下半身の論理学 の商品レビュー
これは強烈な本だ。これまでの著者の本と同じく基本的には読者に思考実験を強いるのだけど、題材があまりにも下世話かつ切実すぎて思考実験に必須の客観的な態度を保つのが極めて難しい。性別に関わらず、多くの読者を「ゾワゾワ」に導き、夫婦、恋人、父娘関係を神経不安に陥れるだろう。僕ももちろん...
これは強烈な本だ。これまでの著者の本と同じく基本的には読者に思考実験を強いるのだけど、題材があまりにも下世話かつ切実すぎて思考実験に必須の客観的な態度を保つのが極めて難しい。性別に関わらず、多くの読者を「ゾワゾワ」に導き、夫婦、恋人、父娘関係を神経不安に陥れるだろう。僕ももちろんその一人。 基本的には、通常、道徳や倫理を軸に語られることの多い「処女/非処女」問題を、そういった曖昧な価値観を介在させずに、経済的・生物学的「損得」の問題に還元して考えてみましょう、ということなのだが、その過程で自分でも見ないフリをしていた意識の奥底をここまで抉り出されてしまうとは…。しかしそれに耐えれば知的刺激に満ちた読書体験と論理学のタームを用いた思考の方法論を、「楽しく」学ぶことができる。 とにかく本書は奇書の部類に属すると思う。酒の肴に軽く読もうと購入したが、あまりの重さにとても酔った頭では読む気になれなかった。タイトルや装丁の軽やかさに騙されぬよう、ご注意。
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内容からして「処女とはなにか」とか「性行為とはなにか」とかそっちの方向に進むのかと思ってたら進まなかった。まあ『のぞき学原論』と同じように、あんまり真面目に読むタイプの本ではないようだ。
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