アイヌの世界を旅する の商品レビュー
美しい写真とともに、アイヌのことを大まかに学べる一冊。エリア別に関連スポットの紹介も。中でも印象に残ったのは、それまで口承だったアイヌ文学を文字に書き起こした、知里幸恵さん(19歳で夭逝)の銀のしずく記念館。いつか訪れてみたい場所がまたひとつ増えた。
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アイヌ文化を豊富な写真と資料と共に紹介しています。 現在の北海道でアイヌ文化を探れる土地や資料館の紹介がメインで、アイヌの歴史についてはさらりとしか触れていません。
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別冊太陽の姉妹版「太陽の地図帖」。 本屋で偶然手に取り 即買い。 結果、買って正解。 アイヌに関心を持った人の入門書として十分活用出来る。 北海道に行った際は、この本にあるアイヌ文化ゆかりの地へぜひ足を運びたい。 写真もキレイだし、アイヌの世界観や言語についても解説があり、内容...
別冊太陽の姉妹版「太陽の地図帖」。 本屋で偶然手に取り 即買い。 結果、買って正解。 アイヌに関心を持った人の入門書として十分活用出来る。 北海道に行った際は、この本にあるアイヌ文化ゆかりの地へぜひ足を運びたい。 写真もキレイだし、アイヌの世界観や言語についても解説があり、内容はすばらしい。
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学校で、アイヌのことを学ぶ機会はなかった アイヌを知る為の入門編として私には合っていた 過去のこと、現在のことが写真と共に紹介されていて見やすかった
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おとなの「旅」の道案内・「太陽の地図帖」シリーズ。 この号は北海道各地のアイヌゆかりの地を巡る旅である。 ざっくりと地域に分けて、日胆、道東、噴火湾(有珠・洞爺湖周辺)、道南、宗谷、道央。 北海道というところは広いのだな、アイヌと一口に言うけれど、土地土地でさまざまであったに違...
おとなの「旅」の道案内・「太陽の地図帖」シリーズ。 この号は北海道各地のアイヌゆかりの地を巡る旅である。 ざっくりと地域に分けて、日胆、道東、噴火湾(有珠・洞爺湖周辺)、道南、宗谷、道央。 北海道というところは広いのだな、アイヌと一口に言うけれど、土地土地でさまざまであったに違いない、と思わせる。 第1章は、アイヌ民族に関する基礎知識をまとめる。その世界観や社会構成、和人との関わりなど、アイヌを知る、まず第一歩というところだ。 第2章が、主題の「旅」である。 第3章にはアイヌ文化に関連する用語解説で、ちょっとした事典になっている。 日胆(にったん:日高地方と胆振(いぶり)地方を合わせた呼称)は、今日、アイヌ民族が多く暮らし、アイヌに関する施設も多い地域だという。アイヌ初の国会議員であった萱野茂もこの地域の二風谷(にぶたに)出身である。明治日本を訪れ、各地を旅したイザベラ・バードは二風谷の手前にあたる平取(びらとり)地域を歩き、記録を残している。 この地には伝統工芸の継承者も多く、イタと呼ばれるアイヌ文様の木彫りの盆や、アットゥシ(「シ」は小さく表記するようだ)と呼ばれる織物が知られる。アットゥシは、何と樹皮の織物なのだそうで、まずは樹皮を糸にするという大変な作業が必要である。皮を剥がし、水につけ、煮て繊維を抽出し、糸を紡ぎ、草木染めをした後、ようやく織りの工程となる。いずれも平成25年に伝統工芸品指定を受けたそうである。 十勝や阿寒といった地域を含む道東は西部・北部とは山脈で隔てられているが、健脚のアイヌは越えやすいルートを見つけ、この地にも根付いた。各地のアイヌ文化が混ざり合う、独特の文化を展開していたようだ。伝統芸能が盛んで、世界への発信地ともなっている。 有珠・洞爺湖を含む噴火湾地域には、縄文時代の遺跡も残る。鯨やオットセイ猟といった海の文化が継承されてきた地でもある。『アイヌ神謡集』で知られる知里幸恵は登別に生まれている。 道南は、下北半島の向かい側にあたる、北海道の玄関口である。14世紀以降、和人がこの地に往来するようになり、交易だけでなく、激しい戦闘の舞台ともなった。 宗谷は、北端の地域である。樺太アイヌや大陸との交易の地ともなってきた。北方ユーラシアとの交流の資料も残るそうで興味深い。樺太がロシア領になってからは、樺太アイヌは強制的にこの地に移住させられ、その後には、さらに内陸への移住を迫られたそうである。 旭川・札幌に代表される道央には、石狩川が流れる。流域各地に集落があり、サマイェクルと呼ばれる神を創世神・文化神として奉じていた。 事典では、ユカラ(英雄叙事詩)、シヌイェ(入れ墨)、クワ(墓標)、マキリ(ナイフ)の項が興味深い。美意識や死生観、「用の美」など、多面的にアイヌ文化を見ていく。 ウポポ(歌)に関連して、「マレウレウ」というヴォーカルグループが紹介されている。YouTubeにも画像・曲がアップされていたので視聴してみたがなかなか興味深い。独特の響きがうねりとなって、ちょっとトランス状態に持って行かれそうな感じである。本誌インタビューによれば、グループ4人は別々の伝承者から習い覚えたものを歌っており、同じ歌でも旋律も言葉も微妙に違っているのだそうである。もちろん、4人の声質も違い、そうした微妙な「ズレ」が歌に生命力を与えるのだとか。重厚な立体感がある。 巻末にはアイヌ文化に関連する行事や関連サイトをまとめる。 本誌をきっかけに、アイヌの世界を脳内で、あるいは実際に旅するのも楽しそうだ。
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