も洋楽に夢中になっていたのは’80年代だが、’90年代に入るとチャートのチェックはやめてしまった。僕の興味は、どんどん過去に向かうことになる。結局誰でも、10代の頃に聞いていた音楽に、いつまでも思い入れがあるものだ。  近年、ビートルズを筆頭に、洋楽の名作のデジタルリマスター化が相次いでいる。かつての洋楽少年がターゲットなのは明白だ。データだけが売買される現在、洋楽はもはや憧れの対象ではなくなった。ジャケットも含めて作品だなんて、古い考えなのだろう。  最後に収録された短編は、オクダ少年の青春そのもの。若者にとって音楽が必要なくなったかといえばそんなことはない。彼らは彼らの好きな現代の音楽を、校内放送に乗せたいに違いない。我々中高年は思い出に浸って生きる。それでいい。

Posted byブクログ