絶叫 の商品レビュー
初読みの作家さん 本当は鼓動を読もうと思っていたのですが シリーズものと知り、こちらから手に取りました。奥貫綾乃という刑事が出てくるシリーズの一作目です 今作「絶叫」は鈴木陽子という女性の生涯が綴られた物語。 陽子の目線、綾乃の目線、カインドネットの事件の関係者の証言と3...
初読みの作家さん 本当は鼓動を読もうと思っていたのですが シリーズものと知り、こちらから手に取りました。奥貫綾乃という刑事が出てくるシリーズの一作目です 今作「絶叫」は鈴木陽子という女性の生涯が綴られた物語。 陽子の目線、綾乃の目線、カインドネットの事件の関係者の証言と3つの視点から物語は進んでいきます 本書は割と分厚く、陽子の出生からじっくりとその生涯が描かれています。 どんどん陽子が転がり落ちていってしまう様をじわじわと体感することができ、それこそ金魚のように呼吸をするのが苦しくなるような感覚になります 全体的にスピード感はなく、この話がどのように繋がるのか?と思いながらも、何故か読むのが止められませんでした。 そしてただただ綴られていたように思えた半生ですが、、、 全貌がわかってくると、思わず前の内容を見返したくなるでしょう!! 細部まで練られているのがわかります そしてなぜがちょっとスッキリしてしまう読了感でした 星5か迷っての4 次はBlue!
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2013年10月 NPO法人の代表理事 神代武が全身をメッタ刺しにされ殺される。女性の声で110番通報があり、事件後 この住宅に同居していた1人の女性の行方がわからなくなる。 2014年3月 単身向けマンション「ウィルパレス国分寺」の一室で、飼い猫十数匹に食い荒らされ原型を留め...
2013年10月 NPO法人の代表理事 神代武が全身をメッタ刺しにされ殺される。女性の声で110番通報があり、事件後 この住宅に同居していた1人の女性の行方がわからなくなる。 2014年3月 単身向けマンション「ウィルパレス国分寺」の一室で、飼い猫十数匹に食い荒らされ原型を留めない女性の遺体が発見される。孤独死と見られ 事件性は無いかのように思われるが─。 部屋には「鈴木陽子」と記された通帳。 -ねぇ、あなたは、鈴木陽子っていうの?- 国分寺署の刑事 奥貫綾乃は心の中で問いかける。 奥貫綾乃シリーズ第1弾 ババン! 最新刊の「鼓動」から読んでしまいましたが、やっぱり奥貫刑事好きでした。 重要人物が1970年代生まれで、重要人物の生い立ちが語られる章と奥貫が捜査する現在の事件とが交互に書かれるというのが このシリーズのパターンなんでしょうか?? 特徴の無い顔、パッと見 地味で何処にでもいそうな平凡な女性、鈴木陽子が辿った壮絶な人生。 彼女の人生の歯車が狂いだした分岐点はどこだったのか?と読み返してしまいましたが、陽子が凶悪な犯罪に手を染め始めた時に、陽子自身も「私がこうなったのは、どこで間違ったせいなのか?」と絶望しながら振り返ります。 ホストに入れあげた時か、身体を武器にしてしまった時か、クズな妻帯者に恋してしまった時か、、 、それとも「女」として生まれてしまった始めからなのか─。 「全ては『自然現象』。人生には分岐点も、意味すらもない」 そう考えると なんだか生きてることに無気力にもなりそうな言葉ですが、逆に陽子には生きる意味になったようです。 陽子がジワジワと転げ堕ちていく様や、社会から棄てられた人「棄民」の生きづらさに どんどん辛くなりますが、面白さが勝ってガンガン読み進めちゃいました。 