疎遠の妻、もしくは秘密の愛人 の商品レビュー
報われなかった恋、放置された悔しさ、夫を手に入れるには伯爵夫人のエミリーではダメなのだという悲しい自覚から、夫を説得し連れ戻すというしごくまっとうな思考からズレて、彼女は名もない愛人という立場にトキメキを感じ始めてしまう。 そんなこととはつゆ知らず、目の見えない中で自暴自棄になっ...
報われなかった恋、放置された悔しさ、夫を手に入れるには伯爵夫人のエミリーではダメなのだという悲しい自覚から、夫を説得し連れ戻すというしごくまっとうな思考からズレて、彼女は名もない愛人という立場にトキメキを感じ始めてしまう。 そんなこととはつゆ知らず、目の見えない中で自暴自棄になっていた男は、愛人に励まされ前向きに生きるということを考えはじめるが、愛人と妻との間で引き裂かれそうな想いを味わうというお話。 だが、そんな彼に対するヒロインの思考が、悪趣味だと感じる部分ありかも。 全体的に喜劇的な作品だが、複雑な人間の感情の駆け引きが丁寧に描かれており、読後は爽やか。 そんなこじれちゃった二人の関係がいつ終わるのか? 事実を知った彼の反応はどうなるのか? ラストギリギリまで緊張感のある展開で一気読み。 http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-4415.html
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"許婚の伯爵エイドリアンと結婚したエミリーは、 新婚生活への期待に胸を弾ませた。なぜなら、夫は初恋の人だから。 ところが、まもなく彼はロンドンに行ったきり戻ってこなくなった。 3年の月日が流れたある日、彼の強欲な従弟が屋敷に乗りこんできて、 跡継ぎが生まれないなら爵位と...
"許婚の伯爵エイドリアンと結婚したエミリーは、 新婚生活への期待に胸を弾ませた。なぜなら、夫は初恋の人だから。 ところが、まもなく彼はロンドンに行ったきり戻ってこなくなった。 3年の月日が流れたある日、彼の強欲な従弟が屋敷に乗りこんできて、 跡継ぎが生まれないなら爵位と所領は我が物になると言われ、 彼女は思わず口走った。「私のお腹には、伯爵の子がいます」 かくして一刻も早く子をもうける必要に迫られた彼女は、 歓迎されないことを承知でロンドンへ向かった。 だがそこにいた夫はほぼ視力を失い、彼女が妻だとは気づかなかった! エミリーは考えた。夫の愛を取り戻すには、このまま正体を隠して……。"
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