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はじまりのはな の商品レビュー

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2024/11/03

仲間とはぐれ冬に取り残された渡り鳥のローザが、犬のミールと御主人様のアンナと一緒に春を待つ、出逢いと別れの物語です。 . 灰色のローザの羽根1本1本、犬のミールの毛までも、触ったららその温もりが伝わってきそうなくらい素晴らしい絵です。また凛とした中にも優しさが棲むミールの飼主ア...

仲間とはぐれ冬に取り残された渡り鳥のローザが、犬のミールと御主人様のアンナと一緒に春を待つ、出逢いと別れの物語です。 . 灰色のローザの羽根1本1本、犬のミールの毛までも、触ったららその温もりが伝わってきそうなくらい素晴らしい絵です。また凛とした中にも優しさが棲むミールの飼主アンナのまなざしも素敵。心温まる色彩が美しく、落ち着きの色合いの中に、ハッとするほど映える赤色が、とても印象的です。 . 季節とともに枯れてはまた咲く花、別れと出会いが繰り返される切なさ、そして永遠に続いていく絵の美しさ、まるでこの一冊の本が、絵本に出てくる「ほっぺのはな」の種が入ったバッグのようにさえ思えてしまいます。 . 繊細な絵と、柔らかな言葉で描かれた珠玉の絵本。 季節の循環というスケールの大きな視点を通して、心のひだを表現しています。 . #はじまりのはな https://amzn.to/3UAMPHZ #マイケルJローゼン 文 #ソーニャダノウスキ 絵 #蜂飼耳 訳 #くもん出版

Posted byブクログ

2022/09/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

季節は冬から春へ、渡り鳥のローザの出会いと別れの物語。 仲間たちと渡りの途中、宝物の〈ほっぺのはな〉の種を抱えて飛ぶローザは力尽きて川に落ちてしまう。彼女を助けたのは犬のミールと飼い主のアンナ。「みんな それぞれ じぶんの こころのなかに おたがいの いばしょを みつけていった」という表現がとても気に入った。 でも穏やかに流れる楽しい時間は同時に変化と別れも運んでくる。 「とおくに いても ともだちだよ…。さよなら きっと また あおう」の絵のないそのラストのページを無言でずっと見つめていた6歳の息子だった。 一羽と一匹と一人の「こえに ならない それぞれの おもいが あおい そらに とけていく」お別れの光景は、これから迎える卒園式の日の息子たちに自然と重なってしまう。

Posted byブクログ

2018/02/25

とにかく美しいこの絵の虜になりました。ページをめくる事に、その絵の中の全てが、生活が、読み手の想像力を掻き立てるのです。 秋から冬の終わりの柔らかなひかりを、グレーから茶色のグラデーションと、ほっぺのローズ色だけで描いているところが、語りすぎない情緒となっているような… 渡り鳥...

とにかく美しいこの絵の虜になりました。ページをめくる事に、その絵の中の全てが、生活が、読み手の想像力を掻き立てるのです。 秋から冬の終わりの柔らかなひかりを、グレーから茶色のグラデーションと、ほっぺのローズ色だけで描いているところが、語りすぎない情緒となっているような… 渡り鳥ローザを助ける犬のミール。ミールのかいぬしアンナ。アンナの家での暮らしは、それは素敵。サンルームのようなお部屋で、ほっぺの花の種の成長をなんとなくしんみりと、でも楽しげに待つところなんて、素晴らしい絵で表現されています。 春が近づき、ほっぺの花も咲き誇る頃、ローザの仲間たちがやってきます。 ローザはどうするのでしょうか… 絵本の中に作者、役者の言葉がつづられた冊子がはいっていました。もともとは、ベルリンに住む画家のソーニャさんが描いた絵が始まりだそうです。 その絵を、海を隔てたアメリカオハイオ州の、マイケル・J・ローゼンさんが見て、ベルリンとの繋がりを感じ、物語にしていったのだそうです。ローゼン氏はミールのような愛犬と暮らし、家にはほっぺの花(クリスマスローズ)が9ヶ月も咲き誇ったところだったそうです。出会うべくして生まれた、奇跡のような絵本なのですね。 ローゼン氏は言っています、それぞれのページに描きこまれた豊かな時間。そこにはストーリーの陰に隠れた秘密のかけらの物語が、読者である私たちが、想像の中で出会うために残されている…と。 素敵ですね。ずっと眺めていたい絵本です。

Posted byブクログ

2014/11/23

ソーニャ・ダノウスキの絵がすごいです。 感動しました。 絵とストーリーぴったりとマッチしています。 翻訳の蜂飼耳さんの文が、これまた美しい。 今度、蜂飼さんの詩集を読んでみます。

Posted byブクログ