陽子同様、結婚や仕事や自分の部屋にさえも居場所が見つけられない奥貫がなんか好きです。ハタチの頃にしてしまった不倫とか、後悔とかを胸に秘めて、陽子や 社会的に弱い立場の人と自分を重ね合わせて苦悩する姿が、正義感バーンって主人公よりもいいなって 奥貫のその後がますます気になっちゃいます。 ラスト、まさに陽子の「絶叫」とも言えるシーンには胸が詰まりました。陽子の手にしたかった自由って…。そこまでしないと手に入れられなかったのか…。 陽子の章で、陽子を「あなた」と呼んでいるのは、自分を客観的に見てるのかな〜くらいにしか思ってなかったけど、なるほどゾワッ!! プロローグの奥貫の「ねぇ、あなたは」の問いかけが…!! さてさてー、第2弾の「Blue」も借りてきてあるから読もうかな?それともドラマ版の「絶叫」を観始めようかな?買い物も行かないといけないし、お風呂洗わなきゃだし、トイレも行きたいし。忙しい。
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「ロスト・ケア」を読んで、興味を持った著者で、2冊目。 飼い猫と一緒の腐乱死体の女性の事件と、 NPO法人の理事の殺人事件、 まるでつながりのなさそうな二つの事件。 別々の事件がある日、つながった時の、驚き! 展開のテクニックが憎い! 鈴木陽子と、刑事の奥貫綾乃という女性の生...
「ロスト・ケア」を読んで、興味を持った著者で、2冊目。 飼い猫と一緒の腐乱死体の女性の事件と、 NPO法人の理事の殺人事件、 まるでつながりのなさそうな二つの事件。 別々の事件がある日、つながった時の、驚き! 展開のテクニックが憎い! 鈴木陽子と、刑事の奥貫綾乃という女性の生き方が、 社会問題を浮き彫りにしつつ、対比されて細かく描写されている。 社会に家族に翻弄され、どん底に落ちていく人の、 血を吐きそうなくらいの「絶叫」が聞こえた。 最初のうちは鈴木陽子にとても同情していたが、 まさか、まさか、最後は、そこまでするとは! 思わず、「絶叫」
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なんとなく結末にかけて流れが読めたが、最後に「あの人が!」と驚きとともにページを戻して確認してしまった。 全体的に重いストーリーで救いがないかと思ったが、意外とスッキリと爽やかな読後感。救いなのかは微妙だが。
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壮絶な人生。誰か手を差し伸べてたら変わったんですかね…もしもを言い続けてもキリがない展開だったけど、最後は驚かされた‼︎面白い‼︎
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この強さがあれば、もっと違う人生があったのではないか。色々な出来事が彼女を強くさせてしまったのか。薄っぺらな主人公がラストで形をなして目の前に現れた。
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前半はもう読むのを止めようと思った程、主人公の女性の不幸な生い立ちに、やりきれなさを感じた。 ところが中盤からは一気に展開し、最後に「そういう事なのか」と納得。 最初から何か違和感を感じながら、それが分からず読み進めていて、また所々に伏線がはってあったのを最後になって気付くという...
