かてきょーぱらだいす! の商品レビュー
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うーん。うーん。 これは「今書かれたもの」として読む内容としてはなかなか厳しいものがありますね。内容が「00年代前半エロゲーシナリオ」の構成に近しいものを感じる。 何がいいたいかっていうと、若干おっさん臭いんですよね。懐古主義的に読むにはいいんですけど。 内容的には、家庭教師という閉鎖空間で教え子と教師のいけない関係というありがちパターンに複数プレイでただれた関係という真っ当なところをついているんですが、爛れている割には、ぎりぎりで爛れきらないんですよ。エロシーンに突入する割には挿入しない寸止めプレイで中盤まで進んでいき「処女喪失」というテーマをストーリー化して話の締めに使うという。 この著者、処女厨なんですかね。 なんか、前作も寸止めで一切挿入しないとかあったんですけど、もうそういうのいいです。 この本のあるべき姿は、主人公と従妹ならびに教え子2人をさっさと結ばせて、従妹を含めた教え子3人との爛れた関係である「キャッキャウフフな夏休み」を主題に置くべきであって、それをエピローグのような一文で「夏休みはまだ続きそうだ」みたいな締め方で終わるのは、ちょっと待ってくれよって思ったんですよ。 というのも、現代ライトノベルがあんなに寸止めエロシーンが乱発している中で、直接的な寸止めとはいえ官能小説派生のライトノベルですら寸止めってどうなんですかね。処女喪失までの道筋を引っ張るっていうシナリオの作り方って昔のエロゲーの作り方であって、今のジュブナイルポルノの立ち位置とは違うんじゃないかなーって、読みながらつらつらと考えてはいました。 いや、だってもう、そういう焦らされ方するんだったら、ラノベが十分エロいからラノベでいいじゃないですかー。 というわけで、この本は予想以上にプロローグ的内容でした。キャッキャウフフのストーリーは、この本のシナリオの後にある。そういう意味ではものすごく掠められた気分。本のシナリオ全体で寸止めされた気分なんで、モヤモヤ感は半端ないです。前作もそんな感じだった気がする。 できれば、ちゃんと1冊できちんと書き上げるようにプロットを描き切って欲しいとは思いました。
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