前半はもう読むのを止めようと思った程、主人公の女性の不幸な生い立ちに、やりきれなさを感じた。 ところが中盤からは一気に展開し、最後に「そういう事なのか」と納得。 最初から何か違和感を感じながら、それが分からず読み進めていて、また所々に伏線がはってあったのを最後になって気付くという内容。読了してから何回か前に戻って確認せざるを得ない本は初めて。 しばらくはこの作家の作品を追ってみようと思う。
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※このレビューにはネタバレを含みます
感想 平凡な人生に山あり谷あり。人生誰にだって何が起こるか分からない。そして、人は何のために生きるのだろうなど考えさせられる。 最後に急展開で謎解き。こういう逃げ切りもあるんだ。物語の伏線が次々に回収されていった感じ。 陽子の回想シーンで「あなた」と書かれていたことも最後で納得がいった。 あらすじ マンションで女性の白骨遺体が見つかった。飼い猫に喰われたことと死後4-5ヶ月は経過していそうなことから死因の特定は難しい。 死亡したと思われる鈴木陽子がどのような生い立ちであったかが、現在と過去を行き来しながら、物語は進む。平凡な両親と弟の4人家族で暮らしていたが、母親が弟贔屓であることや、弟が中学でいじめられて自殺するなど、重い過去を持っていたが、当の陽子は地元の短大に通い、地元の企業に就職して平凡な毎日を送っていた。陽子も働くようになり、平凡な毎日を過ごしていたが、27歳のある日、父が失踪する。 陽子は偶然、中学時代に憧れていた先輩と再会し、結婚して東京に行くが、子供ができずに離婚する。その後、保険レディとして働くが、ノルマに追われる日々を送る。 刑事の綾乃は陽子の事件を追っていた。陽子都合4回結婚して、そのうちの3人は結婚から1年以内に死亡している。陽子は、ホームレスを支援するカインド・ネットというNPOの神代と付き合っているという噂があった。その神代も死亡している。 陽子は、保険会社で枕営業をしていることがバレ、辞めさせる。風俗でお金を稼ぐようになった。その頃、風俗狩りに合い、神代と出会う。今、世話している元ホストに保険金をかけて殺害することを神代に提案する。神代はカインド・ネットの生活保護者を使って、連続保険金殺人を思いつき、実行に移す。陽子は神代の支配から逃れるべく、地道に計画を立てて、神代を殺害する。 陽子は、風俗時代に知り合った橘を自分に見立てて殺害し、橘さおりとして生きる道を選ぶ。
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NPO法人の代表が殺害された事件と、あるマンションで身元がわからないくらい腐敗した状態で見つかったある女性の孤独死…一見関連性のない2つの事件が、その悲壮な孤独死を遂げたとされる女性の一生を振り返ると共に、次第に繋がっていくという物語。 500ページ強の結構な長編であったが、結論...
NPO法人の代表が殺害された事件と、あるマンションで身元がわからないくらい腐敗した状態で見つかったある女性の孤独死…一見関連性のない2つの事件が、その悲壮な孤独死を遂げたとされる女性の一生を振り返ると共に、次第に繋がっていくという物語。 500ページ強の結構な長編であったが、結論一日でイッキ見してしまった程引き込まれる内容で、最後まで中だるみなくおもしろいなと感じる作品でした。 何をやってもうまくいかない、社会に溶け込むことができない、居場所がない、男運がない…まぁこんな設定の女性を主人公とした作品は結構あるのだが、この作品では主人公が想像の何倍をも超えて成長していく…と言ったら語弊があるが、生きていくために変わっていく、強くなっていく姿は圧巻であった。 初めての作家さんであったがこの作品で俄然興味を持った。また別の本にもトライしていみたい。
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うわぁー!!!そうか!!語りの違和感そうきたか。読み終わって、主要部分読み返しました。 凄惨な孤独死の現場に立ち会った刑事と、鈴木陽子と思われる遺体。 陽子に対して語りかけるように進む陽子自身の壮絶な生き様と、遺体の身元確認の為に捜査する刑事の語りで、なかなか厚みのある1冊がす...
うわぁー!!!そうか!!語りの違和感そうきたか。読み終わって、主要部分読み返しました。 凄惨な孤独死の現場に立ち会った刑事と、鈴木陽子と思われる遺体。 陽子に対して語りかけるように進む陽子自身の壮絶な生き様と、遺体の身元確認の為に捜査する刑事の語りで、なかなか厚みのある1冊がするすると展開されていく。 どこから、陽子は転落していったのか、分岐点はどこなのか考えずにはいられなかった。あるいは、この親の元に生まれた時からなのか、、、? 生き抜く強さとしたたかさ。 それにしても、刑事の我が子に対する虐待からの離婚、親権放棄、警察に復職設定の既視感。何のタイトルだったけ??そこだけがモヤモヤする。
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